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睨み合い
「ほーー、そんなのがあるのか…、それは、筆跡鑑定でもしてもらわないと、信用出来ないな、アザレアは、知っていたか遺書の事? 」
「知らなかったですわ…お父様が私に黙って、遺書を遺すなんてありえませんわ」
アザレアは毅然とした態度でロジャーに詰め寄り、遺書と呼ばれる物を奪い取った。
「ハッハー! 相変わらず気の強い人だ、だが、残念、それは本物です、見てもらえば分かりますよ」
アザレアは確かに、父親の字に間違いないと、だが、筆跡鑑定には出すらしい。
「どうぞご勝手に、鑑定に出した所で…お父上の物であることには、変わりはありませんから」
「例え、お父様の意思でもお前だけには、この組織は譲らない!」
キッとロジャーは、睨まれるも本人は、余裕の表情だった。




