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女子ヒッチハイカー部〜出会いと旅立ち〜  作者: マナマナ


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メロンパンで勝負

 高速に乗ってわりとすぐに最初の休憩になった。

 海老名サービスエリア、初めて来た。

 ここってさ、時々ニュースの情報コーナーで紹介されているところだよね。画面と実際は全然違う。とにかく広いし人も多いし、もちろん車もたくさんある。車から降りると気温は暖かくて眩しい日差しも相まって気分はかなり昂揚してくる。とにかく広いから開放感も半端ない。


「藤川、ちょっと頼まれてくれないか?」

 興奮気味の私に先生が話しかけてきた。

「はい、何ですか?」

「娘をトイレに連れてってもらいたい。ここからは浜松まで休憩はしない予定だからな」

 相変わらず先生の後ろに隠れている束咲ちゃん。まだ私には慣れていないのかな。

「いいですよ。私も行きたかったし。一緒に行こう束咲ちゃん」

 私が手を差し出すとすぐに小さな手で繋いでくれた。めちゃくちゃ嬉しいよ。

 

 手を繋いで一緒に歩く。なんだか自分がお姉さんになった気分がする。

 ついお姉ちゃんのことを思い出す。こうやって一緒に病院に付き添ってくれたことあったよね。あの時の理由は忘れたが私は朝からぐずっていた。でも手を繋ぐことで安心したんだ。

 今の束咲ちゃんはどんな気持ちかな?

「メロンパン」

「え?今、メロンパンって言ったの?」

 そのことには頷いて答える。

「食べたいの?」

 また頷く。

「分かった。トイレが終わったら売店に行ってみようね」

 私がそう言うと少しだけど笑った。やっぱりその顔の方が断然可愛いと思うな。なら今度は満面の笑みにしてやろう。


 トイレは混んでいて待つこと数分。・・・・・・無事任務終了。


 トイレから出てみると、なんだかさっきよりも混んでいるように見えるのは気のせいではない。確かに混んでいるのだ。週末の行楽日和には誰もじっとなんてしていられないんだろうな。

 今の私にはその気持ちよく分かるんだ。さて、みんなはどこに・・・なんて探す必要もなく相澤君の姿はすぐに見つかる。というか自覚がないだろうけど目立つんだよね。本人は無関心だけれども当然すれ違う女の子のほとんどがあんたのこと目で追っているのだよ、って言ったところで素っ気ない返事で返すんだろうな。その顔が目に浮かぶ。


「こっちだ」

 向こうも私達に気が付いて手を軽く上げてから歩いてくる。私も束咲ちゃんの手を引いて歩き出す。すると今度は敵意のある視線が私に集中する。

 いいですかみなさん、私は彼女じゃないから。

 なんて言ったところできっと素っ気ない顔するんだろうな。

「束咲、メロンパン買うんだろ」

 相澤君がそう言うと大きくさっきよりはもっとちゃんとした笑顔で答える。私の時とは全然違う。それって束咲ちゃんもイケメンには弱いってことなのかな。一体その容姿でどれだけ好意的に見られてきたかなんて考えたこともないだろうな。


「メロンパンそんなに好きなの?」

「もしかして知らないのか?」

「え?何を?」

「メロンパンはここの名物だ。みんなわざわざ買いに来るんだ」

 あ、そう言えばそんなことニュース番組で聞いたことあるかも。

「行くぞ。これからもっと混んでくるだろうからな」

 相澤君は束咲ちゃんの反対側の手を取る。私、束咲ちゃん、イケメン。なんだこの状態は。でも束咲ちゃんの笑顔はさらに輝きを増している。

 私は思い出す。自分が束咲ちゃんくらいの頃。お父さんとお母さんに同じことをしてもらった。確かにこの状態は楽しいよね。分かる。分かるんだけど端からみたらこれって若年夫婦に見えたりしているのだろうか。はっきり言って誤解もいいところだけど、この状態はともりには絶対に見せれないよ。


