ー第六話ー 王との謁見前編
いつの間にかブックマークがまた二件増えてる……
ありがとうございます!!
あ、お知らせですが、三月いっぱいで毎日投稿を止めさせてもらいます。
4月からは毎週土日の午前七時と午後九時に投稿する予定ですが、もしかしたらそれができない可能性もあるのでご了承願います。
俺は騎士のような男性についていく。
その騎士は扉の前で止まり、俺にこういう。
「王はお優しい方なので些細な無礼は見逃してくれるが、あからさまな無礼は見逃さぬ。最低限の礼儀を弁えていれば問題はない」
「分かりました」
そう言われたので、そう返す
というかそういう王はファンタジー系では、国民に献身的になってくれる良い王だったな。
そう考えていると扉が開き、中には豪華そうな椅子の上に座っている一人の男性とその陪臣だと思われる男性たちが両側に立っているのが確認できる。
その豪華そうな椅子に座っている男性は豚貴族のような高圧的というかやさぐれているような座り方ではなく、いかにも優しそうな雰囲気を出しながら、柔和な笑みを浮かべ、待っていたというべきに座っている。
そういうことを考えつつ騎士についていく。
豪華そうな椅子に座っている男性のところの後数歩で着きそうなところで、立ち止まり、跪く。
それに俺も従い跪く。
「陛下。最悪の亜竜「デオトラント・クライアンス・デイーピアング・ドラゴン」を討伐した男を連れてまいりました」
そう騎士は言う。
というか、その名前良く噛まずに言えるな。
陛下と呼ばれた男性は口を開く。
「ご苦労であった。少し休憩し、自分の持ち場につけ」
「はっ」
そう騎士は返し、どこかへ行ってしまう。
その様子を見届けた後、陛下と呼ばれた男性は再び口を開く。
「病み上がりでまだ起きてから数時間しか経ってないうちに、突然呼び出してすまぬ。面をあげるがよい」
そう言われたので顔をあげる。そこにはまだ30代になったばかりであろう若い男性がいた。
「始めましてかの。この国の王、ガーレング・ショーン・アルモスト四世だ。そなた。名を何という?」
「リッ、リルグレイシアです。」
そう名前を聞かれたので、返す。
すこし、緊張してしまって、噛みそうになってしまうのを直しながら返した。
「ふむ。リルグレイシアか。この度は大義であった。」
「自分には勿体ないお言葉です」
「さて。話が変わるが、最悪の亜竜の素材を売ってはくれぬか?」
「喜んで提供させて頂きます。無礼を承知して、お聞きしますが、何故素材を欲すのでしょうか」
そう。最悪の亜竜の素材は俺が倒したから、俺に所有権がある。
しかし、最悪の亜竜の素材は俺が持ってても腐らせてしまうだけなので、欲しいというのなら、提供するしかないが、その理由を聞きたかった。
「それはだな、かの最悪の亜竜によって王都の建物が壊された上に、王都の兵力が減ったであろう? それに応じて隣国「グハイランディア帝国」が王国に攻め入ろうとしている話でな。」
確かに、大勢の人々が殺され、兵力も減ったな。そのうえ、建物も壊された。その復興をするためにたくさんのお金が消費するため、経済力は落ちてきている。だがそれだけなのだ。それだけで狙われるわけがなかろう。
「確かに、王都の経済力と兵力は落ちてきてはいますが、それだけで、狙われるわけがないはずです」
「無礼もの!」
陛下にそう聞いたら突然陪臣の一人が怒鳴りだした。
その方を見るといかにも豚貴族だ!というように肥えた腹に豪華な衣類に身をつつんでいる男がいた。
「大体、陛下に欲しいと言われれば、減らず口をたたかずに渡せ!」
は?俺ちゃんと無礼を承知で言うって言ったよね?
話聞いてなかったのかな?
「私はちゃんと渡しますし、理由を聞くときに無礼を承知で言うって言ったはずですが?」
「黙れ! 貴族に税を吸い取られるだけの虫けらが! 陛下! このゴミをすぐに処罰して下さいませ!」
あーぁ。庶民を虫けら扱いしちゃったよこの人。誰のおかげで貴族は生きられているかわかってねぇなこいつ。
というか、自分で言っちゃうけど、王都を救った英雄を虫けらだのゴミだの言っちゃって。逆にあなたが処罰されそう。
「別に、私を処罰するのは良いですが……」
俺の言葉は最後まで続かなかった。
それは、陛下が話し出したからだ。
「私は残念だよ。ピッガース財務卿。私が有能な人材だと思う人物を一人失うのだから」
「では!」
「はぁ残念だ。おい! ピッガース財務卿をとらえよ!」
その言葉でピッガース財務卿は青ざめる。
というか豚のような見た目して本当に名前にも豚って入ってたよ。