導きの者 導かれた者
(あれ・・・
ここはどこだろう・・・)
真っ白な大きな部屋で一人進藤はゆっくりと立ち上がった。
「あれ?俺は昨日皆と飲んで終電で帰ってそのまま寝ちまって・・・!!ヤバい!!今日は娘の発表会じゃねーか!嫁さんに殺される!!なら、ここは終着駅かなんかで保護された!?とりあえず駅員呼ばねーと!!」
と、進藤が慌てると後ろからいきなり声をかけられた。
「驚いているところ申し訳ありませんが、ここは駅ではありません」
いきなりのことに進藤が驚いていると目の前に女が礼儀正しく佇んでいた。
「駅ではないといわれるとここはどこでしょうか?それに貴方はどちら様ですか?」
進藤は警戒しながらもその女に質問した。
「私は名前はありませんが【導きの者】と申します。お話を聞いていただけたら幸いです。」
はい、これはヤバイ奴だと確信した進藤は
「申し訳ありませんがそういう類いの話は興味ないので、泊めさせていただきありがとうございます。お金なら払いますので外に出してもらえませんか?」
と、扉の位置を確認しながらその女の反応を待った。
「貴方の世界とここの世界は離された空間にございます。私の話しを聞いていただけませんか?」
おっと・・こいつは何を言ってるんだ?考えていたより不味い展開な気がしてきた進藤は扉に向かって走り出した。
「待って下さい!その扉は私の許可なしに入ってしまうと・・・!」
慌てた女が何かしゃべっている声を遠くに聞きながら進藤が扉を開けると、そこは真っ暗ななにもない空間が広がっていた。
「おいおい・・なんだよこれは・・」
進藤は振り返り女を睨んだ。
そこには相変わらず真っ白な空間と女だけが佇んでいた。
「話しを聞いていただける気になりましたか?」
と、優しい声に降参した進藤は溜め息混じりに頷いた。
初めての投稿ですので暖かい目で見てもらえると幸いです。