旅立ち
「それで、俺は魔王?とかいう奴倒して勇者?助ければ家に帰れるんだな?」
いきなりの進藤の前向き発言に驚いた女は答えた
「帰れます!いや帰します!!時間も呼ばれた時間に帰してみせます!!!」
と決心したように強い言葉で返してきた
「わかった・・帰ってやるよ!!よく分からんがすぐ帰ってやるよ!!それで、娘の発表会行くわ!!」
もうヤケクソだ。魔王?知るか?そんな奴ただのあれだろ?世界征服とか言ってるバカだろ?そんな奴は大体いつか正義に負けるわけよ!!!
あれ?なんだこの気持ち?なんだか子どもに戻ったような・・・
「そうですよ!!魔王なんかちゃっちゃと倒しちゃって娘さんの発表会行っちゃってください!!ついでに何時でも私に連絡できる魔法も教えちゃいます!これまた特典で伝説とまではいきませんがそれなりの装備も用意致します!あいつをあっと言わせてやりましょう!!あっ・・・神様をです・・」
と、女は最後は聞こえるか聞こえないかという声で呟いた。
「どうせ顔も出さない奴が聞いちゃいないさ。それよりお前の名前は何て言うんだ?」
女はホッとしたような顔になりこう答えた
「ミントです。これからもよろしくお願い致します!進藤さん?」
「あぁ、好きに呼んでくれ」
「では、進藤さん1つだけご忠告させてください・・・決して死んではいけませんよ??死んだら終わりです・・・誰も助けられません・・」
進藤は真剣な顔に戻り答えた
「死なないさ・・俺もこう見えて3人のパパだ」
進藤は今まで色んな人間を見てきた。死んだら終わりだということも全て含めて・・・
「3人のパパなんですか!?発表会ばっかり言ってたから、てっきり1人娘のうるさい奴かと思ってました・・・まさか30歳で3人とは・・・」
進藤は笑いながら答えた
「うるせーよ。ほっとけ。じゃぁ、行ってくるわ!」
と、今度は確信したように光眩しい扉へと真っ直ぐに走って行った。
初めての投稿ですので暖かい目で見てもらえると幸いです。何かご指摘がありましたら、ご教示よろしくお願い致します。