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学校

タケシさんに車で送って貰った、ダマトジムに近いこの学校に僕は転入することになりました。

タケシさん、お姉ちゃんの付き添いの元、学校の担任の先生に挨拶をすることになり、先ずは応接室でタケシ、お姉ちゃんに挟まる形で座っていると、応接室の扉がノックされ入って来たのは、女性の先生だ。

僕は挨拶をする。


「こんにちは、ベゴニア・バルベラです!よろしくお願いします」


先生は…耳を隠すように髪を伸ばした白人の女性で、夏のカジュアルなスーツを着ている結構サバサバした性格そうで「よろしくな、ベゴニア君、私はイザベラ・ジュピターだ」と挨拶を返してくれた。

そして、更に、イザベラ先生はタケシさんとお姉ちゃんを見ながら…


「えっと、お二人はベゴニア君の保護者で宜しかったですよね」


「いえ、俺は付き添い人というか…保護者は彼女です、あっ…俺は白野武と言います」


タケシさんが説明し、お姉ちゃんが「アザレア・バルベラです、弟を宜しくお願いします」と会釈しながら言った。


「そうですか! 弟さんなんですね、不肖ながら、このイザベラ・ジュピター、弟さんを預からせてもらいます!」


タケシさんが僕の耳もとにボソッと「何だか…熱血そうな先生だな…」と言ってると、聞こえたのか…


「シラノさん!私は熱血なんかじゃありません、私はクールなんです」


「はあ…それは失礼した///」


恥ずかしそうにタケシさんは詫びると、イザベラ先生は、「では、ベゴニア君が在籍するクラスまで案内します、お二人もどうぞ」


在籍するクラスまで行き、中へ入る。

二人は入らずクラスの窓際で手を振っている。

「じゃあ、先生、夕方また迎えに来るんで、ベゴニア君を頼みます」


窓際からイザベラ先生にも聞こえる声でタケシさんは言い、お姉ちゃんを連れて帰って行った。

そして…僕はこの新しい学校、クラスで過ごすんだ…何だか不安だな…

先生はこれから、みんなに僕を紹介する気マンマンだし…僕は不安をかき消して、先生の隣にたった。


「みんなーー!!注目、このクラスに新しいクラスメイトが入ります! では、自己紹介をお願いね」


「はい、ベゴニア・バルベラです、皆さん、よろしくお願いします」


僕は、30人いるクラスメイトに挨拶し、先生に指定された席に座ると、隣の席の人に、「俺、ハンクって言うんだよろしくな!」と挨拶され、僕は、「ベゴニアです、よろしくお願いします」とさっき言った事と、同じ言ったら、「知ってるよ、さっき挨拶で言ったじゃん」て言うもんだから、「そうだったね、僕、あまり、同年代の人と話さないから、何を喋ったらいいか、分かんないや」


すると、ハンクは「何か適当に…昨日食べた物とか、言えばいいんじゃね」

昨日食べた物か…シチューだったな。

「シチュー…鶏肉がふんだんに入ってるのを食べたよ」


「へー、シチューか、豪勢だな、ウチはパンとコンソメスープだった」


ハンクは白人の男の子で、僕に始めて挨拶してくれた人だ。

クラスでも、お調子者というか、よく喋る。

そんな、クラスメイトを隣の席に座ってると、授業中でも合間に話しかけてくるんだ。

それが、不快かと言われたら、そうでもなくて、クラスメイトの事を教えてくれたりして、逆に感謝したくらいだ。

授業が一段落付き、給食の時間になると、みんな、目の色を変えてウキウキし始めた。

それは、僕も同じで、授業に使ってた頭がカロリーを欲してる。

献立はカレーライスだった、みんなの中で配膳する係は、決まっていて、週ごとに入れ替わりになっているそうだ。

みんなに、カレーライスが配膳し終わると、先生が「神に感謝を!」と言い、みんなも僕も同じく「神に感謝を!」と続けて言った。


食事の際は、机を3人を一組にし、机を寄せ合って、食事しながら談笑するみたいだ。


「ねえ、ベゴニア君はこの学校の前の所って、どんな感じだった?」


机を寄せ合ったのは、ハンクとこの質問してる黄色人種のマコトって人だ。

黒髪が美しく、マコトは髪をサイドテールに結んでいる。

マコトの質問に僕は、困った。


「実は…僕、以前の学校には…あまり行ってなくて…」


「あっ…そうなんだ、でもさ、きっとこのクラスに馴染めるよ」


何だか…余計な事を連想させたようだ、僕はあのユースティティアのロジャーにも勘付かれずに、過ごしきた、学校にも少しは通ったけれどロジャーに勘付かれると、お姉ちゃんに通うのを止められた。


ロジャー…アイツは、お兄ちゃんが身を呈したお陰で、この世から去った。

お兄ちゃんのお陰で、こうやって学校にも通えるようにも、なったんだよ。


お兄ちゃん…生きてるんだよね…何処にいるんだろう…お姉ちゃんやタケシさん、ダマトさん、あの歌手の人も…みんなお兄ちゃんに会いたいって思ってるんだよ。


僕は首から下げてるペンダントを握り、泣いてしまった。

すると、マコトやハンクが驚いて「どうしたの?」と聞いたから、「いや、カレーライスが美味しくて、感動してるんだ」って言った。

ハンクが「カレーライスでそんなに感動してたら、これからいつも感動で泣いちゃうぞ」ってツッコミをいれるから、「そうだね、感動するよ」とハンクにボケにしては、いまいちだけど、ボケてみた。


「なんだ、そりゃあ、ボケでもいまいちだぜ、まあ、いいけどさ」


給食を食べ終え、昼休みになると、ハンクから、みんなでサッカーしようぜと誘われる。

サッカーか…ボクシング以外のスポーツもいいなと思い、「いいよ、いこう」っと言った瞬間、クラスのドアをガラっと開けて、「ハンクはいるか?」と突然、誰かが入ってくる。


「マルコ君…」


マルコと呼ばれた人は、ハンクと同じ白人で、体格も大きい。

ハンクの肩に手を回し、「お前は俺達と遊ぶんだよな!」

ハンクはそれに、俯き、「いや、今日はみんなでサッカーを…しようと思ってる」


すると、マルコはハンクを肩に手を回した状態から逃げられないように、殴った。

ハンクは涙目になり、泣きそうだった。


「やめなさいよ、あんた達、上級生がこんなこと、してたら先生に言いつけてやるんだから!」


マコトが抗議すると、マルコは「女の子は黙ってな、ハンクと楽しい、楽しい、遊びをこれからするんだからよ!」


「やめろよ」


僕は言った。

マルコって奴が僕に睨みながら、「ハンクは俺達と友達なんだ、邪魔しないでくれる?」


「嫌だって言ったら、どうしますか?」


「そりゃあ…生意気な後輩に指導しなきゃな…」


マルコは殴りかかってきた。

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