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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

ヤンデレさんと俺

作者: ノワール
掲載日:2018/07/11

ヤンデレ・バッドエンドが苦手な人はブラウザバック推奨です。

「はぁ...」


俺の名前は三塚明人。ついさっきまで学校に通っていた高校生だ。そして現在、俺はどこか分からない牢屋の中で首輪と手錠をつけて鎖で地面に繋がれている。何でだ?

目が覚めてからかれこれ体感時間で30分ほど経っているのだが誰も来ない。うちの家は貧乏だから身代金目的の誘拐はないはずだし、かといってそれ以外に俺を監禁する必要ってないのでは?と思うのだ。


「もしかして、どこぞの殺人鬼に捕まったか?」

「ひどい言われようですね...私はあなたを殺したりなんてしませんよ?」


つい思ったことを口に出してしまったが返事が返ってくるとは思わなかった。相手は誰だ?


「って、西条さん?」

「はいっ!あなたの詩織です!」


西条詩織。うちの学年...いや、学校でアイドルのようなポジションにいる女の子だ。この街の大手企業の社長の娘で、いままで浮ついた噂は1つも出たことがなく、高嶺の花だと思ってた人だ。そんなことを考えていると西条さんが牢屋の中に入ってきた。


「なんで西条さんがここに?」

「三塚君を監禁したのが私だからに決まってるじゃないですか」

「...はい?」


西条さんが俺を監禁した?なんの為に?俺が学校生活で邪魔だったとか?


「いえ、邪魔ではありませんよ?むしろ学校生活に彩を与えてくれましたし」

「えっ!?言葉に出してないのに...西条さん心が読めるんですか!?」

「いえ、三塚君のことは何でも分かるんです。好きな食べ物がハンバーグな事とか血液型がAB型な事とか密編みで眼鏡をかけた女の子が好きなのかとか最近自分の体臭を気にしてる事とか爪を噛んじゃう癖がある事とか授業中に教科書で隠してラノベを読んでる事とか毎月のお小遣いが3000円な事とか私の胸やお尻を良く見る事とか今まで3回ほど告白して全部振られた事とかネットに自分の失敗談を書いて自分でショックを受けてることとか...」

「ああああぁぁぁ!!分かりました!分かりましたからそれ以上はやめてください!俺が精神的に死んでしまいます!」


何で知ってるんだ!?ネットの失敗談の話は俺以外誰も知らないはずだぞ!?


「だから何でも分かるって言ったじゃないですか。あ、それと私のことは詩織と呼んで下さい。敬語も止めてくださいね」

「え?あ、はい。では詩織さ」

「詩織です」

「...詩織」

「はい!よく出来ました!」


西条さんはそういうと俺の頭を撫でてきた。俺、そんなすごいことしたか?


「...詩織ですよ?」


こえぇ!マジで心読んでるんじゃないか!?


「...あ、そういえば何で監禁したんですか?」

「私が三塚君を大大大大大好きだからです!!」

「えっと、好きというのは驚きましたけど、それよりもなぜ好きなら監禁するという話に?」

「好きな人に他の異性と触れ合ったりしてほしくないっていうのは当たり前でしょう?」

「まぁ、確かにあまり触れ合って欲しくないですね」

「だからです」

「...はい?」


いやいや、えっとどういうことだ?好きな人には他の異性とあまり触れ合って欲しくない。ここまでは...まぁ分からなくもない。好きな人が他の異性と楽しそうに話してたらもやってするしな。でも、なんで監禁につながるんだ?


「それと監禁がどうつながるんですか?」

「他の異性と触れ合って欲しくないんです!それが母親でも姉妹でも友達でも彼女でも先生でも2次元でも!」

「ちょっと待て、最後変なの入ってたぞ!?」

「とにかく!異性と触れ合って欲しくないんです!」

「だから監禁したと?」

「はい!」


なんかこういうのラノベで見たことあるなー。ヤンデレだったかなー。リアルにも居たんだなー...

いやいやいや!え?これ出られなくなるやつなの?最後は強制的に心中させられるやつなの!?


