12 2015年10月13日のこと
「元、ごめん。起きて。」
ゆさゆさ、掛布団に包まれた僕の体は揺すぶられた。
うっすら目を開くと、美和が僕の顔を覗き込んでいるのが見えた。周りは明るい。朝・・・?
「な・・・に?」
「寝坊しちゃったの。申し訳ないけど、送ってって。」
「・・・はっ?」
こうして僕は、いつも通り、車で美和を幼稚園に送る事となった。
『寝る時もご飯も別々』のような事を言っておいて、ゆうべの夕飯も一緒に食べ、寝るのも結局同じ部屋でだった。
何だったんだ、昨日の話は。
僕の言った事は、全部無かった事にされている?
僕は運転しながら、一つ思い出した事を口にした。
「今日、火曜日って、幼稚園代休じゃなかったの?」
先週土曜日に運動会を行った。園児達の登園は水曜日だと、運動会の閉会式後にマイクを通して放送されたのを憶えていた。
「そうだよ。だけど私今日当番なんだ。出勤なの。」
「へー、そう。」一人で行くんじゃなかったの?と意地悪を言ってやろうかと思ったけど、改めて嫌味を言うのは億劫で、言わなくていいやと、僕は昨日の自分自身の言葉を反故にした。
美和は【死ぬまで出て行かない】みたいだし、もう僕が何を言っても無駄だ。
「送ってくれてありがと。昨日、あんな大見得切ったのに、私、結局元に頼っちゃって、情けないね。本当に、いつもありがとう。」
どきんどきんと僕の胸の奥が煩くなった。
昔から『頼る』という言葉に弱かった僕。どちらかと言うと甘えるのが好きで、甘えられた事は少なかった。
わーさんもいつも僕を甘えさせてくれたから、僕は頼りにならない人間だと自覚していた。
それだから、時々『頼りになるな、元は』とわーさんに言われる事があると、すごく舞い上がった。
誰も頼らないという事は自分の意志で決められる。でも、誰かから頼られるのは自分の意志ではどうにもならない。
得意な事、やってもいい事ばかりではなく、苦手な事、やりたくない事を頼まれる時もあるだろう。
それを『頼りになる』一言で許せてしまうのは、その相手を嫌いではないから、好きだから。
頼られる=役に立つ=必要とされる
そう思ってしまうからなんだろう。
好きな相手の役に立ったら嬉しい。必要とされたら、もっと嬉しい。
だから頼られたい。
美和に対して"好き"とかそういう感情は持っていないけれど、昨日あんな風に言った後で、いつも通り頼られた事は不思議と嫌ではなかった。
美和に対して、わーさんと居た時のような温かな気持ちはないけれど、それでも何故か、頼られてもいいやと思った。
美和を酷く突き放しても、どうせ結局、傍に居座られる気がするからかもしれない。
僕よりもしぶとい。女だからかな?
車を停めた僕が”着いたよ”と言う前に、「ありがとう」と美和が言った。
「・・・うん。」
「帰りはいいから。一人で帰るから。」
シートベルトを外して助手席のドアを開けながら、そう美和に告げられた僕は
「・・・・・・」何だか寂しかった。
バタン。
ドアを閉めた美和は、振り返りもせずさっさと職員玄関へ向かって歩いて行った。
何だよ。いつもはもういいって位、頭やら腕やらをベタベタ撫でて来たくせに。いや・・・決してそれを期待している訳じゃないけど。
美和がこうなった発端は、昨日の僕が言った事からだろう?
『出て行って』
言った言葉が、僕の心らしいものに、ちくんと小さな棘みたいに刺さって抜けない。
美和が言った通り、これからはお互い距離を取り、お互い甘えたり甘えさせたりせず暮らして行く───それでいい筈なのに。
あー、もう!
ピーッ!
