なによそれ!
マネージャー・・・・・?
なんの?相澤君の?まさか。
「部活だ。一番に喜ぶと思ったがどうやらピンと来ていなかったようだな」
それを聞いてやっと全てが一本に繋がる。部活。マネージャー。結城君て友達だったんだ。
「え!ほんと?引き受けてくれるの?」
「だから紹介した。部長には亜衣花を通して伝えてもらった。了承済みだ」
ともりも私も物珍しいものでも見るように結城君のことを見る。
「おい。俺は歓迎されているのか?」
「多分」
「多分?んだよ、せっかく瞬の頼みだし、面白そうだから乗ったのに」
「そんなことない。ちょっと意外だったから。もちろん歓迎しているよ。それは本当。だからよろしくね」
「そうそう。結城君優秀だし頼りになる」
「よかったな、みどり」
「みどりじゃねぇ。小学校からいい加減にしろ。いいか二人とも瞬の真似するなよ」
小学校。そんな古い付き合いなんだ?
「コイツは亜矢香に惚れている」
「おい!急にそんなこと言うな」
え!相澤君のお姉さんのことだよね。ふ〜ん、もしかして年上好きだったりして。でも二人のこと見ているとなんか楽しそう。友達なのかな?それとも私達のように親友なのかな?
「まあまあ。私達は大歓迎だよ。よろしくね、結城君。それと名前のことは了解」
「ああ。ま、こいつの頼みなら仕方ない。俺、いま帰宅部だからな」
「じゃあ早速今日から部活参加でいいんだよね」
そのことには相澤くんが答える。
「そうなる。それと土曜も。そこで少し変更する。俺と逸見は部室でサポートは変わらない。翠には車組になってもらっていろいろデータの収集をしてもらう」
うんうん。ってそれって私の役目じゃなかったっけ?
「任せられるものならそうしたい。だが翠の方が遥かにシステムに詳しい。藤川には翠のサポートをしてもらう」
確かにあんたの言う通りメカには弱いよ。けどさ、そんなアカラサマに変更しなくてもいいんじゃない?
前もって一言でもあれば私だって快く承諾したのに・・・なんかこういうのってモヤモヤするんだよね。
考えていることが顔に出ているのかな。いや。この一族はテレパシーも使えるに違いない。じゃないと説明付かない。
ま、そんなこと考えもすでに決定事項なのだろう。ここは結城君の顔を立てて
「分かった。私もその方がいいと思う」
「理解が早くて助かる。行くぞ」
二人は振り返って一緒に廊下に出て行った。
あ!そうだ。ともり。
私はともりの肩を叩いて促す。けどなかなかどうして。仕方ない。ここは親友の私の出番だ。
ともりの腕を掴んで二人の後を追う。ちょうど教室を出たところで
「ちょっと待って。ほら、ともり」
「え?あやせ?」
「いいから。今しかない」
耳元で言って無理矢理前に押し出す。
「まだ何か?」
ともりはもじもじしている。ちょっと強引だったかな?でもチャンスって思った時がその時だと思う。
「あのね、ともりが提案があるって」
「・・・?」
困惑するのは分かる。おっと。私達はお邪魔だろう。
「だから今さっきのこと。あ、そうだ、結城君、ちょっと」
「おれ?なんだ?」
「いいから。ちょっとこっち」
「ま、待ってよあやせ」
ロクに説明もなしで二人から見えない場所に移動した。仕方ない窓際にでも行こうかな。
窓は開かれていて眩しい日差しがあって柔らかな風が微かに入ってくる。季節はずいぶんと変わった。桜の樹は今では溢れるほどの新緑の葉が緩やかに風に揺れてるし、空の青色だって濃くなっている。土曜日もこんな気持ちのいい天気ならいいな。
「おい、あからさま過ぎ」
「そう?」
「ったく、瞬はああ言うことにはあまり感心ないけど、それでもさすがに気付く」
「だってともりは相澤君に大事な話があるの。それにきっかけだって」
「まあ、いいけどな。それにしても逸見は積極的だな。今まであんな女子みたことない」
「そうなの?」
「ああ。そりゃ昔からアイツはモテた。けど当の本人が感心がないときている。おまけにあの性格だ。話すきっかけがなかなか見つからない。それで諦めるパターンがほとんどだ」
ふ〜ん。分かっていたけどね。そんなにモテる人生ってどんな感じなのかな?私には遠い世界の話のみたいに聞こえる。
今まで誰かにそんな目で見られたことなんて多分ないし自分のことで精一杯だったから男の子をそんな目で見たことなかった。
それは今でも同じこと。ともりを見ているとそういう面だけはかなり遅れていると思う。だからと言って今すぐ誰かを好きになるとか全然未知なこと。
予鈴が鳴る。けどともりの姿はない。まだ話しているのかな?それともとっくに終わっていてその結果次第ではどこか一人になりたい所に行ったとか。
「なあ」
ん?
「今、俺がいること忘れていないか?」
そんなことないよ。
「何時までこうしていればいい?授業が始まる前にトイレに行きたいんだけど」
「ご、ごめん、引き止めてた。もう大丈夫。ともりに時間を作ってくれてありがとう。あとマネージャーのこと。頼りにしている」
結城君は手を振って教室を出て行ってしまう。入れ替わりにともりが教室に入ってくる。やっと戻って来た。
ここからじゃ上手くいったかどうかまだ分からない。なんでそんなに落ち着いているの?私が手を振ると気が付いたみたい。急に早足になって目の前まで来た。
「どうだった?」
ともりが話し出す前に聞いてしまう。私はずいぶん気になっていたらしい。
「言ったよ、ちゃんと」
「それで?」
次の瞬間。私はともりが両手を上げて喜ぶものだと思っていたが、意外にも笑っているけど複雑な表情もしている。
「う〜ん・・・結果としては半分くらいかな。いわゆるフィフティ・フィフティ」
「それじゃ分かんないよ。結局上手くいったの?いかなかったの?」
「一応OKはしてくれたんだ。けどみんなの分も一緒ならって条件付き。だから当日はみんなのお弁当を作ることになるのかな」
予想外の結果にカチンと頭が鳴った。
「なにそれ。それが出来ないなら無理するなって言っているってことでしょ、それって」
「やっぱりそう思う?」
「思うに決まってんじゃん。全員分のお弁当作るって、どんだけ大変か分かってんのかな?」
だんだんヒートアップしてきたが残念ながらタイムアップを知らせる本鈴が校内に響き渡る。
席に戻ると相澤君はもう座っていた。私の視線に気が付いたのか、チラッとこっちを見る。何か言おうかと思ったけど、先生がやって来てそのまま午後の授業に突入した。
北海道物産展は混んでいる、相変わらず。
読んでいただきありがとうございます。
都内は頻繁に北海道やってます。
しかしこのご時世。値上がり率が半端ない。
ま、欲しいものは買いますが。
よし。今度はこっちから行こう。北海道。
次回は北海道からアップします。←嘘です。




