プロローグ①~SOUL・CONNECT・WORLD~
この世界?の説明みたいなもんですかね
SOUL・CONNECT・WORLD(ソウル・コネクト・ワールド)。
それがこの世界の名前だ。このゲームは所謂フルダイブ型のゲームとして、2年前に発売された。
フルダイブとは、簡単に言うと人間の五感をゲームに接続するというものだ。しかし、このゲームはフルダイブの限界を越えた。このゲームは人間の魂言うべきものとゲーム内のアバターと接続する。つまり、プレイヤーとアバターは一心同体、完全に同調するのだ。
一心同体とは言うが、流石にゲームのアバターのHPが0になればと現実のプレイヤーが命を落とすというわけではない。この世界で食事を摂ると、ゲーム内の空腹は満腹中枢に働きかけることによってみたすことが出来るが、実際に腹が膨れる訳ではない。当然だ。いくら、一心同体とはいえ現実の身体が食物を摂取したわけではない。所詮は仮想なのだ。現実ではない。
しかし、この事を理解せず、長時間接続いていた人物が死亡した。という事件があったのは、たしか5ヶ月前だっただろうか。
そして、SOWが売れた理由はこの技術だけではない。
もう1つの要因はSOWの対応機種として発売された『コネクター』だ。この『コネクター』は携帯電話としての機能などの様々な機能が付けられており、携帯電話やスマートフォン等に変わる連絡ツールとなった。
その大きな特徴はなんと言っても『コネクター』の形状だろう。『コネクター』の形状は指輪やイヤリングなどのアクセサリーのようなものであり、大きな反響を呼び『コネクター』の形状もファッション等に取り入れられていった。
この『コネクター』が注目されたのはそれだけではない。よく考えてみて欲しい。この小さなアクセサリーのような形でどうやって携帯電話などの機能を使うというのだろう?
ボイス機能? 違う。
それは、ホログラムディスプレイだ。
この『コネクター』は、今まで研究段階であったホログラムディスプレイを完成させ搭載している。今まで研究段階であったホログラムディスプレイを完成させそれを一般発売されたことに世界各国は衝撃を受けた。
この『コネクター』とSOUL・CONNECT・WORLDの発売元は《UNKNOWN》という新興企業であり、この《UNKNOWN》はこの二つを販売していること以外は何も分かっていなかった。。
《UNKNOWN》は各種メディアの取材にも応じる事がないため、ほとんどが謎に包まれていた。
『コネクター』が発売されてから1週間ほど経つとアメリカから日本政府へ、ある要請があった。
曰く、『《UNKNOWN》に技術開示をして欲しい』というものだった。
このアメリカの要請に、世界各国は批判が相次いだ。
『応じるわけがない』 『あまりにも横暴過ぎる』など。
そんな中《UNKNOWN》は技術開示をした。しかもそれは、要請をしたアメリカだけではなく、全世界に向けての技術開示だった。
このこともあり、《UNKNOWN》に対する謎はどんどん深まっていった。
何はともあれ、この《UNKNOWN》のホログラムディスプレイの技術開示によって、各国の産業はどんどん発展した。
そして、『コネクター』の兄弟機が世界各国から発売されたことによって、その対応ゲームであるSOWのプレイヤー人口は増え続けた。
普通、異なった言語の人間が1つのゲームをプレイする場合は共通言語である英語を使って、コミュニケーションをとるのが一般的だ。
あるプレイヤーがSOW内で外国人のプレイヤーとコミュニケーションをとった際、プレイヤーは二人とも英語圏の人間ではなかったが、英語は出来たため話しかけると驚愕した。なぜなら、相手がしゃべった言葉が自分の国の共用語に自動翻訳されて聞こえてきたからだ。
このことから《UNKNOWN》は最初からどこかの国から技術開示を要請されることを見越していてSOWに自動翻訳機能をつけていたということになる。
そんな様々な伝説を残しながら、SOWはプレイヤー人口を増やしていき、2年後である今現在では、全世界の約4割となった。
この《UNKNOWN》の数々の謎は、そこから2年後、つまり、運営から届いた一通のメールによって、明かされたのだがそれは近い内に話そう。
読んでいただいてありがとうございます!
プロローグはまだ続きます。
《UNKNOWN》の正体は2、3話の内に明かします。