第ニ十五話 思惑
長め(1000文字程度増えただけ)
ほんとすみません。
------side:人類滅亡組織
そこには四人いた。しかし、そこに一人の男が入ってきて話し始める。
「クガベットが殺られたぞ、そして目的の物を例の小僧に取られた」
「クガベットは所詮雑魚。殺られてもこちらの損失にはならない。でも例の物を取られるのは不味いですねぇ。ところで、その物の行き先は?」
男の報告を近くで聞いていた小柄な人物が話し始める。
「あ、すまん。報告することで頭がいっぱいだった、追って無い」
入ってきた男は頭に手を当てながらそう返答する。そして続けて太っている人物が話し始める。
「アイテムボックスの中に保管されてたら厄介ダナ。まぁ俺からも報告ダ。今、ハウロスジェーンの国境付近を監視していたら、あの小僧、ハウロスジェーン王国を出てドオルトローンへ行ったゾ」
「なに。私の管轄ではないですかぁ!今大切な実験を行ってるから、邪魔されたくないですね!まぁ、邪魔されたら、せいぜい可愛がってあげますよ」
太っている人物の報告を聞いたら今度は長身の人物がそう返事する。
「それはおめぇの好きにすると良いさ。ところで王国を落とすには今が好機じゃないかい?」
小柄な人物が問う。
「いや、まだいいです。彼に伝達が届くまでの時間が長ければ長いほうが潰しやすいですし」
今まで黙って聞いていたリーダー的人物がそう返答する。
「それもそうだな。とりあえずは放置しといていいか。じゃぁとりあえずそれ以外のことを進めようぜ」
「そうだね。それで行こう。じゃぁ各自持ち場に着いて」
その言葉を合図に5人は散会する。
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------side:リルグレイシア
「ウグッ」
ヘルクレットに話しかけようとしたら再び重力と胸の痛みが襲ってきた。
まぁすぐに治まったのでスルーして話しかける。
(おーいヘルクレットー)
(ん?なんだ?)
(突然聞くけど、なんか感じる……?)
(ん……?まぁなんか共鳴しているから、恐らく異状生命体の元があるんだろう)
やっぱり空の物体が異状生命体に関係ある説が有力になってきた。
(それって何処からする……?例えば、視覚共有して貰えば分かるんだけど、空に浮いているやつだったりする?)
(ん?どれどれ……あ。そうだな。あれからするな)
(やっぱりかぁ……)
(今さっき回復したところだから、状況が全く掴めんのだが。やっぱりって何がだ?)
(状況は記憶共有してもらえば分かる。とりあえず、俺は異状生命体とやらを人類滅亡組織が利用すると考えてて、異状生命体とやらと関係するものがあるとすると、人類滅亡組織もそこにいるんじゃないかと予想してたし、空の物体が異状生命体とやらと関係があるものだと予想してたから……)
(それはまだ、分からないが恐らくそうであろうな)
(まぁそれはそれとして、異臭と謎の人影。これは関係あるとして、この件と人類滅亡組織は関係あると思う?)
(異状生命体の配下を作る又は異状生命体の生贄にする。と言うなら関係はありそうだが。んー。情報が少な過ぎて下手に行動出来ないのが痛いな……)
(まぁとりあえず人類滅亡組織が関係あると思って動いた方が良いか)
ヘルクレットとの話を終えベッドの上で一息つく。
「グッ」
再び襲ってきたと思ったらヘルクレットも反応を示す。
(ぬおっ!こやつ我から力を!!)
(どうした!?)
(いや、共鳴が強くなったかと思ったら、いきなり力を吸い取られそうになったからな。驚いただけだ)
(共鳴が強くなった……?まさか共鳴が強まると、全身重力と胸の痛みが襲ってくるのか?)
(なんのことを言っているのかは分からないが恐らく強まって、吸い取ろうとするとお前にも伝わるのだろう)
(そういうことか。これは戦闘になった場合の時に厄介だぞ……まぁとりあえず、ヘルクレットの力が取られてないなら大丈夫かな)
(うむ。それと戦闘もサポートするぞ。だから安心して戦闘しろ)
(了解)
強く共鳴したら注意しないとな……
これは戦闘時、みんなとの協力が求められてくる……。
まぁ元よりそのつもりだからなんら変化ない。
さてと。やることも無いし、寝るか。
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おっはよーございまーす。
現在時刻は夕方の何時頃だこれ……
時計ないのが不便だな……
後ゲームとか娯楽がn……
いや、そんなこと考えてる暇あったらさっさとみんなと集まろう。
食堂に行き、ご飯を食べ、俺の部屋にみんなで集まる。
情報の整理をするためだ。
情報の整理と言っても会議的なのだけどね。
「どうする?ここに数日滞在した後、次の国に向かう予定だったけど」
「怖いから次の国に行きましょう!とは言いたいですけど、私たちにも関係ない話じゃなくなってきそうなので、出来るところまで協力して上げません?」
「俺もなんか、イヤな予感がするから協力した方が良いと思う」
「了解。じゃあ俺の考えを言うけど、この件は恐らく人類滅亡組織が関わっていると思うんだ。カンだから確定は出来ないし、理由としても説明できないけど。だからいざ、と言うときは逃げて体勢を立て直してから再び挑むと言うのはどうかな?」
二人がこの件をやろうと言うので一応言っておく。
ちなみに二人には俺のスキル説明と同時に人類滅亡組織のことも話した。
なので人類滅亡組織については把握していて、乗り気だから恐らくやる気になるだろう。
できるだけ危険な目に合わせたくないけど言ってしまったのでしょうがない。
「人類滅亡組織が関わっているとするなら尚更協力せざるおえませんね」
「だな。でどうする。街の人に情報を聞くか?」
「いや、恐らく出たがらないから自分の目で見よう。だから夜見張り係的なのが必要になってくると思うけど…俺g」
「いえ、三人で分担してやりましょう」
俺がやろうか?と言おうとするとフェルが食い気味に返答する。
まぁ断る義理も権利もないので了承する。
「了解。じゃぁ当番だけど……」
そのまま話は続き、完全に日が沈んでしまっていた。
ちなみに当番は最初俺、次アルフレクス、その次フェルの順になった。
各自部屋に戻り、俺は窓から外の様子を見る。
最初の人類滅亡組織サイドの所は文字数稼ぎではないです
何話分か遅いですが、何故謎の老人がバトルフィールドに入れたかというと、安定のご都合主義で裏世界の住民だからですね。
メタいですが、システムに登録されていない人物なのでエラーしてしまってリルグレイシアと縁が出来ていて、それがバグで味方判定になってしまって入れたというわけです。