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世界は終わりを告げている。  作者: 現実みかん
1世界目
11/16

拉致

「あと1時間か……」

時が過ぎるのは早いなぁ、なんて呑気に思いながらプチッとソウミノを小さくちぎる。

最初はおやつだとか言ってたけど、案外美味しくて癖になる。

ただ、見た目だけを改めて欲しいんだよなぁ…


特に変わったこともなく、ソウミノ片手に街をぶらぶらふらついてると、周りからすごい不自然な目で見られる。

俺、そんな変な格好してるかな?


「ちょっとアンタ!いいから来なさいよ!!」


突如として現れた赤髪のショートカットの女に俺は連行された。







「で?何をしようとしてるわけなの?

どこの国の人?どうやって入ったの?」


木でできた大きな家に俺は連れられて、座らされて、こうして質問責めにあっている。


「俺は…」


"この世界を救う為にきた"、そう言おうとしたが、これも一種のバタフライエフェクトが働いてしまうかもしれない。

あの女神は気をつけろと言った。

言っていいものなのか、これ。


「こっ…これっ…美味しいですねっ!!」


俺はそう言って、ソウミノを女の前に出した。


随分バカな気もするがいいだろう。これしか、今の俺に出来ることがないっ!!


「……は?」


女は間抜けな声を出した。


「ソウミノが?………とりあえず、私の質問に答えなさい。」


「あのな、俺はお前なんかに取り押さえられてる暇はないんだ」


まだ満喫したいのに!まだソウミノしか知らないぞ!

ここの特色とか色々知りたいだろ!!


「……何よ…、アンタ、私を侮辱してるの!?……この際言ってあげるわ、私はあの女に呼ばれて変な力を持たされたのよ!!出会う異国の男に聞けって!!アンタじゃないなら帰すわ、どうなのよ!!」


女は顔を真っ赤にして、俺に啖呵を切った。


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