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Xmate -クロスメイト-  作者: 紅弥生 
第五章 世界冒険編序
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第三十七話 動き出す終わりの刻

 オーラを放ちだしたので思わず警戒して後退してしまう。

 しかし、その判断は正しかったようで、先程までいた場所にドーム型に紫色の爆発が起こる。

 爆発は規模が思ったよりもでかく、強力だったため、地下だけでは抑えきれず、小屋までも破壊される。

 それと同時に、二人のHPが減らずにバーのみが消失してしまう。

 どういう事だと思いつつ、爆風が収まるのを待つ。

 爆風が収まると、高笑いが聞こえる。


「フフフ、ハハハハハハ!!些か想定外はあったものの、ここに朕顕現なり。ふむふむ。今世は人族か。悪くないな!」


 誰だ……?

 まさかあれが、異状生命体とでも言うのか……?

 ジュグメアとかと違い威圧感はないが、何故か思わず跪きそうになってしまう。


「おや、一人の小僧が……む……。なんだ、朕の器に最適性だったものの反抗した者か。今となっては必要ないな。殺れ」


 すると、こちらに気付いたようで、手下(?)に命令する。

 するとこちらに向かって素早く動く影を見かけ身構える。

 身構えた瞬間、剣が振り下ろされるので、それに合わせて防御すると、手下の姿が露わになる。

 それを見た俺は驚愕する。

 その手下の正体はアルフレクスだったからだ。

 しかも、ゴブリィンから姿が戻ったようで、恐らくよく分身体を利用する俺しか感じ取れないであろう、分身体特有の気配がない。

 アルフレクスに話しかけようとすると、別方向から矢が飛んでくる。

 避けるためにアルフレクスを思い切り吹き飛ばし、その反動を利用し、後ろに少し下がり、矢を避ける。

 矢が飛んできた方を見ると、フェルの姿があった。

 恐らく、二人は爆発に巻き込まれた。

 そしてその爆発は範囲にいるもを異状生命体の手下と化すると言うわけか。

 チッ、クソッ避けれなかったのかッ!!

 突然バーが消えたからどういう事だと思っていたがこういうことだったとはッ!!

 しかし不味いな……二人じゃなかったら仕方なく殺すしかなかったけど、二人だったら仕方なくとか関係なく殺せない……けれども、正気に戻せる方法もないどうする……

 いやあいつを殺せば!!

 そう思い、二人に接近し、気絶させる。

 そしてそのままスキルを発動させる。


『闘神』


神之宴テオス


天帝之頂ゼウス


【NAME:RILGLAYSIAはスキル「闘神」を発動】


【NAME:RILGLAYSIAはスペシャルスキル「神之宴テオス」を発動】


【NAME:RILGLAYSIAはアルティメットスキル「天帝之頂ゼウス」を発動】


 ついでに神からこいつの討伐も任されてたんだ。

 顕現したばっかで瞬間で悪いが二人を助ける為、殺してやろう。

 ヘルクレットは都合の良いように利用してしまうが、これは仕方がない。


(ヘルクレット、サポート頼んだ!)


(おう!)


 どうやら視覚共有してたようで勢いよく返事してくれる。

 そのまま、俺は相手に後ろから突撃し、切る。

 ヘルクレットのサポートを身に感じながら。

 しかしその攻撃は、世界が一瞬止まったかと思うと、空を切る。

 そう。先程まで異状生命体がいた場所は人影もなくなっていたからだ。

 どこいった!?と周りをキョロキョロする。


「成り損ないだが、貴様の力は重々承知の上だ。この身体の記憶を読み解いたからな。だからこそ、貴様の仲間を支配下に置き、囮として用いたんだが、予想以上に決断が早かったようだ」


