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ポンコツ令嬢のその後

 卒業パーティーが終わって、寮の自室に戻ると父が青白い顔で待っていた。

「お前はなんて事をしてくれたんだ…このバカ娘が!」

「え?」

「公爵令嬢への不敬罪で男爵位剥奪,財産の没収,家族ともども五年間の強制労働が決まった。恩情で第三王子様への文を渡してくれるそうだから、今すぐ書きなさい。」

そう言って紙とペンを渡された。えっ?何?どういうこと?

「王子様は王族から除籍され山送りだそうだ。二度と会えなくなるだろうからちゃんと書いときなさい。」

その後も何かブツブツ言ってたけど頭に入って来なかった。クラウド様に会えなくなっちゃうの?そんなのは嫌だ。書きたいことがありすぎて書ききれない。しかも父親の監視付き。

 迷ったけどクラウド様ならきっとどうにしかしてくれる。だからこう書いた。


迎えに来てくださるのを待ってます。



 強制労働は予想外だった。父の薬草の普及と育成,よくわからない金持ちの屋敷の保全でなぜかメイドと執事付き。家主が田舎暮らしに憧れて、私たちの家を買い取ってしばらくはそっちで遊ぶらしい。そんなんだから屋敷も王都の外れの方で、父が任されていた畑の近くだった。ただ、父の部下だった人達も父や母について行ったので、この広大な土地を祖父母と管理するのは大変だった。

 最も意外だったのは、屋敷の人や周辺住民は庶民なので、やたら好意的だった。

「あんた惜しかったねぇ。王子様との恋物語教えてよ。」

そんなんばっかだった。結末はどうであれ、田舎娘と王子様の恋物語は十分に夢物語で庶民の憧れらしい。私もちょっと反省して、公爵令嬢の事を悪く言っちゃった事とか、ありのままを話したら、皆が喜んで話を聞きながら農作業を手伝ってくれた。おかげで楽しくあっという間に五年が過ぎた。

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