ー第八話ー 混沌再び。
一部の部分で文章の段落の付け方などあえて変えている部分があります。
いつもは大体1000~3000文字以内でかいているのですが、今回は越えてしまって、5000文字を超えてしまいました。
ー四か月後ー
戦争と謎の組織「人類滅亡組織」による魔物化現象から四か月が経った。
あの日から俺はあの組織のことをいろいろと手がかりを探したが、何も成果はなかった。そして、あの組織は現れなかった。
まぁいい。
それと陛下はどうやら、読心系スキル持ちだったようだ。
だから、最初の時点で気づいてたけどあえて言わなかったと。言えや!と思ったけど事情があるのであろう。そして、暴露された瞬間に言えや!と思ってしまった。ようするに、このことも気づいてたけど触れない。まぁいいや。
ん?もしかして、前王が妾を隠してて、その妾との間に子が出来てて、その子が結婚して、子供作ったってこと知ってたのって、読心系スキルで心読んでたからじゃねぇか!ようやく謎が解けたわ!
ちなみに未だ帝国との条約は締結どころか、話し合いすらされていないらしい。
まぁそんな衝撃の事実とかの話は置いといて、今日は、卒業式だ。もちろん俺たちの。
入学式の逆バージョンだから暇なんですがね。
卒業式も終盤に差し掛かってくる。
そんなときに突然咆哮がよぎる。
「HGCFDVASXBDDXDHSSHXSBBJXHGHJSVDHGHGHGS」
またかよ。でもめっちゃ咆哮変だな。
そう思い、後ろを振り返るすると、途轍もない殺気を浴びせられ身体が岩になったように動かなくなる。
最悪の亜竜よりもやばい。
ヘルクレットにモンスターの名前に聞く。
(おい、ヘルクレットあいつのな……)
(我にも知らぬ)
(え?)
(知らん。おそらく、この千年のあいだに現れたモンスターか、未知だ)
(まじかよ……)
(周りのやつらの眼を見るに相当混乱して、なんだこのモンスターとなっておる。だから、恐らく未知であろう)
(力も不特定、行動パターンも不特定。更には殺気だけで体の自由効かない。詰みじゃん)
詰みじゃんと思ったところで、何故か体の硬直が解ける。
周りを見てみるとまだ硬直している。
「え?あれ?」
困惑していると声が聞こえる。
「レディースエーンジェントrrrrrrルメン!!!! 私のパーティへようこそ!! 私は「クリフカイト」と申しまーす!!!!!! 名乗ってすぐでぇ! 申し訳ありませんがぁ! 早速この王都に住んでいる人たちはぁ!! 死んで貰いまーーす!!!」
狂ったように叫びだす。
は?この王都に住んでる人たちを撫で斬り?ふざけるなよ!
俺は思わず、剣を抜いて声の方向に飛び出してしまう
(バカ!お前!)
ヘルクレットの声が聞こえたような気がするが気のせいであろう。
あと10m……9……8……7……6……5……
間合いに入る後5mほどで、相手が気づく
「おっとぉ!!! 勇敢にもぉ! このBO☆KUにぃ! 立ち向かおうとするぅ! 英雄がぁ! 最初にこの英雄様に死んでもらいましょう!! デーモンズ・ショック!!!」
デーモンズ・ショック?スキルか?
周りを警戒しつつ、そのまま、向かう。
あと3mというところまできた瞬間、突如として、俺は急速落下し始める。
は?なんで?
落下しながら相手の顔が覗える。悪く二ヤついている。
そして声が聞こえないが、口の形が「死ね」となる。
ここで、俺は死んでしまうのか……
今までありがとう。お父さん……お母さん……爺ちゃん……婆ちゃん……
色んな人の顔がゆっくりと見えてくる。
あぁ。これが走馬灯というものか。心地いいな。
それを見ながら俺は地面へ追突する。
――――――――――――――――――――――――――――――—――――――――――—――――――――
目が覚めると、前のような墨汁のような色の世界ではなく、真っ白な空間にいる。
そして、俺は悟る。
――――ここが天国か……素晴らしく心地よい感じがする。
しかし、天国のような心地よい感じも束の間に声が聞こえてくる。
――聞こえますか……
「またこのパターンか。
また、俺ならできるってやつだろ。
最悪の亜竜よりもあっさりとやられた俺に何ができるんだよ。
そして、また、あの「人類滅亡組織」みたいなグループのやつに誘われるんだろ?
