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かでんポータブル  作者: today
第二章かでんがとどいてから
19/35

学校

辿り着いたのは、奈碁坂中央高校。

一応、公立高校らしい。

ちなみに、略称は中央高校、又は中央。

近くに奈碁坂高校という“私立”高校が存在する。こっちの方が、公立っぽい名前なのでよく中央は授業料が高いみたいな噂が立つ。

話は戻るが奈碁坂中央高校は、若干田舎のここでは珍しい事に、目の前が片側三車線の道路に面した学校で、隣にはガラス張りのオフィスが立ち並んでおり、道路を挟んだ向こうにはやたら大きい塾が見える。


正門をくぐると、頭上に渡り廊下があり、本校舎と体育関連棟に繋がっている。

『体育関連棟』という名称が珍しいかもしれないが、この中央高校は周りにオフィスビルが立ち並ぶことから分かるように、土地が少ないためいろいろ努力している。


一階の半分はプールの水を管理する施設、もう半分は半地下になっている駐輪場。

二階はプール。ちなみに温水は出ない。

ケチくせー。所詮公立か。

三階は体育館。去年の文化祭でバンドが盛り上がりすぎて観客がとび跳ねた結果、床がへこんだとか言う伝説が残っている。

先輩がパワフル過ぎて、ここでやっていけるのか心配です。


その、体育館に至るまでの階段が堂々と校門を入った所から見えるのは、非常にセンスが悪いとしか言えない。

その階段裏には、購買部が存在し何とも小さいスペースで営業をしている。


体育関連棟と本校舎に挟まれた、購買部の横を通り抜けると今度は右手に食堂、左手にクラブ棟がある。


クラブ棟横に白線が引かれていて、木製の看板に自転車のマークと11Rと書かれている。

ここが、俺のクラスの自転車置き場らしい。

二重ロックを確認し、上履きの袋と鞄を持ってさらに奥に進む。


そこでようやく校庭に出る。

そこから、壁伝いに左に二度曲がる。

そして初めて下駄箱が見えた。

古臭い木製で扉のないホントにただ靴を置くだけの棚だ。

学園ドラマに出て来る、スチール製の扉付きで、開ければラブレターが入ってました的な物を想像していた俺には、ガッカリで夢の無い、地味さ満点の靴箱だ。


事前にクラス分けの表が、合格発表の日に配られたのでそれに従い自分の靴箱を探す。


変わっているかもしれないが、クラス分けと教科書購入は、合格発表の午後に行われるのがこの学校の決まりらしい。

おかげさまで、名簿の名前からいろいろ想像だけが先行し、クラスメートに勝手な想像をしてしまったことも多々あって、緊張が半端じゃない。

やなぎ たけるって身長高くて、強そうじゃない?


勝手な緊張の中、ようやく中段に自分の場所があった。

靴を置いて、上履き代わりに支給された、黄色のスリッパをはいた。

コンクリの上に、簾の子を敷いた場所を歩いて廊下に出る。

天井を見上げると、古い金属の管が何本も通っている。

恐らく電気の配線や、警報機のケーブルだろう。


壁や階段は人工の石と、コンクリートで造られ、廊下や教室、廊下側の窓枠などは木製。

時代を感じる建物だ。

本校舎は四階建てで、上から見ると口の字になっている。

真ん中は、噴水のある中庭。

(今は水が出てないから、噴水してないけど…。噴水って動詞だったか? まあ、フィーバー的なノリでお願いします。)


今はそれよりも、自分のクラスを探すのが先だ。

入試のときにもらった見取り図を開いた。

挿絵(By みてみん)

・・・。

外観しか分からない。

馬鹿だよね俺。

入試の時の資料じゃ、クラスを書いているはずが無いじゃないか。


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