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父の遺書

「強情か、俺はこんな組織は、無くなった方が世のためだと思うがね」


「ですが、無くなったあとは? この組織でしか生きられない者もいるのですよ、お兄様の言う、まとな世の中に彼らは生きていけませんわ」


俺は迷ったが、それでも言う。


「アザレアが何と言おうと、俺はユースティティアを解体してみせる、組織の人間も何とかしてみる」


「お互い、違う価値観で生きてきましたもの、この場で決めるのは、誰だって無理ですわ」


「…なんかよ、悪かったな」


「お兄様が謝れる必要はないですわ、寧ろ、組織を継ぐのに私も立候補したから…私にも原因は、ありますわ」


しんみりしたムードの中、ドアを蹴破って、いきなり入って来た者がいた。


―――――――ロジャー・セラノだ。


黒服達も、臨戦態勢に入ると、アザレアが止めた。


「よーーう、お二人さん、ご機嫌麗しゅう?

って雰囲気でもねぇか…どうだい兄妹で話しあって…何か進展はあったかな?」


「別に貴方に話す内容でもないわ、ロジャー」


「そうそう嫌な顔をするなって、兄妹揃って、俺は話に来たんだぜ」


「お二人には、ボス候補から下りて貰おうと…思ってさ! 実はーーこーーんなのが、あるんだよな、お前達、兄妹の父、先代の遺書がな! 見つけるのに苦労したぜ」


「なんですって!!」


「で、何て書いてあるんだ」


「アレクサンダー・ガルベアより、我が娘、アザレア・ガルベアへ、私が興したユースティティアは今では、私の想定より、大きな組織となったいま、お前には荷の負担になるだろう…そこで、後継者にはナンバー2のロジャー・セラノになってもらう、無論、私の財産は、6対4で、6割をお前に受け継いでもらう、愛するアザレアへ、今後の人生に幸あれ、だとさ、後継者は、俺のようだぜ、お二人さんよ」



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