「ヤンデレは否定しませんけど、心中なんてそんなことしませんよー。ただ女の子と触れ合ったらちょこっと痛い目を見てもらうだけですよ?」


そういうと西条さ...詩織は地面においてあった包丁を取り、俺の首に添えた。


「も、勿論触れ合ったりするわけないじゃないですかー。アハハ。」

「そうですよね!三塚君が私以外を好きになるわけないですよね!」

「そ、そうですよー。むしろ詩織の愛が冷めることのほうが心配だなー」


冷めたら殺されそうだし。でも、冷めなくても殺されそうだなぁ...母さん、今までありがとう。冷蔵庫の中のプリン勝手に食べてごめん。


「冷めるわけないじゃないですか!それよりも...さっき私以外の女のことを考えてましたね?」

「いえいえ!滅相もない!詩織以外の女のことなんて考えるわけないだろう?」

「でもさっき...」

「そうかー、詩織は俺のことを疑うのかー。俺への愛はその程度だったのかー」

「そ、そんなことないです!ちゃんと信じてます!」

「なら、まずその包丁しまおう?」

「あ、そうですねちょっと待ってて下さいねー」


俺はその間に何とか手錠をはずそうと試みる...が、外れない。そりゃそうか。高校生に手錠をはずせたらこの世の犯罪者皆はずして逃げてるわな...

そうこうしてる間に詩織が戻ってきた。


「?どうしました?トイレですか?」


その手があったか!ナイスだ詩織!


「そ、そうなんだよー。トイレに行きたいからこの手錠と首輪と鎖をはずしてくれないかなぁ」

「?何でですか?ここでしたらいいじゃないですか。後処理ぐらい私がしてあげますよ?」

「いやいやいや!そんなことしたら俺が社会的に死ぬ!」

「どうせここから出ないんですし、私しか見てないんだからいいじゃないですか」


あれぇ?どうしてこうなった?ここは首輪とかその他もろもろをはずしてトイレに行かせてくれるところじゃないの?


「排便後の後片付け、食事、掃除、着替え、体調管理、看病、話し相手、何でも私がやってあげるから三塚君は何もしなくていいんですよ?」


こ、こわいぃ!リアルヤンデレってこんなに怖かったのかよ!一時期ヤンデレって何でもやってくれるんだー。俺もヤンデレに捕まりたいなー。とか思ってたけど、リアルではめちゃくちゃ怖い!てかせめてトイレぐらい行かせろよ!


「んー、三塚君逃げたりしませんか?」

「も、勿論逃げたりなんかするわけないじゃないかー!ハッハッハ!」

「三塚君って表情に出やすいんですよ?これはおしおきが必要ですかね?」


詩織はそういうと俺の顔ギリギリに包丁を刺してきた。後数ミリずれてれば俺の耳が真っ二つ。いやー、凄い包丁捌きですねー...


「あらら、ちょっとお仕置きしすぎましたかね?とりあえずこの尿は後で飲んでおきますね」


それから俺は恐怖のあまり、漏らしながら気絶した。最後に見えた詩織の満面の笑みがひどく印象に残った。







俺が漏らして気絶してから3日経った。あれから毎日...というより毎時間?時計がないから分からないが詩織がこの牢屋に来る。


俺の今の状態は全裸に手足を縛る為の鎖、首輪に猿轡や目隠しなど、誘拐された少年みたいな状態になっている。いや、服をいている分誘拐された少年のほうがマシだろう。なぜ少年なのかと聞かれれば、詩織以外の女性のことを思い浮かべるとお仕置きされるからである。

この三日で嫌というほどお仕置きされたので、女性のことが頭に浮かぶことは殆どなくなった。女性ってなんだっけ...あ、詩織の事か。というレベルである。


監禁されてるのに何でこんなに落ち着いているかというと、俺のことは全て詩織がやってくれるし、生活環境も、この拘束具さえなければ普通に快適なのだ。寝るときは詩織がものすごくふかふかのベッドに寝かせてくれるし、シーツは毎日取り替えてくれるし、尿や便はあまりしたくないが漏らせば片付けてくれるのだ。


もとより引き篭もり体質で暗いところが大好きだった俺は、窓がなく光が天井にある照明しかない環境だとしてもそこまで苦じゃないし、冷暖房完備でシャワールームまで着いている。(自分では洗わせて暮れないのだが)ここ、ほんとに牢屋か!?という状況なので、驚きすぎて逆に冷静になっているのだ。

そして冷静になった結果...


