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現実3

 乗り込んできた時の勢いはどこにいったのだろうか?バカ王子がオロオロし始めた。

「だ、だが婚約して王家とのつながりがあれば王国内での幅をきかせられるだろう!」

「第三王子のコネなどたかが知れていますわ。第一王子と第二王子が優秀ですし、共に結婚して男児にも恵まれています。第一王子のご子息は首席で王立学園中等部にご入学されたとか。大帝国の庇護下にある今は戦争も起こらないので、殿下が王位に就くことはまず無いでしょう。私と結婚していたら、大帝国からの圧力により王位に就いた可能性もありましたのに。」

「私が王位だと⁉」

「たらればの話ですわ。帝王のお祖父様とは何度かお会いしていますが、母似の私を大層可愛がってくださっています。だから国王陛下も第一王子においそれと継承できなかったのですよ。鶴の一声がかかれば最悪は第一王子が殺される可能性がありますからね。」

バカ王子がガクガクと震えている。さらに追い討ちをかける。

「まとな常識をお持ちの貴族はこれらをご存知ですから、一方的に婚約破棄を宣言した殿下を雇うわけありませんわ。大手の商会も我が家との関係が悪化したら貿易ができなくなるので、わざわざ雇わないでしょうね。」

「やっぱりお前のせいじゃないか!」

私はとびきりの笑顔で言い返してあげた。

「違いますわ。殿下が自滅したんですよ。」

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