もう、うんざりだ。
やらせるなら他のやつにしろ。
人を助けるためなら、死んだっていいけど、あそこまであっさりとやられるんだったら、無理だろ。
どこかの漫画に諦めたらダメとかいう名言あったけど、ここまで力量も測定不可となると諦める以前に詰んでるよ。
それに、スキル貰ったとしても、まぁたデメリットだなんだってなるからな。
人を助けるためなら命散らしてもいいけど、スキルによる代償は嫌。矛盾しているけど、大きな力を使って死ぬくらいならこのまま死んだ方マシ。
というか、クソに向かってどうにでもなれ! とか言ったけど、結局代償あったじゃん。
あんだけないない言っててあって、どうにでもなれ! とは言ったけど結局あって、その上、自分たちの組織に入らないなら死ね? 理不尽にも程があるだろ! 俺ばっかに負担かけさせておいて、自分の組織に入らないなら殺す。
そういうの嫌なんだよ!!! ふざけんな!! なにが、異世界転生した。わーいわーい。だ。クソくらえ。異世界転生して、人生を見つめなおす? 甘い考えにも程がある。異世界転生自体を批判するわけではないが、このクソの世界に生まれるとそう思ってしまうだろ!」
――……お辛い経験をされてるみたいですね。
「あぁ! そうだよ! 俺の気持ち分かるのかよ!!」
――それはわかりかねますが……
「分からないんだろ! 結局! それなのに、俺ばっかりこき使って! そして、自分の思うとりに行かなかったら殺すんだろ! お前も!」
――……そうかも知れないし、そうじゃないかもしれない。
「あやふやにして、俺を誘おうとしてるんだろ? 絶対に誰も信じない」
――はぁ。あのバカはこんな尊い少年を苔にして。疑心暗鬼にさせて。さらには仲間にならないなら殺すと。ところで、あの馬鹿は何をやらかしましたか?
「あのクソのこと知ってるってことは、あのクソの仲間だな! ほんとにこの世界の神とか、人間は俺を陥れたいようだな。どこまでもどこまでも、人の良心を貪って」
――……元仲間でした。まぁ、とりあえずあのバカのやらかしたことを教えてください。
「クソは自分の世界に複数人もの人間を連れてきて、組織に勧誘したと予想している。その勧誘して入ってきた人たちを利用して俺の知ってる限りではハウロスジェーン王国の王都に二度も魔物を放ってきてる。そして、一度は俺に人を出向かせて勧誘して、断ったら殺しにかかってきた。二度目の勧誘はクソ本人がわざわざ、特定の人物以外魔物化させて、さらに、自分の世界に俺を呼び寄せてその光景を見させて脅してきて、断ったら死ねって言われたけどそれらしい、害はなかった。まぁあのクソがやってきたことだよ。お前もあのクソみたいにするんだろ?どうせ」
――……そういうことにしてていいです。まぁ、結局あなたに頼んでしまうんですが、世界を救って欲しいのです。
「世界規模!? さらにスケールがでかくなったな……断る。さっきも言った通り代償を喰らってまで、人を助けたくない。自身の力だけで救いたい」
――……その様子だと、お気づきでないと思いますが。あなた、先程の戦いで、スキルを発動してませんよ?
「え?」
思い返してみると、確かに言われた通り怒りに任せてしまってたから、スキルを発動していなかった。
だが、スキルを発動したところで、俺はあいつに勝てるのか?
どちらかと言えばNOだと思う。
地面に落とされるとき、重力が物凄い力で働いていたように思える。
このクソな世界に重力魔法はないはずだから恐らくあのクソ野郎が、異世界又はほかの銀河から呼び寄せてきた可能性が大いにある。
重力に逆らえる竜化をしたとしても、重力を大きくかけられたら飛べないと予想する。
多少ダメージが和らいだとしても、それは誤差の範囲であろう。
だから、ほとんど不可なのだ。それこそ、こっちも大きな力を手にしなければ。
一度は体験した。人やっつけになって信じたのが間違いだった。
だから二度目は流石にしっかり人を観察しようとするが、また話しかけてくるやつもあのクソ野郎の仲間だから問答無用で信じない。元仲間とは言えつながってる可能性がある。そんなやつを安易に信じられる訳がない。
しっかりと俺を物として扱わないやつを、俺は信じたい。
都合のいい時ばかり呼び出して、物のように使う輩を誰が信じるのか。そして、物として扱った挙句自分の組織に入らないと殺そうとする又は殺す。
だったら、誰とも話さずのんびりと暮らして、死んだ方がましだ。
この世は結局、力の有る者は生き、無い者は死ぬ。そういう残酷な世界のなんと理不尽的な存在の上で俺たちは生きている。
だったら、暴力などや、上下関係撤廃とか言って結局は上下関係があるけれど、平和な日本に住んでいたい。
でも結局こうやって俺は、操り人形にならないと生きていけないらしい。