 すると、後ろから声が聞こえたので返答を返しつつ振り返る。


「それはどうも。ところで、仲間を返して貰えないかな?」


 しっかりと異状生命体の姿を視界に映し、睨む。

 異状生命体はその返答に対して不敵に笑いながら話し始める。


「ハッ!朕の答はもう察しが付いておろうに。まぁいい。残念だが、それは出来ない。まだ貴様の囮として使用出来るからな」


「ですよね。なら、お前を倒して、返してもらうとするよ」


 怒りが抑えきれない程まで来ているが冷静に。

 前は感情に任せていたが、そんなことはもうしない。

 さて、俺の言葉でようやく、異状生命体もやる気を出してくれたようだ。

 周り一体がバトルフィールドに包まれ、俺のスキルの効果も増す。

 そして久しぶりに視認したが、【Battle start】と言う表示が横からスライドして来て、消えていく。

 その消えた瞬間に互いが動き出す。

 それぞれ、俺は魔法を、異状生命体は接近を。

 俺は目を閉じ、スゥゥと息を吸い込み限界まで吸い込んだところでパッと目を開き、転移そして火属性魔法を同時展開する。

 そして、転移された瞬間、駆けりだす。

 異状生命体の姿は視認できている。

 そのまま異状生命体の元に向かい、間合いに入ったところで剣を振る。

 が、それは空振りしてしまう。

 そう、それは残像であったからだ。

 じゃあ何処にいる?と思った刹那、背後から気配がしたので振り向きながら剣を振るう。

 ギィン!と音がし、防いだ左腕が痺れてしまい剣を離しかけるが、なんとか力を入れ直し、再び強く握る。

 そして目を離さないように異状生命体をきっちりと目に映しつつ、思い切りバックステップをする。

 すると、突然近くに寄られているかと思うと切り裂かれそうになっていた、それを思わず両方の剣で受ける。

 そして吹き飛ばされ、更に追い打ちを喰らいそうになるが、突然視界がゆっくりになったかと思うと、異状生命体がしてきた追い打ちが身体のすれすれを切り、空振る。

 その空振りと同時に力が湧いてくる。

 うまく着地しながらその着地した反動を生かし、踏み込み、駆けだす。

 その駆けだす速さも先程までより素早くなっている。

 目の調子もよく、先程までは朧気ながら見えていた異状生命体の動きもすこし霞むが、先程よりしっかりと見える。

 それを利用し、異状生命体の動きを確認し、再び俺に一発を喰らわせようとする姿を捉え、そこに向かって転移&クロス切り。

 そして通り過ぎたと同時に体をくるりと回転させ、そのまま右の剣で攻撃。

 着地は氷属性魔法と火属性魔法を一瞬だけ展開し、勢いを殺してから着地。

 体全体は異状生命体の方向を向いていたので、姿を見失うことはなく着地成功。

 その間、異状生命体は絶叫している。


「グウォォォ!!!」


 そんな叫びをしながら異状生命体は言葉に繋げる。


「しょうがない……逃げ……るぞ」


 は?クソっ油断したッあれで死んでないのか……

 でもここは既にバトルフィールド化しているから逃げれない。

 だけどのんびりしている場合ではない!!

 そう思い、地面を抉るほど強く踏み込み、異状生命体の方へ一気に近づく。

 そして攻撃しようとすると、異状生命体がニヤッと笑う。

 あっマズイと思ったときには異状生命体が黒い煙を噴出しながら俺の中に入ってくる。

 恐らくヘルクレットは先程の乗っ取り防御の際と現在の俺へのサポートで消耗しているはず。

 つまり、俺の精神防御力で耐える必要があるが、俺の精神防御力はヘルクレットありきな物なので耐えることは恐らく不可能。

 なので、ヘルクレットにはせめて二人のサポートをして欲しい。

 そして、俺はここで自殺する。

 そうすれば、世界に異状生命体が解き放たれる事は無いだろう……

 その考えは甘いか……?

 まぁ良くないけど良いさ。

 そのことを考えながら分身体を作り、そしてヘルクレットに話しかける。

 まだあいつが俺の体を乗っ取り切るまで時間はたっぷりあるはずだと予測して。


(ヘルクレット、俺からスキルも全部取って分身に移動してくれ!!)


(お主まさか?)


(良いから!頼む!!)


 そう強く頼むと何も言わず分身体に移動していく。

 自分の力がなくなるのを感じながら。

 薄れゆく意識の中鎧も全部外し、剣を一本持ち、自分の心臓に突き立てる。

 みんな、さよなら。

 そして、俺の意識は闇に包まれる。


------------------------------------------------------------

----side:ヘルクレット


 リルグレイシアが自殺するのを見守っていた。

 恐らくあやつは我が消耗しているのを感じ取ったのであろう。

 その上で耐えるのは不可能と。

 確かに英断ではあるが、愚断である。

 異状生命体は自殺しただけでは、死にはしない。

 自殺したことによりリルグレイシアはあいつとしての意識は既に消失しているから助け出すのは恐らく不可能。

 だが、意識が消失する前に乗っ取り切られていれば、あいつとしての意識は眠っているが存在している。

 そうなれば我の力を使い果たせば助け出せるであろう。

 そんなことを考えている間に異状生命体が乗っ取れたようだ。

 まさに興奮と言う様子でリルグレイシアの身体の心地を確認している。

 リルグレイシア(寺橋護)の意識は別としてあの身体自体は何故か異状生命体が力を出しやすい構造になっていた。

 だから我のサポートも充分に力を発揮出来ていた。

 あいつの知識にあった言葉によると、味方だと強いが、敵になると厄介な能力と言う訳だな。

 まぁ、あいつのスキルは我が全部預かっているから新異状生命体には使用できないが、異状生命体の固有スキルだけでも充分な効果を発揮するだろうな。

 しかし、しくじったな。

 あいつの意識に種でも植え付けて置けば無理矢理引っ張り出して異状生命体の能力を奪い取れたと言うものを……リルグレイシアの意識が汚染されるのを危惧して出来ていなかった……

 さて、異状生命体は、もう飛び去って行ったようだな。

 あそこで発見でもされていたらリルグレイシアの気遣いが無に帰すところだった。

 にしても、バトルフィールドに穴を開けるとは。とんだことをしたな……

 おっとリルグレイシアの仲間は?

 ここに残っている。つまり、手下としては必要なくなったんだな。

 起きた際にでも状況説明とリルグレイシアにもまだ話していない、異状生命体のことをこいつらに言うか……

 そう思いつつ、二人を一箇所に集める。

本文中で説明出来ないのでここで

スキル「護為之力」

バトルフィールド関係なく特定の条件が反応すると発動

1.スキルや魔法の封印を無効

2.致死攻撃を無効化し、所持者のステータスを上昇

3.未開放


念の為の追加説明。精神防御=神々の力の反発力ではないです。

一言

急にテンプレ展開になった気がする……

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