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Xmate -クロスメイト-  作者: 紅弥生 
第五章 世界冒険編序
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第三十四話 神を殺すちから

※誤って消してしまったので二度目の投稿です。

 あれがジュグメア……?

 圧倒的な力の差を感じる……

 あんなのどうあがいたって傷一つすらつけれないだろう。

 俺はあんなのと戦おうとしていたのか……?

 ヘルクレットのサポート無しに戦える訳がない……

 いやヘルクレットのサポートが有ったとしても不可能だろう。

 ましてや今はルクレマス王子と言う人物がいるが、それでも戦う前から決着は付いているだろう。

 あれは、手を出してはいけない存在だ。

 最悪の亜竜デオトラント、グラスディプコディア、怨竜魔クロノスetc……

 クロノスはあれは例外だが、そう言った強大な敵と戦ってきたが、それらとはまた特段と格が違う。

 それに、デオトラントとグラスディプコディア。あれは死んで神に強くてリスタートしてもらったやつだ。

 それよりも上。遥かに上。

 もう一度言うが、どうあがいたって絶望以外の選択肢は無い。

 いつもならここまで落胆して、いや味方がいるからって燃え盛るだろうがその気力はもう絶望に染まってしまった。

 そう落胆していると、ジュグメアがこっちをじっと向き、俺と目が合ったかと思うと突然ジュグメアの目の前に転移させられる。

 そして俺を空中に固定し、話しだす。


「おや。散々私の計画の邪魔をして来た。リルグレイシア様じゃ無いですか……顔が絶望に彩られてますけど、まさか、私の姿を見て絶望したんじゃないですよね……?」


「……」


「まぁ、良いでしょう。これはチャンスですし。最後に聞きますが、リルグレイシア、貴方は、人類滅亡組織ヒューマン・エクスティンクションに入る気はありますか……?」


 悪魔の様な甘い囁き。

 それは自然と「はい」と言ってしまいそうなほど甘く邪悪な囁き。

 しかし、その問いかけに答える気力も無くただ、ジュグメアの目を見つめ返すだけ。

 それを否定と受け取ったのか、ジュグメアは続ける。


「入らないなら、死んでもらいます。では、さようなら」


 そして固定していたのを解除したのか俺は地面に落下していく。

 ジュグメアをじっと見たあと、自由落下によって加速する視界の最中、後ろの方にある王城の廊下で未だ絶望の淵にある殿下をじっと見据えお別れの挨拶をしようとする。

 しかしそれは、突然身体が虹色に輝き出したことによって阻止される。

 何だこれ……

 完全に諦めていた身体に力が湧いてくる。

 ふと右手を見ると紋章が浮かび上がって来ていた。

 これは……と思い、左腕の時計らしきものでステータス欄を見る。

 俺の所持スキル。

 そしてその下には加護の欄が表れており、守護神(ビクトレア)の加護と表示されていた。

 そして、ジュグメアは俺が突然輝き出したことに驚きつつも、俺をじっと見据えている。

 未だ落下しているので、「神之宴(テオス)」を発動し、空中浮遊する。

 正体は分からないけど、活を入れてくれて、ありがとう守護神ビクトレア。

 そう見えない神様に感謝しつつ、俺は一旦王城に転移する。

 そして殿下の所へ行き、諦めていて、更にどこの輩か分からない俺が王家に指示するのはあれだが、殿下に指示をする。


「殿下、俺が注意を引き付けるので、その内に街の住民を避難させてください!」


「え……?いや……リルグレイシアだいじょう……いや君のことを信用しよう。父に一刻も速く伝え、迅速に民を避難させよう。任せた!!」


「はい!」


 そう会話し、すぐにジュグメアのところに転移する。

 どこまで行けるかは不明だけど、やれる所までやってやろう。

 そう迷宮でのクガベットの時と同じだ。あれはたまたま予想外の事をして勝てたが、志は「やれる所までやる。」だった。

 とりあえず共鳴以外の全スキルを発動。


「闘神」


「癒神」


天帝之頂ゼウス


 そしてそのまま、剣を構える。

 こちらの準備は万端だ。いつでも行ける!

 こちらの準備完了を、待っててくれたのか、完了すると、ジュグメアがニヤッと笑い喋りだす。


「ほう。その顔、やる気が入ったようですね。それでこそリルグレイシア!!私を楽しませて欲しいところですが、早速死んで貰いましょう」


「神権限発現。名リルグレイシアの身体機能停止」


 ジュグメアはそう言うとピーーーーと音がしだす。

 何が起こるのか身構えるが、しばらく経っても何も起こらない。

 するとジュグメアが驚愕の様子で喋りだす。


「何故……何故だ!!何故効かないのだ!?」


 ?

 一体何をしたんだろうか?

