古代から中世の植物についての資料
そこが異世界のハイファンタジーであれ、同じ地球のローファンタジーであれ、
世界観の一部として、食事について書かれることは多いと思います。
特殊な文化・文明ではなく、リアルな世界観を用いる場合には、
当時の農業や畜産について、簡単な知識があったほうが良いと思い、資料を作成しました。
専門家ではないので、一部説に偏りや過ちがあるかも知れませんが、
その際は資料を明示の上御指摘いただけましたら、喜んで改訂・改良を加えていきたいと思います。
その1「品種改良」
20世紀に入るまでは、主に選抜という方法が殆どでした。
開花が早い、病気に罹りにくい種があれば、目印を付けておき、収穫の際に分けます。
そして、次の種蒔きの際には、それらの種が用いられました。
“交雑”という方法が改良に使われたのはおよそ18世紀頃からが中心です。
雄しべと雌しべを掛け合わせるアレです。
主に行われたのは園芸作物ですね。
バラなどの品種改良に多く用いられたようです。
しかし、優性遺伝などの知識がないので、中間色の子が出来る、と考えられていました。
交雑育種が大きく発展したのは、1900年における“メンデルの法則”の再発見まで待つことになります。
これにより、子孫がどのような形に分離していくかの予想が立つようになったのが、大きな発展の理由になります。
その2「伝播」
伝播。
ある種が他の地域に広がっていく事です。
伝播の過程で、品種が大きく変わることもあります。
大航海時代の前後で、栽培される食物が大きく変わるので、注意が必要です。
黒船襲来のペリーさんは、大統領から日本独自の植物の採集も命じられていました。
プラントハンターですね。
日本でも遣唐使の方たちは、中国の植物を色々と持ち帰っています。
いんげん豆のいんげんは、隠元禅師から取られています。
新大陸起源の栽培植物を挙げていきます。
・トウモロコシ
・タバコ
・ジャガイモ
・サツマイモ
・トマト
・とうもろこし
つまり、これ以前ですと非常に少ない品種の植物が食卓に上がっていたわけですね。
また、救荒作物であるイモ類がそれ以前には栽培できなかったので、凶作になると飢饉が発生しやすいというのも、重要な点ではないでしょうか。