魔物の進行
声が聞こえた場所には1人の女が狼の魔物のに囲まれ、頭を両手で覆いながらガクガクと震えていた
狼は女にいつでも襲うことはできるだろうが怖がる女を見て楽しんでいる様子だった
気にくわないな・・・
進藤は一気に足を早め、一匹の狼の目の前に立ち首を落とし、残る狼に対して無言の威圧を与えた
一瞬怯んだ狼だったが、残りの狼は同時に進藤に飛びかかってきた
「キャー!危ない!!」
女は叫ぶも他の男の声でその声は遮られた
「進藤さん!早すぎですよ!!」
「森で1人で魔物を倒した成果が出てよかったじゃないか?」
「そうですけど・・」
谷本は確かに成長している・・兎相手に気絶していた谷本は、4匹の狼相手に的確にとどめをさし、まるでなにも無かったように二人に向かって歩いてきた
「あなた方は・・?」
女が恐る恐る尋ねると谷本はいつもの言葉を声高らかに叫んだ
「我こそは勇者!!魔王を伐つものです!!」
女は唖然としながらも必死に助けを求めてきた
「勇者様!助けて下さいませ!!私達の街は賢者様が3人いて結界で魔物達を遠ざけて来たのですが、その結界がいきなり破られてしまい、街の皆は賢者の見習いの私だけでも逃げろと・・」
進藤は事のしだいを重く考え問いただした
「それはどれくらい前だ!?それで、場所は!?」
「この道をまっすぐです!時間は一時間程前で・・」
女の話しを遮りながら二人は女を抱え走り出した
「谷本!!その娘を頼む!先に行く!!」
「わかりました!!」
進藤はその場から消えたかのように駆け出した




