兎の昔話
ある兎は後にこう語った
「あれは一方的な暴力以外のなにものでもなかった・・俺の角を見てみろ。ただの木の棒で折られたんだ。お前らもただの人間だと思って囲んで終わりだと思うと痛い目にあうぞ・・」
後にこの話しが代々兎の中で語り継がれることなど知らない進藤は怒りのまま動き出した
鞄を口にしていた兎は一瞬で角を折られ、蹴りあげられ、そのまま横へ殴り飛ばされ、周りの兎を巻き込みながらその場から姿を消した。
また、進藤の背に陣取っていた兎達は何が起きたかも分からなかったが、一目散に逃げ出していた。兎は自分がたかが人間に逃げ出したかもわからなかった。
あれ?今何か虫みたいな物にぶっかったぞ。いや、今はそんなことを気にしている場合じゃない!!今すぐ逃げるんだ!
逃げ出した兎には興味もない進藤は兎をシバきながら、なぜ自分がこんなに怒っていることに困惑していた。本来の世界ではこんなことは許されない。普通鞄を食べられること事態がありえないが、こんなことはしてはいけないという自制心が勝っていたはずだ。これでは、ただ癇癪を起こしたガキと変わらないじゃないか・・
「俺は何をしているんだ?」
目の前でピクッいている兎を見ながら呟いた。
初めての投稿ですので暖かい目で見てもらえると幸いです。何かご指摘ありましたら、ご教示よろしくお願い致しますm(__)m