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詭弁
「ロジャー、お前が組織を独占したいのは、分かるが、それは無理だと思うぞ」
「何ですと、何を根拠に…」
「俺とアザレアについてる構成員は、遺書、一枚で、なびくとは思えないし、お前がそれでトップになったとして、アザレア派、俺を担ぎあげてる連中は、お前には付いて行かないぜ」
「まさか、そんなはずは…」
「元々、反社なんだ、お前が遺書一枚で、ボスを襲名しても、全員が付いてくるとは、思えないがな、生前に先代直々に、構成員に伝えてるなら、話は別だがな」
「ぐぬぬ、言わせておけば…」
「事実だろ、派閥では、お前とアザレアで拮抗してるんだ、そう思惑通りにはいかないさ」
ロジャー・セラノは、例の遺書を机に置き去っていた。
「流石、お兄様ですわ、あのロジャーを言いくるめるなんて」
「褒めてるのか? だが、俺は組織解体が、狙いなんだ、これは、その為の布石だ、それを忘れるな」




