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スカーフェイス、激闘、拳闘へ

光り輝く魔法陣から、出た俺達は見た所もない場所に着いた。


「アダルベルト、ここは?」


「Re.ユースティティア本部さ」


「Reってユースティティアって何なんだ、ユースティティアと何が違うだよ!」


俺はアダルベルトに詰め寄ると、奴は、言った。


「ここは、君が知っている、マフィア、ユースティティアではない、反パトリオット・アセンブリの本部、この国のバーノン・ルイスの目を避けて、見つけた所さ…だが、妙だな…静か過ぎる」


アダルベルトはこの建物の各フロアを見て回る、それに追随して俺も見て回ると、人が倒れていた。


「リューク!」


爺さんが倒れており、血まみれでアダルベルトが上半身を起こすとリュークと呼ばれた爺さんは口を開いた。


「こ、こ、も、奴らに見つかってしまったよう、だ、奴らヨーゼフを攫って何処かへ行ってしまった」


「ヨーゼフがか! おい、しっかりしろ」


「フィクサーは…元気だっ…たかい…それに…そこに…いるのは新入りだ、ね」


「こ、れを持って、い、くといい…」


ズボンのポケットから出したのは、何かの探知機みたいだった。


「そ、れ、で、ヨ、ー、ゼフの場所が、分か、る」


リュークと呼ばれた爺さんは、そこで事切れたようだ。

何なんだ、一体! 状況を把握しきれねぇ。


「スカーフェイス、場所が分かるぞ、ここから近い、ここの本部の車に乗って向かうぞ!」


「一体、何が起こってるんだ、アダルベルト!説明を…」


「してる暇はない、さっさと行くぞ」


クソッ、何なんだ!


※※※


車に乗り向かったのは、牧場?やけに広い施設だった。

何だ、ここは? それに、やけに緊張するこの感覚は何だ!


「着いたぞ…その前にこれを着ろ、いつまでもパジャマじゃ、格好がつかないだろ」


車から降りて、アダルベルトから渡されたシャツにジーンズに着替えてから、施設の中に入ると…薄暗く、外の光りで中が見えた、そこには…鉄格子の檻に、多くの人が収監されていた、しかも、中は子供だけだ。

見れば、白人、黒人、黄色人種、獣人、エルフ等、多種多様で数え切れない位いた。


「おおっと!いけないなぁ、不法侵入は」


振り返ると、大柄な男が立っていた。


俺と同じ黒人だ。


「テメェが、ここの主人か…」


「ダナント・ホワイトって言うんだ、覚えときな、いや、これから死ぬ奴には関係のない事だな!」


「スカーフェイス!僕は、ヨーゼフとここの子供達を助ける、君はそこの男を頼む!」


「………何だか、知らねぇけどよ、無性に腹が立って来たぜ、いいぜ、乗ってやる、行くぞ!」


俺はダナントに、殴りかかった!

だが、奴は寸での所で避けた。


「おっと、アニマ・ラピス持ちの奴だな、怖い、怖い、我々、ニューヒューマンと渡り合える、唯一の存在、面白い!これを避けきれるかなぁ!」


奴は腰に巻いてた鞭を振りかざし、俺に向けて打って来た。


速い!!


避けきれず、肩に受けてしまう。


「ぐっ、痛え!」


「そら、そら、そら!一発だけじゃないぜ、ダナント様の鞭さばきをその身に焼き付けるんだな」


まるで鞭自身が生きてるかのような、軌道で俺に襲いかかってくる。

それで俺の体を深紅に染め上げてくる。


だが……


「なっ!?」


鞭を掴んでやったぜ、鞭には棘が付いており、掴んでる手はミリミリと音となして、手に食い込んでくる。


「テメェ、痛くないのかよ!いくら、アニマ・ラピスで身体能力が上がってても、痛覚はある筈だぜ!!」


「ああ…痛えさ、だがな、ここにいる子供達も同じ目に合わせて来たんだろ…それに比べたらな!」


「なっ!?」


鞭を引っ張り、ダナントをこっちに寄せ付けた。


「遊びは終わりだ…ここからは、ボクシングじゃねぇ…拳闘だ…」


寄せ付けたダナントに、拳の嵐をありたっけ、浴びせる。


「テ、メェ、本当に、人間か…Reユースティティアの連中にここまで、体を酷使する奴なんて…」


「上等だよ、テメェらが、悪事に染める限り、この身を傷ついても、止めてやる」


最後にアッパーを繰り出し、ダナントは空中に舞い、そして、倒れた。


「スカーフェイス!ヨーゼフを見つけた、あと、ここの檻の鍵だ!」


「必要ねぇ!」


俺は鉄格子を、無理矢理、開き、子供達が脱出するスペースを作った。


「やれやれ、脳味噌筋肉はこれだから…」


アダルベルトも各檻の鍵を開けて、脱出させていた。

ヨーゼフは脱出した子供達を誘導し、本来なら、子供達を奴隷として売り飛ばすに使っていた大型トラックに乗せていく。


「これから、どうするんだ、子供達を何処に運ぶんだ?」


「それは、ズィクタトリア、バハムート州にある、我々に協力してる児童施設がある、そこに、預けてみようと思う」


「そうか…」


トラックを見ると、乗っている子供達は怯えてた、無理もないか…こんな血まみれじゃな、さっきの戦いも見てたし…近寄り難いよな。


そう思ってたら…


トラックから子供達の一人が降りて、俺に近寄ってくる。

どうやら、エルフの男の子らしい。


「ありがとう…」


「えっ!?」


「だから…ありがとう、お兄ちゃん、私達を助けてくれたんだよね」


「わざわざ、それを言いに?」


「死んだお母さんが親切にしてくれた人には、お礼を言わなきゃって言ってたから…」


「そっか!でもお礼は、これからお前が自由に幸せになる事だからな」


「うん、ありがとうお兄ちゃん!」


トラックへ向かって行きながら、何度目だろう…お礼を言われた。


「なあ、アダルベルト!」


「何だ、スカーフェイス」


「俺はあんた達に協力してやる」


「どんな風の吹き回しだ?」


「俺はパトリオット・アセンブリを壊滅させる」


こうして、子供達を乗せたトラックは、その児童施設に向かった。

トラック二台、ヨーゼフとアダルベルト、俺

が運転し向かった。

バハムート州にある児童施設に向けて。



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