(あれ、意外にここの生活も悪くないんじゃね?)


と思い至った訳である。


と、そんなことを考えているうちに廊下のほうから足音が聞こえてきた。詩織が来たのかな?


「なにこの部屋?って、男...の子?」


声は詩織にかなり似ているが、この反応は詩織じゃなさそうだ。俺は目隠しをされているので相手を見ることは出来ないが、女性であることは確かだろう。


「ちょっと君、大丈夫?というより、何でここに?」


女性が話しかけてくるが、猿轡のせいで喋ることが出来ない。いや、喋りたくない。なぜかと言われると、この人のようにここに来た女性は皆死んでいるのを俺は知っているからだ。なので、仲良くなりたくない。


「おーい、君?大丈夫?」


この部屋には監視カメラが仕掛けてあって、運よくここから出れた人でも後から詩織に殺られるので、ここに来た時点でこの女性も死ぬ。最初の女性は俺が目隠しも猿轡もしていない時に来て、少し話して仲良くなったのだ。今考えるとこの状況で仲良くなれるって、人間の適応力凄いな。

とまぁ、そんなことは置いておいて、その仲良くなった女性は詩織が来たと同時に詩織に首を落とされて死んだ。そのときは盛大に吐いたが吐くのが止まった後に詩織にお仕置きされた。それでお仕置きの後、猿轡が嵌められた。

そんな感じで2人目の女性のときに今度は目隠しを付けられた。3人目のときは何故か服を脱がされた。

そして今回は4人目だ。今回は何をされてしまうのだろう?少し憂鬱だ。


「ねぇ、君?おーい」


俺は声が聞こえる方向とは反対側を向いて(向かされて)いるので相手からは猿轡と目隠しは見えない。だから相手は友好的に接してくれてるのだろう。


「きこえないのー?おーい」


そして、ソファに座っているので女性からは俺の首から下も見えない。なので、裸なことも鎖でつながれてることも分からない。


「ちょっとー、き...」

「また虫が入りましたか...」


あぁ、とうとう詩織が来てしまったようだ。この女性もお気の毒に。


「え?詩織?なんで包丁を持ってこっちに来るの!?ね、ねぇ、詩織!?」

「はい、なんでしょうお母様。といっても、これをみられたからにはいくらお母様といえども生きて返すことは出来ませんが」

「ちょ、ちょっと、なにいってるの!?まって!まっ」


そこで女性の声が途切れた。あぁ、詩織の母親だったのかー。そうかそうか。詩織は自分の母親を殺すぐらい俺のことを好きなのかー。嬉しいなー。アハハ...







あれからはや一ヶ月。あの後も何人かの人が来て詩織に殺されていった。今の俺は首を動かすことすら出来ない。あ、また一人俺の後ろで誰かが死んだ。今度は男性みたいだな...一体俺はこれをいつまで続ければいいんだろうか...







「三塚君...三塚君!」

「ん...あれ?詩織?猿轡は?首輪は?目隠しは?鎖は?」

「もう必要なくなったから全部外したよ」

「必要...なくなった?」

「うん!私達の敵が誰一人いなくなったの!三塚君の友達の広瀬さんでしょ?妹の秋葉ちゃんでしょ?お母さんの美弥子さんでしょ?私のお母さんでしょ?うちの弱みを握ろうとする彩行事家の洋子ちゃんでしょ?三塚君の幼馴染の色葉ちゃんでしょ?三塚君に片思いしてた心野瀬さんでしょ?そして最後に私の姉の水乃!」

「俺の交流のあった女性全員だね」

「うん!だからもう三塚君には私しかいないんだよ?」

「そう...だね」

「嫌なの?」

「ううん。すっごく嬉しいよ!俺も詩織が大好きだからさ!」

「そっか!じゃあ、もう良いよね?」

「うん。もういいよ」

「最後は三塚君と1つになる為に」

「最後は詩織と1つになる為に」


そういうと俺と詩織は深く口ずけを交わした。そして詩織の唇から俺の唇を離し


「「一緒に死のうね(か)」」


そういうと同時に詩織は俺の胸に持っていた包丁を突き刺した。俺が一生のうちの最後に見たのは満面の笑みで自分の胸に包丁を突き刺す詩織の姿だった。

読んでくださりありがとうございました。感想待ってます。

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