通りゃんせのテンジン様

とある町にひとつだけある、“通りゃんせ”の横断歩道。
そこには、こんな噂がある。

――音楽が鳴り終わるとき、横断歩道の真ん中に立っていると、異界の“テンジン様”に連れて行かれる。

夏休み前の終業式の放課後。
クラスメイトの提案で、肝試し感覚のまま涼馬と光道はその横断歩道に足を踏み入れる。

何も起きるはずがない。
こんなの、ただの噂話だ。
――そう思っていたのに。

異界の風景に、涼馬はなぜか“見覚え”があって――？

童謡「通りゃんせ」をモチーフに描く、和風ホラー＆ミステリー。