ー第八話ー 再会
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陛下は俺に何かを被せた後、数歩歩いていき、そして振り返る。
振り返り、話し出す。
「我ガーレング・ショーン・アルモスト四世は、汝、リルグレイシアに、准男爵の爵位を授ける!」
え?DA・N・SYA・KU?何それおいし……
いやいやいや、現実逃避すんな。自分。
つまり、俺は貴族化したわけですね。
なんで?WHY?
そう考えていると、陪臣の一人が近づいてきてこう耳打ちする。
「俺に続いて言え。ありがたきお言葉。私は国のため、国民のための支えとなり、陛下に忠誠を誓います」
「(えぇ……)あっありがたきお言葉。私は国のため、国民のための支えとなり、陛下に忠誠を誓います」
「うむ。日々精進してくれ」
そう言うと、陪臣の人は離れていく。
そして、陛下は続ける。
「リルグレイシアよ。これからは、「リルグレイシア・サウルエス・コルレスト」と名乗るがよい」
「分かりました」
うっわ。長い名前がさらに長くなったよ。
「あぁ。それと、領地を持たない貴族として扱う」
「分かりました」
そうして俺は貴族の仲間入りしたのだった。
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俺は一人で学園に向かっている。
何故なら、最悪の亜竜によって入学式がめちゃくちゃにされたため、もう一度入学式をするためだ。
ちなみに、入学式後に行う予定だった、寮への入寮式もやってないから、入れてない。
そうわからない誰かに説明していると、ヘルクレットが突然聞いてくる
(なんで、人込みを避けて歩いているんだ)
(なんでって、見つかると讃えられて、学園に着くのが遅くなると思ったからだわ)
(心配しすぎでは?)
(心配しすぎでも良いことと悪いことがあるんだよ)
そう言い、半強制的に会話を終わらす。
数分歩くと、学園に着く。
着いた瞬間話しかけられる。
「お! リルグレイシアじゃん!」
話しかけられたので振り返る。
振り返ると、そこにはアルフレクスがいた。
「おう。アルフレクス、久しぶり?」
「久しぶりって程経ってないけどな」
混沌と化した入学式は今日から一週間前だから、久しぶりともいえるし、言えない。
ちなみに王との謁見は三日前。だから、四日も俺は眠っていたようだ。
「というか、お前大丈夫なのか?」
「え?何が?」
「お前、謎の翼を生やして、その上謎の髪色になって、謎の竜と戦って、そのまま落下したじゃん」
「ゲッ!お前にも見られてたのかよ」
「いや、王都の住民全員見てだろ」
「それもそうか。怪我とかに関しては王宮で治療されたみたいだから元気ハツラツだけど」
「それはよかった」
そう会話しながら移動する。
アルフレクスは俺が貴族化した話は聞いてないんだな。そして、アルフレクスは最悪の亜竜のこと知らないんだな。
ほっとしたが、唐突にアルフレクスは切りだしてくる。
「そういえば、お前貴族になったんだって?」
「え?そっそうだけど。なんで?」
「いや別に?」
唐突に切り出してきたが、何もしないようでホッとする。
というか、伝わってないって安心した瞬間にこれかよ。
そうして、俺たちは受付に向かう。