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かでんポータブル  作者: today
第二章かでんがとどいてから
12/35

そして、家電のせいで日常は崩れるⅣ

 

 康雄は、地面に正座をし、エアルに向かい頭を下げる。

「このたびは、甥っ子がとんでもない事を。まことに申し訳ない。」

 予見的中。


「いえいえ。私の意思でやったことですから、事ですから気にしないで下さい。」

 エアルさん、俺を庇った時の事を言いたいのだろうが、その発言はもはや火に油ですよ。

 案の定、康雄はばね仕掛けの人形の様に立ちあがり健二に詰め寄る。


「合意の上でも、責任が取れないことはやったらダメだろ。」


「いや、ちがうから。これジュースのシミだから。嗅いでみてよ。」


「男のを嗅ぐ変態趣味は、俺は持ち合わせてないぞ。」


「誰もそんな特殊な趣味に付いて語ってないから。」


「おまえは、十五だ。責任が取れないのだから、軽はずみな行動をするな。」


 だめだ、なんか思考が固まっている。

 そんな、叔父の発言にエアルがなにを血迷ったのか反論した。


「責任を取るのに年齢は関係ないと思います。そこに、意思と覚悟があればそれでいいと思います。」


 それは、他人を助ける時の話だろ!

 こいつ、天然なのか?

 それとも、話をややこしくするプログラムでも入ってるのか?

 狙ってやったなら、ぶっとばすぞ!

 ええい!製作者出てこい!


 そんな心の叫びを無視して、会話が続く。

「その年で、もう、そんな覚悟が!?」


「へ?当然の事を言ったまでですが。」


 康雄が、驚いた様子にエアルは気圧される。


「いや、それほどの覚悟で臨んでくれるのなら、健二を任せるのには頼もしいといいますか、健二にはもったいないといいますか。」


 何、父親ぶってんだこのおやじは。


「お名前は、なんとおっしゃるのですか。」


 いきなり丁寧語か!


「エアルと言います。」


 この雰囲気、ちょっと別の感じになってきてないか?

 これ以上はなしがややこしくなる前に、事実を話した方がいい。


「いや、康叔父さん。こいつは、実はロボットというか、電化製品だから。」


「何を失礼なこと言うか!」


 凄い見幕で怒られるが、無視する。


「こいつの手を握れば分かるから。」


 そう言って、エアルと康雄の手をとり、握手をさせる。

 エアルは、エアコンで、表面の素子で温度調整の一部を行はず。(推測)

 つまり、今は冷たいはずで…。


 握った手は、ほんのり温かい。

 まさに、人肌。

 安らぐ温度。


 っておい!

 なぜ?


「健二君。これで、何が分かるのか説明して欲しいのだが。」


 表情は普通に見えなくもないが、オーラが完全にやばい。

 そのためエアルを引っ張り、小声で話す。


「なぜ、暖かい?自分が電化製品であることを隠さないって言ったばかりだろ。」


「いえ、日が落ちて、外気温が下がって来たため、ほんのり暖かモードにしました。」


「は?暖かモード?」


「知らないんですか?エアコンには暖房があるんですよ。」


 きたよ、タイミングの悪い、無駄機能。

 そして、余計な気使い。

 これ以上はフォローのしようが無い。

 このまま進めば、さらに誤解を生みかねない。


「ごめん。方針変更。お前、人間のふりをしていてくれ。」

コレイジョウの、フォローハ、フカノウト、ハンダン、サレマシタ。

私の日常も崩れております…。

今回も、読んでいただけてうれしいです。

1000pv突破記念は、もう少し後で入れます、それほど大したものではありませんが、第一段、第二段を考えて執筆中です。

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