僕はクラクションを鳴らしていた。
職員玄関目前で美和は足を止め、驚いたように振り返った。
そして運転席の僕を見て、どうしたのか?という表情を見せたので、僕は美和に見えるように、運転席の窓から右手を出し、大きく手招きした。
美和は自分の顔を指さして、左右を確認した。他に誰も居ない事が判って、車に向かって走って来た。
「はぁ、はぁ、何?元。」
開けていた運転席の窓から、美和は車の中を覗き込んで、忘れ物があったのかと確かめていた。
「帰り、何時に終わる?」
「え・・・?」
「買い出しついでに、乗っけて帰った方がいいだろ?」
今はまだスーパーが開いていない時刻だ。だからどうせまた後で来なくてはならない。
「でも・・・」
「何時?」
「多分、18時半くらい・・・」
いつも通り。
「分かった。」
「気を付けて。」
手を振る美和に向かって軽く頷いた僕は、車をバックさせて方向を変えると、幼稚園を後にした。
運転席の窓から吹き込む朝の風が、少し熱くなったと感じる僕の頬を冷やした。
やっぱり僕はどうかしてしまったのかもしれない。
わーさんを思い出さない時間を増やしたくないと思っていた。けれど、その時間イコールわーさんを忘れている訳ではないと思えて来たりもしている。
美和を優先している訳ではない。
僕が一番愛しているのはわーさんだ。
ただし、わーさんに何かをしてあげる事はもう出来ない。心の中で静かに想うだけ。
ただひたすらそれをしていれば、わーさんを愛していると言えるかといえば、そうではない気もし始めた。
わーさんの事を考えていない間の僕の中にも、わーさんへの愛は消えずに残っていて、その愛を秘めたまま、わーさんにしてあげられなくなった分を、誰かにしてあげる事が出来る。
僕の大好きなわーさんは、それを絶対喜んでくれる人だ。
人に冷たく接するより、人に温かく接する方が、この世にしあわせが多く生まれるから。
わーさんはそう言っていた。
意地悪からは何も得られない。自分も相手もいい気分ではいられない。
意地悪には親切で返せば、意地悪した相手もいつか気付いて恥ずかしくなる。そうしたら、一つ意地悪は消えると。
僕が昨日放った言葉も意地悪だった。正しいかそうじゃないかはともかく、美和にとっては冷たく聞こえる言葉だったろう。
顔も頭も冷やし、反省した僕は家に着くと、洗濯機を回し、その間に洗車して、布団と洗濯物を干した後、掃除機を掛けて、廊下の雑巾掛けもした。
ついでに窓硝子と網戸を拭いて、雑巾を洗いがてら洗面台を磨いた。
疲れたので、お風呂と台所のシンクとコンロは明日にしよう。ああ、換気扇もその内やらないとなぁ・・・
ふぅ。
僕はお茶を飲んで一休み。
ノートパソコンを持って来て開き、メールと株価をチェックした。
ついでに銀行口座の残高も確認し、何も問題なかったのでパソコンをしまい、時計を見ると後少しで11時半だったので、少し早いけどお昼を食べる事にした。
何にしよう。
今夜は魚かな・・・でも美和は肉が好きだから肉料理にしようか。
スーパーに行って、肉を見てからメニューを決めよう。
朝兼お昼はおじやにした。味噌汁の残りにご飯を入れて、卵を落として煮る。
くつくつ、ぐつぐつ、味噌の煮詰まる匂いが食欲をそそる。
火から下ろし、テーブルの上の鍋敷きの上に移動する。
刻み葱と揉み海苔を載せた熱々のおじやを、鍋のまま頂く。
コップに水とレンゲを用意して、「いただきます。」と、一掬い。
ふーふー、まだかな、もう少し、ふーふー、パクッ、ハフハフ、熱いけど美味しい。
喉を通って胃袋へ、あったかいのが動いてく。
この時僕は、またしてもわーさんより先に、美和の事を考えてしまった。
食いしん坊のくせに、寝坊して朝ご飯を食べられなかったから、お腹ペコペコだろうな。
今日は園児達がお休みだから、もしかして給食がないんじゃないか?
