ー第五話ー 最悪の片鱗
PV3000ありがとうございます!
俺は陛下のところに向かい、嫌な予感がしたと伝える。
「陛下、相手が白旗を立てて向かってきましたが、一応警戒していてください」
「何故だ?」
「何か、根拠のない嫌な予感がしたため、安全のために一応という形です」
「分かった。警戒を怠らぬよう命令しておく」
「ありがとうございます」
そう会話し、溜息をつきながら外に出て、自分の定位置について再び顔を前に向けると敵兵の後ろに謎の黒い靄が見えた。俺が使った闇属性魔法と違う。
あれはヤバいと再び陛下の方に向かおうとした瞬間辺りは黒い靄で覆われ、意識が暗転する。
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目が覚めると再びあの墨と水を混ぜて流したような色の所にいた。
そして、再び周りが外の光景を映し出す。
その外の光景をみて俺は思わず絶句してしまう。
――――どうだい?これで君も私たちの組織に入る気にならない?
聞いたことがある声が聞こえてくる。
しかし、俺は答えない。いや、答えれない。
それほど衝撃なのだ。
敵兵も味方の兵も全て魔物になっていた。
しかも、強いとされる。
陛下やそれを守る騎士は魔物になっておらず、突如として魔物になった兵が本能に従っているのか、襲っている。しかし、意識が多少あるのか知らないが、攻撃が弱攻撃になっている。
一体どういうことだ。
何故王と守護している人だけなっていない?
そして俺の体はどうなった?
何故?どうなった?WHY?What happened?
一回落ち着け。よし、深呼吸しよう。
ひっひっふーひっひっふー
し終えると再び声が聞こえてくる
――――でどうだい?僕たちの組織に入る?
――入るわけないだろ!!
――――それは残念だ。じゃあ。君には悪いけど死んで貰おう。もちろんあっちでね。
その声と共に意識が再び暗転する。
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目が覚める。
そして立ち上がろうとするが、うまく立ち上がれない。
まさか!と思い自分の体を確認する。
しかし、どこにも異常は見られない。
ただ、足が何故か埋まってるせいで立ち上がれないようだ。
地属性魔法を使って土をどけて立ち上がる。
そして周りを見るよりも先に陛下の所へ向かう。
着くとまだ戦闘中のようだったので、殺さぬよう後ろから水属性魔法の延長線上で使える、氷属性魔法で、コールドスリープ状態にする。
姿を現しながら声をかける。
「大丈夫ですか!」
「リルグレイシア助かった。でも、殺したのか?」
「いや、水属性魔法の延長線上で使える氷属性魔法でコールドスリープという状態にしました」
コールドスリープ状態にした理由はあの世界の声の主を倒すことで元に戻せると思ったからだ。
まぁ。何故と言われれば、もしかしたら戻す方法があるかもしれないからだ。
ちなみにさっきの魔法の威力をミスって強力にしてしまったため、この辺一帯の魔物化した人々をコールドスリープ状態にしてしまったようだが。
にしても、自分の味方にならなければ殺すとか理不尽すぎるだろ。
あいつだけは絶対に倒す。そう心に留め、外に出た瞬間突如として体が重くなり、動かなくなる。
そして、吐血し、意識が持ってかれそうになるが、無理矢理留まらせようとする。
体が激しい痛みに襲わるが、必死に堪える。
骨が軋む音がし、自分の体を反射的に見る。
皮膚には竜の鱗のような物が出来上がっており、しっぽが出来ているのを確認できる。
今さら、俺も魔物化するのか!
そう思いながら必死に意識が持ってかれそうになるのを耐える。
それを数十分程耐え続けるとようやく痛みが治まる。
終わったのか?と思い自分の体をみる。
見たと同時にヘルクレットが声を上げる。
(これは!)
(え?)
(ちょっと水辺に移動してくれないか?)
(え?え?)
困惑しながら、移動する。
1kmくらい歩くと、水辺が見えた。
そして覗き込む。
水面が太陽の光を反射し、鏡のようになっており、自分の姿が確認できる。
そこには、いかにも竜というような奴が写っているのが確認できる。
え?竜って魔物なの?いや突っ込むべきはそこじゃない。
なんで、俺竜の姿になってんの。
なんで?
困惑していると、興奮といったような感じでヘルクレットが喋りだす。
(やはり!この色艶、姿。洗練されたフォルムは私の死ぬ前の姿だ!)
え?え?え?ええぇぇぇぇぇぇ!!
なんで俺がヘルクレットの姿に!?
と思っていると、メッセージと共に姿が変わっていく。
【NAME:RILGLAYSIAはスキル「竜化」を獲得】
暫く経つと自分の人間の姿に戻っていた。
え?俺って魔物化してたよな?
どうして戻ったの。
まず毒素が浄化されていて、毒素が勝って、遅れて魔物化したけど、弱すぎて、すぐ戻ったとか?
それしか有り得なそう。
というか、俺がなったということは、陛下は?
そう思い、来た方向に向かって走り出す。
3/18に投稿する予定ガガガ
すみません!