7階への生きかた
短いです。
ペンを走らせていた。昔からの漫画家になりたいという絵空事を詰め込んだスケッチブックをゴミ箱に突っ込んだ。
仕事を見つけた。緊張した面接、後日連絡のときは学生時代の試験の結果発表のとき以上の胸の心臓が鼓動していた。
結果は無事なんとか内定が決まった。そこからは忙しかった。仕事とで趣味もできなかったし友達と遊ぶ時間も減ったが、頼られたり、仕事を任せられるようになってからは自分という人間が必要なんだと思えた。。
「はぁー…今日も疲れたな……。」
そういって机の上の紙をゴミ箱に突っ込んだ。パソコンを使うのに邪魔だった。
それだけだ。
嬉しいことに彼女もできた。会社の後輩だ。
可愛くて、愛嬌のあって。俺なんかにもったいないくらいの子だ。
きっとスケッチブックを買うことはもう無いだろう。無いはずだ。買った。妻の絵を描いた。
写真を恥ずかしがる人だったから、代わりに絵を描いてたんだ。
可愛い子供もできた。そして、雨の日に、車が赤でも見えていないのか、吹き飛ばして走った。
この子は俺が育てるんだ。俺だけで。線香の香りは真実しか伝えない。真実なんてただ苦しくなるだけだ。
妻のまえには俺の絵がある。
もう触れることは叶わない。
…ある日、訳のわかないが、言っても信じて貰えないかも知れないが、会社のエレベーターで妻にあった。妻は話しかけても答えてはくれない。妻は7階で降りた。後を追おうとしたら扉がすぐにしまってしまった。そうしてすぐに6階についた。……ここは屋上だ。そうだ。7階なんて…ない。
その後は、俺も7階に行こうと思って足を進めたんだ。光がだんだんと強くなるなか、携帯が震えた。見ればそこには「今日のご飯は?」ってあった。
俺は踵を返した。作らなきゃいけない。今日のご飯を。…俺は…まだ死ねない。当たり前だろ。バカやろう。
自分の行きたかったとこにはまだいけない。せめて、せめてどうか。娘が大きくなるのを、ただ、そばで見ていたい。その後、どう生きるかは決めればいい。どこに行くかなんて分からないんだから。
「…ただいま」
「お帰り~」
自己満足です。