心配してもしょうがないけど。
お腹空いたー、とトホホ顔の美和が目に浮かぶと、笑いが堪え切れなかった。
取り込んだ洗濯物を畳むと、夕日がまだ沈まぬ内に家を出た。
ここ最近、一段と日が短くなったと感じる。
スーパーでゆっくり買い物したつもりだったが、17時半過ぎには車に買い物袋を積み込み終えてしまった。
約束まで後一時間もある。幼稚園脇に車を停めてそんなに待つのは不自然だろうと、スーパーから少し離れたリサイクルショップに寄る事にした。
リサイクルショップと言っても、ここの店は本が多かった。古本や中古のCD、DVD、ゲーム機などが並ぶ。
ゲームかぁ・・・昔、わーさんとやったなぁ。休みの前の日、徹夜した事もあった。随分前の話だけど。
わーさん・・・
懐かしく感じるゲームソフトを手に取って、彼の顔を思い浮かべた。
夜中、二人でゲームをやっている所を思い浮かべてみると、突然後ろから割り込んで来た客がいた。
美和だった。
僕ら二人の間に入り込み、「お夜食だよ!」と皿におにぎりを載せて、コーヒーマグ三つと一緒に大きなお盆に載せて運んで来た。
「食べよー食べよー。」と、美和は僕らがコントローラーを持つ手にそれぞれおにぎりを押し付けて来る。
わーさんは少し笑って受け取った。
仕方ないので、僕もゲームを中断しておにぎりを受け取る。
「これ、何?」
「コーヒー、ブラックだよ?」
「はあっ?おにぎりなら普通お茶じゃないの?」
「えー?そんな決まり無いし、和食とコーヒーって合うってテレビで見たよ?」
「まあまあ、元。折角だから頂こうよ。ありがとね、美和ちゃん。」
「わーさんはそうやっていつも美和を甘やかす。」
「わーさん、やさしいから好き!元は意地悪!」
美和はわーさんの腕に頭を寄せた。僕は嫉妬する。
「美和、僕のわーさんに触るなよ。」
「いいじゃない。ケチ!みんなのわーさんだもんね!ねー?」
「ははっ、元は、美和ちゃんの前だと子どもみたいだな。」
「もーっ、わーさんまでそんな・・・もういいよ!」
「拗ねるな、元。」
わーさんの左手が伸びて、美和を通り越して僕の頭を撫でる。
僕と美和はわーさんの子どもみたい。
「いいなー、元。わーさん、私も。」
はいはい、とわーさんは、今度は美和の頭に手を置く。
僕にとって、わーさんの前での美和は、憎たらしい妹みたいだ。
二人の時はそんな風に感じないのにな。どちらかと言うと、僕を甘えさせてくれる方。
わーさんが居ると、美和もわーさんに甘えるんだから───って、あれ・・・?
美和がわーさんに甘えるなんて事は、おかしい。無いよ。
だって、美和は生きているわーさんに一度も会った事が無いんだから。
ざあっ・・・全身を廻っている筈の血が、いっぺんに足元に落ちたみたいに感じた。体が冷たい。
そうだ。美和はわーさんに会った事もない。
わーさんには、二度と、会えない。美和も僕も。
その事実を思い出した途端、僕の心は温かさを失った。
ゲームソフトを棚に戻し、ショップから出た僕は、冷たい風を頬に受けながら、真っ暗になった空を仰いだ。
あの星まで行っても、わーさんには会えないんだ。
絶望色した空にこのまま吸い込まれたくなる程の悲しみが僕を包む。
会いたい人に会えないつらさ。
つらいよ。他にもそういう人が沢山居て、僕だけじゃないってそれは知ってる。
でもこのつらさは、どうしても消えないよ。他にどれだけつらい人が居ようとも。
ポケットに手を突っ込んだ。チャリ・・・車のキーに触れた。
はっ!そうだ、美和。
今何時だ?