 メロンパン売り場は名物ということだけあってすでにかなりの人が行列をなして文字通り混んでいた。ここにいる人達ほんとにメロンパンを買うために並んでいるみたい。


「これなら五分だな」

 相澤君はそう宣言する。

「そうかな、私は十五分はかかると思うけど」

「甘いな」

 そしてフッと笑った。あれ?もしかして楽しいのかな?でもここで引き下がるのも納得いかない。どうせ待つ間だけの暇つぶしだ。

「じゃあどっちがより近いタイムを出せるか勝負する?」

 私の返答が以外だったのかまたちょっとだけ笑った。

「それはいい提案だ。勝負というなら当然勝った方、負けた方、双方にそれなりのこと考えているんだろうな」

 ふむ。確かに勝負ならそうなるか。でも咄嗟には決められない。その間だって時間は過ぎてゆくし列だって消化されてゆく。

「それは後で考える。とにかく今は時間を決めようよ。今からレジを終えるまでの時間でどう?私はやっぱり十五分」

「どんな報酬があるか楽しみだ。レジまで入れるなら五分四十五秒だ」

 それをもの凄い得意な顔で言う。こんな表情、ともりが見たら目を開けたまま失神している。


 その間、束咲ちゃんは私と相澤君の腕にぶら下がったりして遊んでいた。無邪気ってちょっと羨ましい。きっと昔は私もこんな時期があったはず。だけどイケメンはそんな時期があったのだろうか。それは疑問でしかない。そんな姿、正直、想像なんてできないな。

 列が進むに連れてメロンパンの匂いが強くなってくる。う〜なんて美味しそうな匂いなの。お腹が減ってくるよ。

 あ。そういえばお弁当どこで食べるのかな。お昼にはまだ時間があるからこの先ってことだよね。それまでこの匂いの誘惑に負けてしまうかもしれない。


☆☆★☆☆


「ありがとうございました」


 みんなの分のメロンパンを購入してレジを通過。

「時間は?」

 相澤君に言われて私は腕にある端末のストップウォッチを停止させる。もうその時点で結果は出ている。最初は私の方に絶対分があった。けれど何がどうそうさせたか分からないが急に流れが良くなったのだ。おかげで私はどんどん劣勢に立たさせることになる。その結果


「・・・・五分・・・五十五秒。相澤君の勝ち・・・・(くぅ)」

 負けた。ここでもまた。テストでも負けて私には彼に勝つ要素はないのだろうか。

 暗い笑顔でそう伝えると『ほらな』みたいな勝ち誇った顔をしている。それがまたイケメンなのが妙に癪に触る。

 そっか。私、きっと容姿でも負けているよね。(涙)


「ねえ、これ食べたい」

 束咲ちゃんは早速袋から出そうとする。けれど

「我慢だ。あと少しでお昼ご飯になる。これはオヤツ。だからまだだ」

 相澤君は束咲ちゃんの届かない高さに袋を上げる。きっと子供だからごねると思いきや案外素直に、まあちょっとは拗ねた感じはしたけど、頷いた。


「戻るか」


 私達はまた同じように手を繋いだまま車まで戻る。ちょっと照れくさいけど。


 まだまだ。これからが本番。部活も。そしてお弁当も。

 さあ。頑張りますか。

世間では『13日の金曜日』はどんな印象なのでしょう。

読んでいただきありがとうございます。

私が真っ先に思い出すのは

そうです。ジェイソンです。←世代です

あの時のワクワク感。今はもう遠い。

でもワクワクするって幸せだってことですよね。

楽しみにしているってことだから。

これから先。どれくらいワクワクが待っているのか。

考えるだけでワクワクします。

あ、ちょっとしつこいかな。

さあ、次回に向かって書くか。

皆さまもワクワクして来ていただけるよう精進します。

次回もよろしくお願いします。

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