村人との別れ
「谷本!おい!!谷本!!仕事遅刻するぞ!!」
「はい!!あれ!?財布がない!?もしや昨日の飲み会で・・クソ!!間に合わない!!スーツ何処に脱いだっけ!?」
進藤が大きな声で叫ぶと谷本は急いで仕事の準備を始めた・・
立派な社蓄だな谷本・・・
「谷本・・落ち着け!!会社は休みだ!!そして、お前は異世界に出張中だ!!」
「えっ?あっ・・そうだった!!僕は今勇者だった!!」
「そうだ!今のお前は勇者だ!そして次の街まで出張だ!!」
「えっ?」
異常なまでに急いでいる進藤に戸惑いながらも、谷本に昨晩のことを話すと谷本も納得したように頷き次の街へ行くことを承諾してくれた
「そうですね!!回復役は確かに必要不可欠です。その街に向かいましょう!!」
「善は急げだ。村の人達が寝ている間に村を出るぞ!」
しかし、村人もそのことがわかっていたかのように、入口で待ち構えていた
村長は嬉しそうにこう喋った
「勇者様!!私達の村に新しい名前を付けて下さり大変誇らしい気持ちで一杯です!!これからは【谷本村】の名前に恥じないように精一杯村を盛り上げ魔物に負けないように精進していくしだいです!!しかしまさか、勇者様がヤニを好むとは思いませんでしたぞ!勇者様の名前を語れると思えば安い物です!進藤さんお口添えありがとうございました」
谷本は意味が分からない顔をしながら進藤の顔を覗きこんだ・・・
「さぁ!行くぞ!!谷本!!いざ、次の街を救いに・・・!!」
進藤は煙草欲しさに谷本の名前を売ったことを誤魔化すかのように颯爽と村をあとにした
禁煙はとても辛いのです by進藤