腕時計をしていない僕は、車に乗り込み、エンジンを掛けた。車の時計は18:09、そろそろ幼稚園に向かおう。
幼稚園に着いたのは18:22だった。
園舎の灯かりは消えている。美和は?と見ると、車の前に黒い影が現れた。
その影はそのまま助手席側に回り込み、ドアに手を掛けた。
ガチャッ。
「元、来てくれてありがと!」
バタン。
乗り込んだ美和の顔を見ると、両側のほっぺたは塗ったみたいに丸く赤くなっていた。おまけに鼻の頭も赤い。まるで酔っ払いメイクを施した芸人のようだ。
指先も悴んでいるのか、上手くシートベルトを掴めないでいる。
「何やってんの。」
僕は一旦自分のシートベルトを外し、助手席に乗り出すと、美和のシートベルトを締めた。
「ありがと。ごめんね。手が・・・」
「まさか、外で待ってたの?いつから?」
「あ、うん。少しだけ。」
「何時に終わった?正直に言え。」
「18時頃。今日は、お迎え遅れた人が居なくて。」
主に両親が仕事の園児達を18時まで幼稚園で預かっているらしい事は知っていた。
「早く終わったなら、どうして電話しないの?」
リサイクルショップに寄らずにスーパーから直接ここに来ていたら、美和を外で待たせる事は無かったのに。
「なんか、図々しいから。」
「今更。」
「そうだね、ごめん。」
しおらしい美和を見るのは苦手だ。
この場合、悪いのは美和?それとも僕?
よく分からないけど、「とにかく早く帰ろう。」と僕は車の暖房を強くした。
スーパーで買った食材は保冷トートバッグの中だし、後ろの座席の下にあるから大丈夫だろう。
「ごめ・・・ありがと。」
「うん。」
“ごめんね”ではなく、”ありがとう”と聞いた途端、絶望色の空に吸い込まれたいと考えた気持ちが、霧のようにサッと消えた。
僕は、美和の”ありがとう”を、わーさんにも聞かせたかった。
その晩、お風呂と食事を済ませ、後は寝るだけとなった午後10時過ぎ、
「美和、話がある。」と僕は布団の上に正座した。
「・・・はい。」
同じく、僕の隣に敷いた布団の上に正座して、向かい合った美和は首を竦めた。
「お互い干渉しない生活をするって言ったよね。」
「はい。」
いつもなら”うん”と返事をする美和も、昨日の今日だからなのか、どこか畏まっている。
「僕は無理だ。」
「え・・・」
「だから───」「嫌!出て行きたくないです!何でもするからここに置いて下さい。お願いします!」
美和は膝の前に両手を揃えて、頭を下げた。
「・・・・・・」
「元?」
「ぷっ、くくく・・・!」
僕は笑いを堪え切れなくなった。美和は僕が再び”出て行け!”と言うのだと怯えていたようだが、違うのに。
「何?どうしたの?」
姿勢を正した美和に訊かれ、僕は本題に入った。
「お互い干渉しないのは無理だから、ここで一緒に暮らすなら、遠慮するのやめよう。思った事は我慢せず伝える。希望も不満も隠さず正直に。僕は、美和が言われたら嫌だろうなと思う事も、正直に言うようにする。言わずに溜め込んで、後で発覚したり発覚前に爆発したりしたら嫌だから。勿論、水に流せる事は流す。ただ、今日のは違うと思ったから。」
「今日のは違うって?」
「最初から迎えに行く約束をしてた。だから遠慮なんかせずに、時間が変わったなら変わったで伝える事。場所も然りだ。」
「ごめんなさい。」
「体を冷やして風邪を引かれたら、僕が迷惑だ。」
「はい。」
「干渉しないなんて無理だよ。一緒に暮らすんなら。」
「・・・うん。」頷いた美和は、手で口を押さえて、俯いたまま肩を震わせた。
