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Xmate -クロスメイト-  作者: 紅弥生 
第四章 迷宮篇
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第十九話後編 迷宮篇〜過去、そして旅立ち〜

なんとか投稿できた!!!

次回は既に内容考えてるので早めに投稿できればいいなぁ…

------------side:リルグレイシア


 うぅ……ここは?

 周りは何も見えない……

 えーと確か「竜化」して……

 てことはクロノスの精神の中か?

 真っ暗でとこに行けばいいか分からない。


「クロノス!!おーい!クロノス!!」


 叫んでみるけどブラックホールの様に暗闇に吸い込まれていくだけ。

 さてどうしたものか。

 方向の宛も無ければ行く宛も無い。

 適当な方向に進もう。

 そして少し進んむと突然前が明るくなる。

 暗闇に慣れた目が急に明るくなったことにより目を閉じてしまいそうになるが、踏ん張って開ける。

 明るさに慣れてきて視界がよく見えるようになる。

 それと同時に映像(?)が流れ始める。


------------------------------------------------------------------


 それは、ある昔の話。

 一人の女性と一匹の雄竜が愛し合い、子が産まれた。

 その子の名前はクロノスという。

 クロノスは人間の女性の方に引き取られ、すくすくと人間の姿で育ち、なんてことない平穏な日々を過ごしていた。

 しかし突然、クロノスは竜の姿になってしまった。

 その竜の姿は一瞬だったが、多くの村民に見られてしまっていた。

 それ以降、村民はクロノスを軽蔑の目で見始め、更には「竜が化けてる」等様々な言葉による精神的な暴力、突き飛ばしたりする物理的な暴力まで日常茶飯事になってしまった。

 それでもクロノスは、親と言う存在が居てくれたおかげで暮らしていけた。

 しかし、ある日事件は起きた。

 村民の一人が村長にクロノスの親は竜と番を持っていると報告し、村長が街の領主にそのことを報告。

 これによって街の領主が村に偵察しに来る。

 そして、偵察部隊がクロノスの親の動向を調査した結果、竜となにかしらの関係を持っている瞬間を捉え、領主に報告する。

 そして、竜に街を襲わせ、反逆を起こしうるとして、クロノスの親を処刑することを決定。

 クロノスの親を捕らえ、村民の目の前、そしてクロノスの目の前で処刑。


------------------------------------------------------------


 ここで映像は途絶えてしまった。

 あまりの残酷さに絶句してしまう。

 理由としては至極当然。

 しかし、10歳にも満たない子供の前で実の親を殺すとかどんな神経してんだ?

 いやまぁ、5歳頃になると価値観は付いてそうだけど。

 それでも普通成人してから本人のいない場所でやるだろ?

 いやなんつー思考してんだ俺。

 今はクロノスを助けないと。

 でも何故クロノスの過去を見せた?

 俺にはクロノスの気持ちは分からない。「辛い」「苦しい」位しか分からない。

 同情はするだけ無駄な気がする。

 とりあえず会って話をしなければ……

 相変わらず周りは真っ暗。

 映像見たせいで来た方角がよく分からない。

 あれ?詰んでません?これ……

 ……まぁいい。とりあえず適当な方向に進もう。

 そう決めたら突如、後ろがかがやき出す。

 歩く動作に入った体を一時停止し、後ろを見る。

 そこには光の玉があった。

 それに触れると暗闇が一気に晴れる。

 そして輝きが収まると、前の方にクロノスが現れた。

 クロノスに向かって走る。

 しかし、途中で壁に阻まれてしまう。

 見た目は、俺の身長でジャンプすれば手が届きそうな位低いのに、何故か届かない。

 いや壁の角に実際に届いているのに手がすり抜けてしまう。


「クソッ!!何でだよ!!何ですり抜けるんだ!!」


 何故?どうして?何が足りない?

 考えれば考える程謎は深まっていくばかり。

 俺の力不足が原因か?

 「神龍の加護」

 「闘神」

 「癒神」

 「神之宴」

 「天帝之頂」

 「小サキ王」

 その他スキル省略

 おじさんこと王様が持ってる読心系スキル等が含まれる精神干渉系統のスキルは無い。

 いやそれ以前に精神に干渉してどうする。

 無理にでも干渉して精神破壊してしまったらそれこそ本末転倒。

 ではこの壁を越えるまたは、破壊する。あるいは、壁が消えるにはどうすればいい?

 手がすり抜けるので、越えることは今の所不可能。

 スキルと魔法を発動しようとしたが、発動できないし、まず、壁を殴る蹴るしてみたが、殴ってもすり抜ける蹴ってもすり抜ける。

 なので破壊することも不可能。

 残りの消えるまたは消えさせる。

 これに感してはクロノスに頼んで、消してもらう位しか方法が思い付かない。


「おーい、クロノス話がしたいんだ。だからこの壁どかしてくれないかな?」


 反応なし。

 これは困った。他に方法があるとすれば元凶を倒すまたは口説き落とす位しか方法がない……

 どうすればいいんだ?

