妹
皆様、久しぶりです。
久しく、忘れてる方もご面識ない方も、先ずは私はフィクサーと申します。
これまでのおさらいを。
ユースティティアに復讐する為、3つに別れてる、ボスの子供を中心とする保守派、組織のナンバー2を中心とした改革派、それら勢力に属さない穏健派の中の、穏健派に属する事を決めたのです。
その結果、その事を伝えたダマトは試合後、破門することを、Jプロモーションは契約破棄になりました。
試合はというと、ネルソン・フレジャーの秘蔵っ子、ビクター・タイソンを何と第2ラウンドで退けるという結果に、本来なら大喜びするところですが、ユースティティアの件で、素直に称賛出来ないムードだったんですね。
そのあと、拠点をデーモスクラトスからズィクタトリアへ移したスカーフェイスは、白野武に連れられ、BARルーストへ、行き、そこで、フォゲット・ミーノットと会います。
そこで、彼女に意味深な事を言われます。
一方、その頃、対戦相手でもあるダニエル・J・コーベット所属してる警察署では、スカーフェイスが親友である、マーク・ベスティ殺害幇助の容疑で逮捕することが決まり、試合後に身柄を拘束するという事が決まったのです。
そして、試合では、奮戦の果てにダニエル・J・コーベットに敗れ、その後、病院の検査を受けてから取り調べという流れですね。
これから、スカーフェイスがどうなるのか…それは、読者の皆様が拝見すれば分かります。
それでは、どうぞ。
※※※
「俺はマークを殺っていないし、それの手伝いもしてねぇ」
取調べ室で、警官と睨み合いながら、あの時の状況のことや、今のユースティティアとの関係を話し、弁解していたが、まるで取り付く島もない。
取り調べから5時間、位経ってからか…取り調べの警官が代わった。
ダニエル・J・コーベットだ。
試合が終わってから、そんなに経ってないのに、仕事熱心な事だ。
「試合、勝利おめでとう!」
俺は皮肉と称賛、2つの意味で伝えると、コーベットは、「そりゃどうも」と愛想もなく椅子に座る。
「そろそろ、認めたらどうだ? 取り調べも楽じゃないんだ」
「へっ、冤罪を被せられてホイホイ認める程、俺は弱くねーよ」
「じゃあ、お前が認めたら、ユースティティア本部にガサ入れし、奴らを別件の容疑とも立件すると言ったら、お前はどうする? 」
「何!? 」
「ユースティティアを壊滅させる…密偵から聞いてるぞ、お前はユースティティアに深い恨みがあると、お前が認めたら奴らの根城に捜査が入る」
コーベットの思わぬ提案に、俺は動揺した。
「それを飲んだとしても、あんたらは、上層部…いや、この国の政治家に止められて来たんじゃないのか」
「そこで、お前だ! 先代の忘れ形見の《《1人》》であるお前が、ゲロれば、その影響力から、政治家の連中の戯言も聞いたとしても、強制捜査にもつれ込むことだって…」
(俺が認めたら、奴らユースティティアを壊滅出来る!)
コーベットの言葉は、俺に取っては魅力的な言葉だった。
――――奴等を一網打尽に出来るなら―――
たとえ、冤罪だとしても――――――――
そんな考えが頭によぎった時、扉をノックする音が!
「ダニエル警部、失礼します!」
「何だ」
「実は…スカーフェイスを釈放せよと上からの命令が、降りたのでそれを報告しに参りました」
「馬鹿な!? どういうことだ! 」
「詳しい事は分からないのですが、とにかく、スカーフェイスを釈放せよとの事なんで…私に聞かれても…」
「俺は釈放なのか? 」
「ええ、こちらへ…」
「認めん!!認めんぞーーー!!!俺は!!スカーフェイス!!!いや、ガーベラ・バルベラーーー!!!」
コーベットの断末魔、如き、叫びが取り調べ室から、聞こえ、署内を出ると。
ブレンダン、タケシ、フォゲット・ミーノット、そして、ダマトのおっさんがいた。
「この野郎、心配させやがって! 」
「良かった、本当に良かった」
「スカーフェイス、身体は大丈夫なの? 」
「ふん! 裏社会と繋がっておるからこうなるんじゃ、だが…なんともないんだな」
「みんな…ああ、俺は大丈夫だぜ!この通り元気だ」
「あのね、スカーフェイス…」
「どうした、ミーノット」
「貴方に会いたいって人がね、あっちの車に乗っているの」
「俺に? 誰だろう」
車に近づくと、扉が開き、銀髪の美少女が降りてきた。
「誰だい、あんた、面識はないが…」
「初めまして…お兄様」
(お兄様だと、どういうことだ、俺に妹なんて…てっきり弟とばかりに思っていた)
「混乱されてるようですね、改めて、初めまして、ユースティティア先代の娘、アザレア・ガルベラです…お兄様とは、腹違いの兄妹ですね」
「うお、可愛い♡ スカーフェイス、お前こんな可愛い妹さんがいるなんてな」
話しを聞きつけたタケシが、一人、はしゃいでる。
だが、この子がユースティティア先代のボスの子供ということは…。
「あんたが、例の…」
「はい、先代の意思を引き継ぐ、ボス候補です…ああ…そんなに眉間に皺寄せないで、私はロジャーとは違うから」
もう一人のボス候補のロジャー・セラノか…、奴は欲望のままに生きてる、人間のクズだったが、この子は…。
「ねぇ、お兄様、少し話さない? 、初めての兄妹の対面だよ、積もる話だってあるでしょう」