 加護が気になったので横目でチラって見る。


守護神ビクトレアの加護:神々の権限を無効化。所持者がδΣΩ」


 途中から何故か文字化けしてしまって読み取れなかったが、神々の権限無効て……またご都合主義ですか……

 まぁいいや……

 するとジュグメアがじっとこっちを見ていた。

 そして、次の瞬間空に向かって叫びだす。


「ビクトレアァァァ!!貴様かァァァ!!チィッ!!まぁいい!!ならば私のこの手で心の臓を止めてやろうぞ!!」


 そう言って剣を構える。

 戦闘態勢になり、ジュグメアの攻撃に備える。

 備えた途端攻撃が飛んでくる。

 避けようとするが、避けきれないと判断し、右の剣で受ける。

 見たより攻撃は重かったようで、少しよろけてしまう。

 その隙を付くように再び攻撃を仕掛けてきたので、敢えてギリギリまで引き付けてから左で受け流しつつ、右で攻撃をしようとするが、受け流されている剣を思いっ切り引いたのか力を入れている左に傾いてしまい、ジュグメアに攻撃を当て損ねる。

 空中に浮いているのが幸いして、横に転ぶと言う事は起きなかったので、すぐに攻撃に対応できるように構えれた。

 ジュグメアも体勢を立て直していたので、俺の番だと思い、敵に突っ込んでワザと右で切りつけるフリをする。

 するとジュグメアはそれに引っかかったので右の剣を引き、左の剣で切りつける。

 よし、当たった!!と思ったらギィン!!と大きな音がし弾かれてしまう。

 剣は前に未だあるので、つまり、俺の攻撃はジュグメアに効かないと言うことである。

 体勢を立て直したジュグメアが俺に剣を振るってくるので急いで両手の剣で受けに入るが、威力が高く、下に吹き飛ばされてしまう。

 そしてそのまま木々に突撃してしまうが、葉がクッションとなり、大事に至らなかった。

 しかしジュグメアは焦っているのか、俺の生死を確認せずに死んだと勘違いし、コーストロア王国に両手を向けて魔力を集めている。

 なっ!!

 俺は驚愕しつつも不味いと思い、すぐに立ち上がり、ジュグメアに向けて勢いをつけて飛び立つ。


「やめろぉぉぉぉ!!!!」


 そんな絶叫を俺はしながら剣を切り上げ、ジュグメアの両手を上空に向けることに成功する。

 上空に向けた途端眩い光線が上空に向かって飛んでいく。

 光線が発射された反動で少しジュグメアとの距離が開く。

 そしてその光線が消えると、ジュグメアが驚愕の顔でこっちを向き、叫ぶ。


「まだ生きていたのかァァァ!!リルグレイシアァァァ!!私の邪魔をするなァァ!!」


 それに俺も叫んで応答する。


「邪魔するなだと?お前は世界が滅ぶのを望んでいるのかぁ!!!!!」


「滅ぶだと?私はこの世界を!!私に対する信仰心を忘れてしまった世界の住人ごと創り直そうとしているだけだァァァ!!!」


「お前を信仰している奴らだっているじゃないか!!!そんな私欲で世界を創り変えようとするなぁ!!」


「うるさい黙れ!!」


 私欲と言うのは図星だったようで、それ以上ジュグメアは続けない。

 そして俺はそのまま覚悟を決めてジュグメアに叫ぶ。


「神々や人々から力を貰ってきたが、今もまた借りて、俺のこの手で貴様の思想を打ち壊してやる!」


 それがトリガーとなったのか、オレンジ色の光が俺を包む。

 更に力が湧いてくる。

 根拠は無いが、これならジュグメアも打ち倒せる気がする。

 そこまで確認し、俺は左の剣を鞘にしまい、腰に挿すそして右の剣を両手で構え、ジュグメアに向かって叫ぶ。


「行くぞジュグメア!!」


 その後すぐにジュグメアに突っ込み斬りつける。

 まずは右上から左下にかけて、次に左上から右下にかけて。

 思ったとおり、ジュグメアに攻撃が効いて、そして思ったよりその攻撃が重かったようで、ジュグメアは絶叫しながら消滅していく。

 そして、ジュグメアが完全に消滅したのを確認したあと、殿下を探す。

 どうやら殿下は騎士たちとともに避難誘導をしていたようだ。

 王城に近い所にいたので、そこに一気に転移する。

 そして、殿下へ話しかける。


「殿下。倒しました。これで世界は滅亡することは恐らく無いです」


 そう話しかけると殿下は一瞬驚きつつも安心した顔になり、喋りだす。


「良かった。そしてありがとう。じゃぁ、王に報告しに行こう」


 俺もスキルを解除し、歩いて殿下に付いていく。

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逆境の騎士〜誰にもない属性魔法と特性でピンチをチャンスに〜
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