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始まり始まりの物語
「あと1時間で世界は終わるんだよ」
ある暑い夏の日。
俺は、白いワンピースの少女に言われた。
「忘れたのは…この人類みんななんだよ」
少女は言葉を続けた。
「君が…、君が世界を救わないから。
ここの時間軸は何重にも重なっちゃった。」
「全ては君次第なんだ。」
「この世界はもう何度も終わりを繰り返してるんだから。」
「前の世界は赤に包まれて、その前の世界は青に包まれちゃった。
…世界を終わらせたくないなら。
全部の世界を救わなきゃ…。君にしかできないことなんだ。」
太陽が俺をジリジリと焼き続けていて、
汗が身体中の穴から出た。
「なんで…、なんで俺が…?」
「君が…君が頑張らなきゃ」
否、視界がぼやけだした。
あの少女も微睡みの中に消えていく……
「今度の世界は救ってあげてね。」
俺に…できることなのか……?