学校Ⅴ
ふと後ろを向くと、男女混合の名簿順で並ぶ列で、自分の前に銀髪の少女がいた。
ネームには里川とあった。
(ハーフか? また、綺麗な人だな。)
じろじろ見るのは失礼だと思い、視線をそらすとなんだか男子からの視線が恐いんですけど…。
そんな、居心地の悪い時間もそう長く続かなかった。
『新入生入場。』の声が聞こえると、列の前の方から順に歩き出す。
この、「動き始め」が伝搬していく光景を眺めるのは、中学時代からの癖で、前の人間が歩き始めるのとタイムラグ無しで、歩き始めようとする癖は小学の時から。
そんな遊び半分の入場行進の後、入学式に興味のない両親が来ていない保護者席の中央を抜けて、席に着く。
一人ひとりが呼ばれ、その場に起立。
総代が、校長から入学許可の宣言への返答をして、着席。
それから、教室に戻って自己紹介をさせられる。
そんでもって、役員を決める。
この間、担任は何か用事があったらしく、副担任が担当した。
これまた、若い女の先生で、女子からすれば仲間が増えた気分で、楽しく雑談を交えながらのホームルームになった。
そんな和やかなムードの途中で、前のドアが開かれ、いかにも体育会系のガッシリした体格の教師が入って来た。恐らく担任だろう。
「えー。担任になった、岩本だ。まずは入学おめでとう。そして、この学校はかなり厳しいことでも有名であることを聞いたかもしれない。」
確かに、文武両道で厳しい校風だと聞いたことがある。
「そんな、君達はこの学校だけでなく、これから社会に出て行かなくてはいけない。」
なんか熱がこもって来たぞ。
熱血な先生なのか…。暑苦しいな、春なのに汗をかきそうだ。
「そんな君達だからこそ、この言葉を人生の先輩として、送りたい。」
出たよ、格好良く言いたがる人間は嫌いだ。
だが、何かしらの人生経験に基づいての言葉なのだから、気に入らなくても少しばかりは参考にさせていただこう。
「人生は、Mの方が楽しい。」
何言っての?
女子がドン引きじゃねえか !
ここから、ちょっと真面目と言いますか、あまりネタが入らないので、面白くないかもしれませんが…、まあ、最後までお付き合いいただだければ、と思っています。
感想、要望、その他、なんでも書いてください。




