呂律と頭が回らない大将 3-3
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男性隊員1「あれ、そういえばうちの噂の元凶ってほとんどが、っていうか全部うちの司令官のせいじゃね?大男だとか捕まったら殺されて埋められるとか、なんでもできるとか・・・。」
アリー「ああ、そうだよ?情報のかく乱って名目でほいほい嘘情報を流してるのさ。テロリストとかに捕まってるのから解放したジャーナリストにも、普段のおちゃらけぶりからは想像できないほどに真面目に・・・あー大将って眼鏡外してお仕事モードになるとすごい真面目になるじゃん?まあ呂律は相変わらず回らないけど・・・。まあそのお仕事モードの時よりもキリッとした顔で、ジャーナリストにかっこつけるからさ~。そのせいで何でもできると思われてるのよ。まあ実際何でもできるけどいつもやる気がないからね~。そんで変な噂がほいほいでるのさ。そんでたまーに、俺は何かの使者かもしれないよ?とか、俺は神ではない、神を超越するものだ。とか言うもんだからますますややこしくなるんだよね~。いつもかっこつけて考えなしに言っちゃうから・・・。だーから新入隊員に失望されちゃうんだよねえハハハ。」
呆れて笑うアリーに対し、周囲はというと・・・
「いや、あの人なにしてんの。」
まさにその通りである。奴はフリーダムフォースの看板。その看板が形や文字をやたらひょいひょいと変えるので、様々な噂やら憶測が生まれたのである。だから皆さん、看板をつくる際は、しっかりしたものを作りましょう。変な形や文字は禁止ですよ?
もうその場は冷めている。熱気もない。ただ一同の頭の中に浮かんだのは、
(((うちの司令官、なんとかしないと)))
で、ある。いやほんとそうだよ。改心が必要なのは司令官なのでは?
アリー「んまあそんな美味しい日々が続くことはなかったさ。今はこの作戦、あんまり使われてないからな。まあ公開処刑動画でもこの疑似血液弾を未だに使うのは、ソレっぽくみせるのが目的でな。」
女性隊員3「そういや作戦には使われてないね。なんでだろ。」
アリー「それがな・・・嘘ってのがばれてな・・・」
「「「えー!!!」」」
驚愕する聴衆たち
「まさか・・・大将がなんかやらかしたんじゃ・・・」
「あ、言えてる。でも、そんなヘマするかな・・・」
「わからん、うちの司令官普段はポンコツなところが多いし・・・」
なぜか納得されそうな現場・・・。やはり奴は変な方向に信用されてない。それでいいのかフリーダムフォース。やはりアルメガには改心が必要である。
アリー「おいおいちょっと待てよ。確かにうちの大将はポンコツで呂律が回んなくて、おまけに訳の分からない言動ばっかしてる変人だけど、嘘がばれるような大ポカはしないさ。多分・・・。」
「いや、多分って・・・しかも結構悪口言ってる・・・。」
ますますなんか変な風になってる現場。おい、やっぱりポンコツ大将の改心を求む。早急にだ。
アリー「ああ悪い悪い。ついふざけちまった。ばれるのは時間の問題だったんだよ。むしろここまでよくばれなかったなって大将たちは言ってたぞ。なんでかわかるか?」
「「「さあ・・・。」」」
アリー「激しい戦いの割に、建物や周囲の損壊、というか被害が少なかったんだ。しかもクライアントに送った死体の画像はどれも五体満足で、体の一部さえ落ちてなかったんだ。不自然だろう?それで遂にクライアント側が怪しいって言ってきてな。戦闘を映像で送ってこい言われたよ。まあ機密保持という名目で最初は断ってたんだが・・・。ある日クライアントが戦闘後の戦場をこっそり調査してな。それで現場に残ってた血液を回収して解析、それで疑似血液ってのがバレたんだ。疑似血液は時間経過によって変色ののち蒸発するんだが・・・。まあ全部消える訳じゃないし、やっとバレたかって感じだな。そんでどうなってんだと聞かれたんで、無力化したのち回収したって言ったんだよ。契約違反だと散々騒がれ上に報酬を返せと言われちまったよ。まあこっちはこっちで契約の事を世間にばらすと言って脅してやったけどな。まあそれっきり依頼はしてこなくなったな。そういえば最近、テロリストを回収して仲間にしてるって噂があるだろ?まあそんな事はあり得ないって世間じゃあんま信じられてないが・・・。各国政府は大真面目にこのことを分析してるらしい。どんどん組織が大きくなってるから、信憑性はあるってよ。まあさっき言った残虐な方の噂の方が強いけどね。なんせ刺激的な話の方が面白いからね。」
女性隊員2「そうだったんですか・・・。でも、それだと不殺ですね。まあ良い事ですが・・・。」
アリー「さーてこっからはかなり黒い話をするぞー。お前ら、心して聞けよ。」
(((ごくり・・・。)))
聴衆はしずかに息を吞む。