冬至のこと ~ ユールとユールボード
来週月曜日は冬至ですね。
例年は21日が多いのですが、今年は22日0時03分が冬至点ですので22日が冬至になります。適当な私は3分くらいいいじゃない?と思ってしまうのですが…。
さて。
古代ゲルマン民族やケルト民族、スカンジナビア民族など…欧州や北欧の人たちは古くから冬至の日をとても大切にしていました。
夏至を境にどんどんと力を失っていた太陽が再生しまた強い力を持ち始める日であり、この日は新年としてお祝いされます。この日が古代ゲルマンにおける『ユール』です。
そしてこの時にふるまわれる御馳走が『ユールボード』です。
太陽が弱まってからこちら側に遊びに来ているご先祖様やら悪霊やら様々なものが冬至には特に沢山遊びに来て飛び回ります。お盆も兼ねているんですかね、きっと。ということで、ユールボードはご先祖様への振る舞いや悪霊たちへの供物として用意された御馳走です。
そんな者たちを引き連れて空を飛び回るのが事八日の記事にもご登場いただいた北欧神話の神オーディンとそのご一行です。ワイルドハント最盛期ですね。
ユールボードに満足したオーディンは御馳走と引き換えに贈り物を置いて行ってくれたそうな。
クリスマス(主にカトリック系キリスト教の行事)の御馳走はチキンやターキーですが、北欧の豊饒の神フレイに捧げられるのは猪。北欧やドイツでは今もクリスマスの御馳走は豚が主役です。
ということで、冬至の日の我が家の冬至の御馳走…と言いますかお夕飯はカボチャと豚の重ね焼き。好きなので。
日本の伝統食である『いとこ煮』(小豆と根菜の煮物ですが、うちの方は小豆とかぼちゃの煮物です)も好きなので、主菜に重ね焼きでデザートにいとこ煮です。かぼちゃ尽くしですね。
余談ですが、古代ケルトでも冬至は重要視されていたようですが古代ケルトの長とも言えるドルイドたちの教義は基本、音楽と口伝のため明確に『冬至をユールと呼んで大事にした!』という当時の文献はありません。
後世で古代ケルトの文化を残そうと神話や民話を集めた人たちがいたため現在は古代ケルト文化の文献も存在しています。
ですが、キリスト教の修道士などが書いた文献だと古代ケルトそのものではなくキリスト教に都合よく書かれていたり、物語そのものが別の神話や民話と混ざってしまったりしてどこまでが本当の『古代ケルト』文化なのかはっきりとしないものも存在しています。




