昔の借り
「ちょっと!!待って下さいよ!!だから!!僕が勇者なんですって!!ちょっと!?この鎌重すぎません!?手が痺れる~!!」
骸骨の鎌と進藤の間に割り込んだ谷本はそんな不満を口にしながら骸骨を睨み付けた
「神童よ・・こんなガキの力を借りるほど弱くなったのか?」
片手で鎌を降り下ろしながら骸骨はもう一方の腕で氷柱を作り谷本の首目掛けてその氷柱を飛ばしてきた
「うるせーよ!お前が俺を誰と勘違いしてるか知らないがその名前を二度と語るな・・不愉快だ・・」
進藤は剣に炎を纏わせながら氷柱を蒸発させて睨んだ
「魔法剣か・・お前の得意技だったな・・・だが・・」
骸骨が話している途中に谷本が骸骨に向かって斬りかかった
「だ~か~ら~!!僕が勇者なんですって!!無視すんな!!」
「お前が勇者??今の神童にすら足元に及ばないゴミが笑わせてくれるな?」
谷本の攻撃を結界で弾き骸骨が谷本の懐に入って耳下で囁いた
「勇者とは魔王様に害を与える存在だ・・その名前だけで死に値する!!」
谷本の体に骸骨の拳が入ろうとした瞬間に割り込んだきた者がいた
「ホーリーアロー!!」
骸骨はその場に居なかったかのように距離をとりその女を睨み笑った
「まだ、賢者の生き残りがいたか・・?本当に人という存在はしぶといものだな・・」
骸骨の目の先には震えるリアが立っていた
その姿を見て骸骨は笑いながら声をあげた
「神童!昔の借りを今返してやる!!この街の3賢者は殺し、魔王様の命令は守った!神童よ・・転生したからといっても余りに弱すぎる、今のお前を見たら昔の仲間は情けないとなくぞ?私のことも忘れてしまったというのならもう一度名乗ってやろう!我は魔王様の下部・・・四天王が1人ガシャドクロだ!!」
「逃がすか!!」
谷本が追い討ちをかけるも進藤に止められ、その表情を見て谷本は追うのを止めた
骸骨は蔑むようにカタカタと笑いながらその場から消え、街に人々の喜びの声が響き渡った




