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かでんポータブル  作者: today
第一章かでんがとどくまで
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ぽーたぶる?!

ごめんなさい、一時、焦土と測量士の分を掲載してしまいました。

真に申し訳ありません。話がつながらずに混乱した人もいると思います。今後気をつけます。

「よっしゃ!」

 自動ドアを通り抜けた直後、少年、西藤健二はカードを見ながら小さくガッツポーズを決める。

 そこに記されているのは、「累計5021pt」の文字。

 中学の時に親に内緒で作った家電量販店のポイントカード。

 ついに今日、ポイント三倍デーに電池とUSBメモリーを購入し五千円の大台を超えた。

 ここまでの道のりは長かった。


 中学時代、同級生のパシリ同然に電機屋に買い物に行った。

 電池やら、部活で使うビデオテープやDVDの購入をやった。

 そして、その時に自分のカードをレジで出し、ポイントをため続けた。

 一応、言っておくがポイントをもらう事は周りに、了解を得ている。

 

 三年間ため続けてここまで来たのだ。

 雨の中、自転車をこいだ日々。

 猛暑の中、坂を駆け上がった事もあった。

 その苦難の果てに貯め続けたポイント。

 それを使う瞬間が近づいている。


 苦しい中を共に駆け抜け続けた自転車にまたがり、今月からお世話になっている叔父の家に舞い戻る。

 高校は実家から遠すぎるため、叔父の家に今月からお世話になっている。

 入学祝に買ってもらったばかりのノートパソコンを立ち上げ、何の迷いも無くネットを開く。

 そして、家電量販店のネットのサイトにアクセス。

 ポイントでもらえる品を検索する。


 交換する品は決めてある。

「エアーコンディショナー・ポータブルタイプ5000pt」

 憧れのエアコン。

 今どき西藤の家は珍しく、家にエアコンが一台しかない。

 つまり、健二用のエアコンが無いのだ。

 電気代がもったいない。扇風機で我慢しなさい。工事が大変でしょ。

 いろいろな理由で、取り付けてもらえなかった。


 しかし、そんな日々とはおさらばだ。

 このエアコンは、まず、ポータブル。

 つまり、持ち運び可能。取り付け工事をしなくていい。

 そして、内蔵バッテリーとソーラーパネルで電気代はかなり少なくて済む。

 とどめは、今は叔父の家に居るため、贅沢品だと五月蠅く言ってくる親はいない。

 蛇足だが、どうやら除湿機能やその他の機能が付いており、家事で大活躍とか書かれている。

「ふふ。」

 クリックする前から、今後の快適ライフを妄想する。

 真夏の暑い日に、帰ってきたら自分の部屋は適温28度。

 真冬の寒い日もあったか暖房。

 にやける顔が抑えられない。


 何度この妄想をしてきたことか。

 このエアコンを発見したのは一年前の広告に出ていたのを見たときだ。

 二台だけの限定商品だが、そのポイントにたどりつく前に、ポイントを現金と同様に利用し、値引きするシステムや、手ごろなポイントで交換できる電化製品に目が眩みたどりついた者は今までに一人しかいなかった。

 その広告を見るまでは、自分もポイント値引きでエアコンかそれに近い物を格安で手に入れる気だった。

 それが今、自分の手の届くところにある。

 住所や確認事項をタイプし決定ボタンを押す。

「決まった。これで俺はついに、手に入れたのだ。」

 達成感が一際心地よい。

 三月末のそよ風が窓から入って来る。

 桜が咲くにはもう少しかかりそうだ。

 パソコンの画面の端に便せんのマークが出る。

 メールボックスを開く。

「御注文の品は四月一日にお届けする予定になっております。ご都合が悪い場合は下記のURLより、…」

 四月一日は一週間後の日曜日だ。

 そのため、入学式は翌日。

 新学期までには間に合うようだ。

 これで、心おきなく新生活に入れる。



一週間後。

待ちわびた瞬間が到来。


感想、駄目だし等、をできれば書いてください。

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