「でも、俺はスキルを発動したとしても、不可能だと思う。確かに、切り傷程度はつけれるかも知れないが、魔物はおろか、呼び出した本人にすら、敵わなかった。飛べるようになるスキルは有るけど、落とされたとき重力があれない力で働いていた。だから不可能近い。それこそ、大きな力がなければな」
――……重力が有り得ないくらい働く?この世界に重力魔法はない筈です。もしや。
「そのもしかしてが当たりかもしれない。だから、こちらは重力なしで飛べなければ確実に落とされ、死ぬ。というか、俺の体はどうなってんの? 信頼はしてないけど」
――……あなたの体は爆散して、治癒魔法じゃ再生不可に陥ってます。ですが、私の今ある力を使えば、スキル付与と、なんとか再生はできます。しかし、次回からスキル付与も再生も不可能になります。
「結局俺に行けってことか。聞くけど、この世界では、俺しかいないの? 世界を救えるのは。ほかの世界からは連れてこれないの? 例えば、俺の住んでいた地球からとかは」
――私は連れてくるという行為はできません。あなたを、オプティクリフは選んで連れて来たようです。世界を救えるからって。
「選んでねぇ。というか、世界を救うって何? なんで世界を救う必要があるの?」
――原因となる者がまた、生まれそうになってるんです。そいつは、様々な生物のの黒い心と明るい心から出来ています。それこそ魔物からも。名前は見た目によって異なるので、その度に変えなければならないので、不特定です。そいつが完全に成長しまうと、この世界を滅ぼした後、他の世界にも進出してしまうからです。前までは、この世界でも勇者は生まれてきたんですが、その勇者は世界を救ったあと、何故かこの世界の常識を自分の命と引き換えに変えてしまい、この世界で能力値が高いものが生まれても、それはあいつを倒せるレベルの能力値でなくて……
「他の世界から、呼び寄せるしかなかったと。そして、倒せる能力値が俺しかいないと。でもそれって、死んでしまったら、意味なくないか? もしかして、魂が滅んでなかったら、能力値はそのままとかいうご都合主義?」
――いえ、あなたは特例です。異世界から、異世界へ渡ってしまったら、能力値はリセットされますが、あなたは、何故か、異世界の能力値のままこちらの世界に渡ってしまっていたのです。
「じゃあ、俺の魂と合体した謎の竜の魂は?」
――それも特例です。異常に異常が重なっています。
「ちなみに、過去何回現れてんの?」
――9回です。最初に現れたのが千年位前です。ですので、100年周期で現れてます。ですが、徐々に生まれようとする力が弱まってて、今回でラストになるかもしれません。
「今回でか。あと何年後だ?」
――分かりません……ですが、あなたが最適なのです。
「まじかぁ。どっちにしろ、俺がやらないとなのかぁ。これって、俺がお前を信じてやらないと、勝てないというわけか。もういいや、俺は、お前を信じる。だから、俺を裏切るなよ。まずは、俺がやられた奴は……」
――復活する際に授けるスキルの一つと最初から持ってるスキルで大丈夫です。そのスキルは教えますので、それを使ってください。
「分かった。魔物も同じで大丈夫か?」
――魔物……あの魔物は、グラスディプコディアという名前で危険度ssです。ですが、咆哮と殺気を浴びせら有れると動けなくなります。
「あれは未知なのか?」
――いえ、最近産み出た魔物ですので、認知度は低いです。
「あるいみで、実力は不特定か。教えられないのか?」
――私は人間と獣人族などのサポートなどをしているので、魔物の名前しかわかりません。が、人間と同じスキルで倒せます。
「そうか。で、いつ行ける?」
――もう準備は完了しているので、いつでも行けます。
「じゃぁ、行ってくれ」
――分かりました。では、応援しかできなくなりますが、頑張ってください。
その言葉の後に溶け込むように、俺の意識はなくなっていく。
それと同時に、入手したスキル名が脳内に写りだされていく。
【NAME:RILGLAYSIAはスペシャルスキル「神之宴」を獲得】
【NAME:RILGLAYSIAはアルティメットスキル「天帝之頂」を獲得】
【NAME:RILGLAYSIAはスペシャルスキル「小サキ王」を獲得】
あのシーンで「なんで知ってんの」って思った人は多いはず。
ここにきてそのフラグを回収していく(笑)
まぁ、自分も書いてる時に気づいたんですけどね(笑)
そして、タイトルに最強スキルって書いてるし、あらすじにもスキルで無双って書いてるのに、何故か最初は無双させないっていう(笑)
ある意味でタイトル詐欺です。すみません。
それと、理不尽な孫の手様による「無職転生」をアンチしているわけではありません。拝見させて頂きましたが、素晴らしい作品だと思います。
一つの考えとしての意味ですので。
不快に思われてしまったのならすみません。
長々とすみませんでした。