ー第十一話ー 冒険者について
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ホームルームが終わり、授業が始まる。
一時限目は冒険者のルールだ。
授業の前に休憩時間が設定されている。
まぁ。登校初日だから、みんな同じ都市の人としか話していない。
逆に異なる都市出身でタメ口で話せているのは、俺とアルフレクスとクガベットしかいない。
そんなことを考えていると、休憩時間が終了したようだ。
先生が入ってきながら、始まりを促す。
「じゃあ。授業始めるぞ。今日の一時間目は冒険者のルールだ」
そう言って授業が始まる。
「まず、みんなが知っている範囲でいいから、聞かせてくれ」
そう聞かれ、一人が手を挙げる。
「じゃあ。そこの君」
「はい。えーと。人のマナーでもありますが、人の物を盗らない。冒険者風に言い換えると「人が戦っているものを横取りしない」ですね。」
手を挙げた生徒が当てられ、きっぱりと言い切る。
というか、めっちゃドヤ顔で言ってる。
「確かにそうだけども、それは、冒険者風に言い換えなくても、当たり前の行動だから正しい答えではないかな」
「何故ですか! 先生!!」
「そして、この前の謎の竜こと最悪の亜竜「デオトラント・クライアンス・デイーピアング・ドラゴン」の時に分かっていると思うが、ボス級モンスターまぁあれはボスより強いが。ボス級モンスターやボスモンスターは街中に現れて戦闘になると街全体がバトルフィールドになる。バトルフィールドに一度なると、バトルフィールド内には、仲間しか入れなくなる。それも、街全体の場合はその街の住民の仲間しか入れなくなる。仲間という判定は自分のバーの下に他の人のバーが現れたら、仲間と判定される。しかも仲間は冒険者パーティ内または家族内でしか追加されない。そして、仲間だけが入れると言ったが、一度バトルフィールド内に入ってしまうと、戦闘終了まで外に出れなくなる。なので君の答えは、人のマナーとしては大当たりだが、冒険者のマナーではない」
俺のバトルフィールドに対する認識はあってたようだ。
しかし、最悪の亜竜の話するとき、ちらっと俺の顔を見たけどどうしたんだろうか。
もしかして、俺が咄嗟に話しかけた先生ってこの人か?
そう考えていると先生に尋ねる者がいた。
「先生、最悪の亜竜って、言いましたが、何故最悪の亜竜と呼ばれているのですか?」
「あれは、数千年前にこの大陸で突然現れ、数千という街を破壊しつくし、最後に唐突に姿を消した、魔物だ」
「なんでそんな魔物が王都に?」
「それは知らない」
どうやら、最悪の亜竜についてだ。
俺が倒したというのは、王都なら誰でも知っているので、あえて伏せてくれるという心配り。
そして先生が続ける。
「と。大分逸れたが、戻すぞ。ルールについてほかに知っている人はいるか?」
と聞かれたが。誰も手を挙げようとしない。
恐らく、知っているやつもいるだろうが、合ってるか分からないから、確認してみたいというのが目的であろう。
「いないな。では言うぞ。まず一つ目はバトルフィールドが解除された瞬間中に入り、人を襲わない。誰かが戦っていて、バトルフィールドになっていて、そのバトルフィールドの周りを取り囲んで、バトルフィールドが解除されると同時にその中に入っていた人を襲わないということだ。二つ目は自分の身は自分で守れ。これはそのままの意味だな」
と先生は話続け、いくつかのルールを発表していってくれる。
しばらく経つと先生は話を止め、終わりを促す。
「じゃあ。これで一時間目は終わりだ。二十分後に、二時間目を始める」
そして一時間目が終わり、多くの生徒がまた話し出す。
とは言っても話す相手はもちろん同じ街のやつとだ。
その様子を確認していると、突然ヘルクレットが聞いてくる。
(お前はいかないのか?アルフレクスとかいう小僧や無駄に模擬戦を挑んできたクガベットとかいうやつに話しかけにいかないのか?)
(別に行きたくないわけではないけど、何も用がないから、話しかけない)
(別にようがなくても、話しかければいいじゃないか)
(俺、コミュ障だし陰キャ寄りだから、用があるとき以外話かけれないの)
(そのコミュ障とか、陰キャとかよくわからないが、何となく話しかけない理由が分かった)
そうヘルクレットと会話していると、休み時間が終わったようだ。
先生が二時間目の始まりを促しながら入ってくる。
「じゃあ、二時間目はランクと、パーティの仕組みについて教える」
そういうと、何か書かれた紙を配る。
中身を確認すると、各ランクが書かれている上に、ランクの詳細や、パーティ内でのランク関係について事細かく書いてある。
確認していると、先生が説明し始める。
「まず、ランクについてだが「F,E,D,C,B,A,S,SS,SSS,SSSS」の十段階に分かれている。駆け出しと呼ばれるのはF~D、中級がC~A、玄人や上級者はS~SSSSだ。FからEに上がるには、クエスト10個達成でランクアップ。EからDは20個ってランクアップに必要なクエストは二倍ずつ増えていく。しかも、自分と同じランクのクエストでしか、カウント対象にはならない。そして、Dからは討伐クエストも出される。ただし、緊急招集型クエストはBからだ。ちなみに、Bからは、ランクアップにギルドからランクアップ用討伐クエストが出される。これは、パーティを組んでいて、全員同ランクならば、パーティ+パーティか、パーティ+ソロ三名で行ってもらう。ここまでで、質問があるやつはいるか?」
先生がいったん説明をやめ、質問があるか確認する。
すると一人が質問する
「ランクアップ用クエストで、パーティを組んでいて、全員同じランクのならパーティ+誰かで受けれると言いましたが、パーティを組んでいて、一人が、異なるランクならどうなるんですか?それと、ソロの場合はほかのパーティと他のソロ三名で行くと行ってましたが、ソロしか余ってないときはどうするんですか?」
「パーティを組んでいて、パーティでランクアップクエストに行く場合、だれか一人が、受けるアップクエストよりランクが上なら、パーティで行けるが、そのランクが高い人に頼りきった場合はランクが高い人以外はランクが一段階下げられるというペナルティがある。そして、受けるランクアップクエストより、下なら、パーティのままで入れるが、ランクが低い人だけは、ギルドに待ってもらう。その間、ギルドで待っているメンバーは、他のパーティに入れない上に、クエストへ行けない。ソロしか余ってないなら、そのソロで組むしかない」
「ありがとうございます」
「他にあるか?」
生徒の質問に先生は答え、先生はそのまま、他にいるか確認する。
「いないようだな。次にいくぞ。次はパーティの組み方だ」
そういい、先生はつくりかたを説明したが、ギルドに行って、メンバーとリーダーを決めるだけだった。
そして、説明が終わり、先生は、終わりを促す。
「じゃあこれで、二時間目をおわる。休憩時間は20分間だ。ちなみに、三時間目は、クラスメイトVSクラスメイトで模擬戦をし、大体の強さの判断をする。やる相手は自分たちで決めていい。一名やらなくてもよさそうなのがいるが、一応そいつもやる」
「一名やらなくても」のところで俺を見ながら言う。そして、伝え終わり、教室から出ていく。
三時間目は模擬戦と聞き、俺はクガベットを見やる。すると、クガベットも俺のことを見ていた。