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かでんポータブル  作者: today
第二章かでんがとどいてから
15/35

1000pv突破記念、雑談の片づけ

雑談形式を目指したのですが、ちょっと無理でした。

そこで、小説の間を埋める感じの一シーンみたいな感じで…。

ちょい長めです。

 1000pv突破記念


 はい、なんか変なテンションになりながらですが、回想をいきなりしたいと思います。

 なぜと言われても仕方が無い。だって神の見えざる手が働いて、勝手に俺に喋らせようとしているのだから。

 だから唐突だが、エアルと出会った日の夜についての回想をする。

 ちなみに、夜と言っても嫌らしい意味じゃないぞ。ホントだぞ!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「いやー、それにしても良かったですね。」

「何がだ。あんな強制的な手段を行使しておきながら。」

 今、俺とエアルは二階の三部屋の内の一つ、叔父の康雄が物置代わりに使っていた部屋の清掃を行っている。


 なんだか知らないが、エアルを作った会社から康叔父さんの勤務する会社に、圧力がかかったらしく、渋々だがエアルをここに住まわせることになった。詳しく聞くとなんだか非常にブラックな話題が飛び出しそうなので、その辺りは回避した。


 それで、エアルにあてがわれたのが、この部屋なのだが何せ物が多い。

 適当に捨てていいとか言っていたが、高そうな釣り竿やら、やたら古い本が大量に詰まっているので、本当に捨てていいものなのか見当がつかない。

 かといって、叔父は急に会社からの呼び出しで出かけている。

(役に立たねえ)


「それで、あの…この家で暮らすにあたって、情報の共有は大事だと思いまして。」

 あー。なんか家電が個人情報よわみを要求してきた。

「お前に教えると、ネットにさらされそうで怖いからやめとく。」

「何で?!」

 さっきのこと忘れとるんかい!

「お前、さっき俺の恥ずかしい情報をネットに公開するとか言ってくせに。」

「へ? あれ、冗談ですよ。それに、こんな短時間に恥ずかしい写真なんて集まらないですよ。」

 おいおい、冗談でも言っちゃだめでしょ。

 と言うか、集まったらするんかい。


「まあ、いいさ。だが、とりあえずそっちが先に言えよ。まずは自分からって言うだろ。」

「そうなんですか?」

 リスの様に両手で荷物を持ったまま、小首をかしげる。


「常識と言うより、マナーだ。」

 毅然と言わなければ、こいつは分からないだろうからな。ここははっきり教えてやらないと。

「分かりました。家電と言いますが、実は私は実験機の様なものです。」

 はぁ、実験機ね…。

「人間型にすることで、人と同じことをする機能を有し、かつ、家電の機能を持つ多機能家電プロジェクトと、販売促進キャラとしての意味合いを持って製造されました。」

 まあ、分かる。こんな物を作る企業なんて初めてだし実験の意味と、マスコット的な意味を持たせたかったのだろう。

「ですが、予想以上のコストから量産は中止。上層部から、リアル過ぎて気持ち悪いとか、オタクのイメージが付いては困ると言った意見が相次ぎ、結局、五機だけ製造され設計者はくびになったそうです。あたしは、いわゆる父が無職の状況ですね。」


 爽やかな顔して、酷いこと言うなよ。製作者は頑張ったのだよ、君を作るうむために職をなげうってまで。

 なんか、感動秘話みたいになったが、全くそんなのではない。

「ふーん、それじゃあ。誕生日的なのは無いの?」

 これだけ、人間に近く作っているのだからちょっと気になった。


「誕生日に相当するのが何になるのか分かりませんが…。最終設計図ができた日も、製造工程終了日も、12月19日になるようにしてくれたそうです。」

 製造工程終了日、つまり、こいつがこの世に完全な形を持った日。

「じゃあ、12月19日が誕生日か。」

「人間的感覚ではそうなりますね。」

 かなり先だな。

「全長は156センチ、体重47キロ。好物は、100V交流電源とアンパン。」

 ちょっと待て!

「家電の好物アンパンて何?!」

 おもいっきり、本を落としちまったじゃねーか!

「非常用電源の燃料電池には、人間が食べる物からエネルギーを取り出す機能があるんですよ。」

 ハイテク過ぎる。

「まあ、人間の胃や腸に比べ小さいので変換効率は悪ですが。その他にも、人間に近くするために、モーター補助に人工筋肉、痛覚、味覚、嗅覚センサー、あと…ポッ。」


「ポッ、ってなんだよ。また、さっきのなんかスタンガン的な物か!そんなの、人間についてねーぞ!」

 真っ赤な顔になった後、エアルは物凄い早さでゴミ溜めを掃除して行った。

 なにか、恥ずかしい思いをさせたらしいので、自分も自己紹介しないといけない気がした。

「まあ、俺は・・・西藤健二。分かってると思うが、俺が溜めたポイントでお前を買った。」


 エアルは、顔を上げないまま押入れの中を確認している。

 顔が真っ赤で、うつむいたまま返事は無い。

 たいして身長は無いから、頭をぶつける心配はないが、上を見ないで作業するのは危険すぎないか?


「体重は、51キロ、身長は166センチ。好物は…」

「美少女。」

「おい!勝手に人のプロフィール捏造ねつぞうすんな!これじゃあ、危ない人だろ」

「じゃあ、不細工が好きなんですか?」

「いや、違うけど…。」

 なんか、刺々しいぞ。

「じゃあ、私はどっちですか。可愛いですか?」

 ん? リアル過ぎてキモイとか言われたのを引きずってるのか。

「か、可愛いと思うぞ。」

 恥ずかしい。面と向かって女子(らしき物)にかわいい宣言。

「そ…そう、で、すか。」

 なんか、気まずい雰囲気なったぞ。

 大人しい感じになったエアルもなんか、凄くカワイイ。いや、こえれは幻覚だ。

「でも、お前は家電だから…その…、ほら、恋愛対象ではなくて…こう、デザイン的な意味だからな。」

 そこの所もはっきりさせておかなければ、こいつを傷つけかねない。

 だって、社長さんからオタクのイメージを付けたくないからって言われて傷ついたのだからそれをフォローしなくては。


「そう…ですか。」

 あれ? なんか、さっきと違う感じで静かになった。

 もしかして、落ち込んでる?

 いや、こいつに限ってそんなことあるはず無いか。

 だって、家電だもん。


「バカ・・・。」


 エアルは、振り向かずに何か言った気がしたがそれを聞き返すより、今夜中に寝られるかが心配だったため、片づけを優先した。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


今回も、つたない文章を読んでいただきありがとうございます。

楽しんでいただければ幸いです。

今後とも、なにとぞよろしくお願いします。


裏話:<todayルール>感想で一言のが書きにくくて、コメントしたいけどコメントできないという方がいらっしゃるのであれば、☆でも結構です。↑☆ならかなり楽しめた、☆ならまあまあ楽しめた、↓☆なら期待したほどでなかった、↓↓☆ならつまらなかったになります。

コメントの文字を考えるのが難しい方、それほど悩まずに書いてください。

まあ、文字で書いていただいた方が、うれしさ倍増ですが読者がいるのが実感できて執筆に意欲がわくのでご協力お願いします。

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