「泣くな。」
「泣いてません!」
そう言って美和は、両手の甲それぞれで、左右の目を、ぐいっ、ぐいっと力強く拭った。
睫毛に涙が光ってる。やっばり泣いてたんじゃないか。
「それから、嘘も禁止。」
「えーっ?それはちょっと・・・」
「僕に嘘吐く必要ないだろ。」
「例えば、おならしちゃった時とか。」
「はっ?」
「おならした?してないよ・・・的な。」
「二人しかいないんだから、訊くまでもない。最初からバレてる。」
「あちゃー、そっか。元、頭いいもんね。」
「頭の良さとおならは関係ない。二人しかいない部屋で臭くなったら、どちらかの仕業だろ。」
「分からないよ?カメムシだった、とかさ。」
「とにかく、遠慮と嘘は必要ないから。分かった?」
「はーい!」
今度はにっこり笑って返事をした美和。
やっぱり、泣かれるよりは、笑ってくれた方がホッとする。
「電気消すよ?」
「はーい、OKです。おやすみなさーい。」
「おやすみ。」
パチッ。電気を消した僕は、仏壇をちらと見た。
わーさんの写真は見えない。でも、心の中で”おやすみなさい”と唱えた。
“おやすみ”と返って来た気がするのは、僕の心が穏やかになったからだろう。
これでいい、これで良かったんだと思う時、わーさんもうん、と頷いてくれている気がするから。
やっぱり僕は、わーさんが僕の事をどこかから見守ってくれていると思っていたい。
別れの瞬間の後悔は消えないけれど、少しずつ和らいで行くような気がしている。
あの時をやり直せたらと考えた事もあったけれど、どうしたって、悲しいのは悲しいんだ。
人と人が別れる瞬間というものは、出逢った時から生まれてる。
一期一会、長く一緒に居ると忘れてしまいそうになるけれど、そういう事を忘れてはならない。
家族、友人、同僚・・・今、隣で眠る美和だって、いつ別れるか分からない。突然だったりするかも。
僕が先に死ぬか、美和が先に死ぬかも分からない。
恋人でも夫婦でもない僕らは、どちらかの死に対して、これからも一緒に暮らすつもりなら話し合っておくべきだと考えた。
近い内に、僕の死後の手続きに関しての資料を纏められたら、美和と話そう。
この家の事、お墓の事、僕の実家の家族の事、
例えば明日、僕が突然死んでしまっても、美和が何も困らないように。
まだ死ぬつもりはないけれど、備えておくに越した事はない。
人生80年なら、後35年。今まで生きて来たより短い人生なのだから。
80歳まで生きられるとは思ってないから尚更だ。
僕は、後何年生きたら、わーさんに会いに行けるのだろう。
次の日から、またいつも通りの生活が始まった。
起きてご飯を作って食べ、車で美和を幼稚園まで送り、帰って来たら掃除洗濯、そしてお昼の後、しばらくパソコンを弄り、洗濯物を取り込む。天気が良ければお墓の掃除もする。夕方、車でスーパーに向かい、食材を買って、美和を幼稚園に迎えに行き、帰ってから夕食、お風呂、テレビのニュースを見たりして、その後就寝。
こんな感じで、今日も一日終わってしまった。
僕の死後の事とか、考えてる余裕は無かったな。それについて美和と話す余裕も・・・
美和の送り迎えや買い物のない日曜に、纏めて調べる事にしよう。
葬儀はやらなくていいし、火葬の手配だけして貰って、ああ、そういう会社に委託する契約結んでおいた方がいいかどうかは・・・美和に訊いてからだな。
うーん・・・わーさん、一人でこっそり調べて準備するのは結構大変だったんだろうなと、しんみりしながら眠りに就いた。