 と、悩んでいると、後ろから声が聞こえる。


「こんにちは。リルグレイシア。調子はどうだい?」


 話しかけられたので後ろを振り返ると、そこにはクロノスが立っていた。

 しかし何か様子がおかしい。

 何故か殺気を感じる。

 自身がないポーカーフェイスで驚きを隠しつつ


「それはこっちのセリフだよ。で、突然現れてどうしたんだい?別に用が無いなら話をしないかい?」


「用もないよ。ただ、キミ、()()()()()()()を解放して人間に戻すつもりだね?」


 なんでそれを……

 気になるけど、相手のペースに持ち込まれちゃ駄目だ。

 分かってるなら、潔く認めるけど、今こいつ人間の方のボクって言ったか?

 いや、今はどうでもいい。話してるうちに分かるだろうよ。


「あぁ。そうだよ。人間に戻すつもりさ。何か問題でも?」


「困るんだよネェ!そんなことされるト!!せっかク再び復讐デキルチャンスなのニ。ダかラ出ていっテモラウヨ」


 なっ。竜化しやがった!!

 ただ、外の巨大竜じゃなくて俺の竜化のサイズ位の大きさに。

 剣もスキルも魔法も使えない。

 これはキツい。

 戦闘になったら、単純な殴り合いだけど相手は竜鱗により物理攻撃殆ど効かないと来る。それに対してこっちは攻撃を喰らったら一撃で沈められる。

 詰みじゃん。詰んでるじゃん。

 恐らく無駄だと思うけど、話し合いを続けて見よう。


「あの巨大竜の姿だと不便じゃないかい?

 巨大過ぎて小回り効かないし、自分では力抜いているつもりでも、実際は強力になってしまっている、とかで」


「別ニ?人間ノ街を破壊するダケナラあの姿は便利ダ」


 ……人間の街を破壊?


「まさかお前……この迷宮破壊したら、王都も破壊するって言うんじゃないだろうな?」


「ほウ。こノ迷宮の上ニは街ガあルのカ。壊しガいがアる街ダと良いナ」


 余計な情報を与えてしまったか……?

 それは今は置いて置くとして。


「何故人間の街を破壊しようとするんだ?」


 過去を見たけど敢えて隠しとく。


「ソれはニンゲンが、ボクに人の心をクレタクロノスを虐めたかラさ」


 まさか、二重人格なのか?ーまぁ俺も似たような感じだけどさ。常時別の意識があるから二重人格と言うよりも二重存在ー

 主人格は人間のクロノス。それが、一時的に竜の姿になってしまったことにより虐められて、辛く苦しい気持ちを味わって、そこからこいつが生まれてきた。

 ヘルクレットはクロノスを竜が人の心を制御出来ずに悪に染まってしまったというが、蓋を開けてしまえば真実はこう言うことだったのか……

 悪を消せばいい。つまりこいつを()()()()()()()()()()()()

 と言うことは戦闘は不可避。

 最初から詰んでいたと言うわけだ。

 どうすればいいんだ?

 とりあえず話続けるか。


「全ての人間がそうだとは限らないんじゃない?どうかは知らないけど、クロノスの親はクロノスのこと虐めてなかったと思うよ?

 なんせ竜と(つがい)を持ったんだもの」


「……」


 おっと、何も答えない。

 このまま捲し立てるか?


「それに、その虐めてた人たちだって、危険がないと分かればもしかしたら、虐めるのをやめてたかもしれないよ?」


 一部の奴らは楽しんでたけどな。


「……」


 またもや反応が無い。

 もう一押ししとこ。


「そして、街を破壊したとして、それを今のクロノスは喜ぶのかい?

 喜ぶのだったら容赦なく心臓に刃を突き刺すけど」


 そこまで言ったら後ろの壁が崩壊した。

 そして人間の方のクロノスが喋りだす。


「ありがとう。リルグレイシアさん。一つ聞いてもいいかな?」


 驚き過ぎて呆けていたので返事が遅れる。

 OKを出すと聞いてくる。


「それで、最終的に怒りが爆発して、竜の姿になって街の人々を(みなごろし)にしたけど、それでもリルグレイシアさんは僕を恐れないでくれるの?」


 あ、やっぱりクロノスが過去見せてきてたんかね?

 それはどうでもいいや。


「そもそも、怖がってたら助けに来ないよ。仲間はちゃんと話せば多分分かってくれると思うよ」


「ありがとう。

 じゃぁ、竜の自分。さよなら。突然憎しみが戻ってきたときに守ってくれてありがとう。これからはこっちで竜の姿になれるように頑張ってみるよ」


 クロノスがそう言うと周りが輝き、意識が薄れていく。

戦闘不可避な様に見せかけて戦闘なし!!(おい)

クロノスの最後の言葉は戦闘前のクロノスが突然悪のオーラ放ったときの話です。


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逆境の騎士〜誰にもない属性魔法と特性でピンチをチャンスに〜
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