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呂律と頭が回らない大将 2-2

これはpixivにも投稿しています

場面は変わってここは演説会場。大将とアリーが演説の準備をする。


大将「おい、今日も?疲れた・・・。( ノД`)シクシク…」


アリー「今日も演説です。前回からまだ5日しか経ってませんが、頑張って。」


大将「最近多いな・・・ぐえ・・・。だるいよん・・・。。( ノД`)シクシク…」


アリー「はい、そんな変な顔しない。ボス、頑張って。普段あまり仕事しない分」フッ


ニヤニヤするアリー


大将「(´Д`)」

  「はぁ・・・。チックショー・・・。」


コッコッコッ・・・


壇上に登る大将


「あれが・・・司令官」


「小せえな、本物か?大男じゃねえのか。」


いつも通りの反応


慣れたように大将は話を始める


大将「えー・・・。どーも司令官のアルメガです。正直演説のし過ぎ、その上ネタ切れで困ってます。まあいい、数少ない真面目にやる仕事だ。ご期待に応えられるよう頑張ろう。」


「あれが司令官かよ・・・。」

「本当に変人っぽいな」


いかにもやる気のない大将の態度に呆れる聴衆


大将は気にせず話し続ける。


大将「ここはフリーダムフォース。人が堕ちる最も深い所・・・ある使命を果たす為にここにます。といってもまぁ自分の欲なんだけどね。今ご存知の通り世界は平和と言われています。世界大戦なんてないし目立った紛争もない。いや~実にいいよね~。

どっかの国の国民は銃撃爆撃の毎日、または明日を生きる為にテロリストになり、またある者は違法薬物を作り、悪者と呼ばれる。やりたくないけどそうしねえと明日を生きられない。もっと酷いやつはまだ子供のクセに銃を持ってんだ。拉致されて家族と離されて悲しむ間もなく戦い方を教わるんだ。ホントはみんな学校やら家族と過ごしたいのにな。」


淡々と話す大将


「まあ・・・確かにそうだな・・・」

「俺たちだって好きでテロリストなんて・・・」


大将「回収した難民や元少年兵の連中の夢を聞いてさ~、これがまた凄いんだよ。誰も考えないようなすんごい夢よ?家族と平和に過ごす。勉強する。学校に行く。お医者さんになる。だってよ。お医者さんは普通の夢よ?しかし理由が凄くてな。家族の病気を治す。家族がもう病気にかからないようにいつでも診てあげたいってよ。分かるか?自分のためじゃなくて家族のためよ。俺なんて自分の構想する未来が見たいからっていう自己中だぜ?そんな連中が何人いると思う?」


「ぐ…何も言えん…」

「まあ俺だって平和に暮らしたいさ。でもなぁ。金がねえしなぁ。」

「え・・・知らないな・・・」

「沢山いることは知ってるが・・・」


大将「シリア難民だけで「1100万人以上」だ。これが分かるか?例えば平和ボケしてるある国の愚民どもは人口何人いる?「1億2600万」だ。実に10分の1だ。こんだけでも多いと思うよな?」


「…確かに多いな…」

「そんないたのか…」


大将「シリアの人口、シリア内戦が始まる前何人いたと思う?「2200万」だ。実に半数以上の国民が難民だ。さっき言った国でいうと実に6300万人が難民だ。」


「なんて数だ…」

「あぁ…」


大将「しかもよぉ難民つっても種類があんだ。国外に逃れるやつを難民だと思ってるだろうが、実は違う。そいつらは運がいいやつらだ。うまーく逃げられたんだからな。他のやつはどうかって?国内避難民ってやつだ。つい3~40年前まで国連が無視してたな。シリア国内避難民って何人いるか知ってるか?」


「「「…」」」


大将「「525万人」だ。・・・はぁ・・・シリア国民の4分の1で、シリア難民の半分だ。国外に避難できたやつぁ運がいい。難民申請されて通ればちょいと平和な生活が出来る。中にはスマホ持ってアパートに住んでるやつもいる。ひでえよなぁ、同じ難民でもここまで待遇に差があるんだ。俺も昔、難民がいるのは知ってたし、関心もあった。でも支援しようとしてもやり方が分かんねえから出来なかったよ。でもまあ外出して、募金箱がありゃ必ず募金してたな。たった少しでも、小さなお菓子を買えるお金でも救える命があるらしいんだ。」



「そうだったのか・・・知らなかった。」

「俺もだ・・・。」


大将「実に平和だよなぁ。こんな事が起こってんのに世界は平和だとよ。確かに戦争が起こりまくってた19世紀、20世紀よりかは平和よ。ただ、全世界が平和とは限らねえ。あぁそういやよ、シリア難民含めて、世界には難民が何人いると思う?「7000万人」だ。ふざけんじゃねえ。こいつらがちゃんと勉強して生活して働けば、とんでもねえ労働力が生まれる。中には政治家が出るかもしんねえ。地獄を、底辺を味わったやつはエネルギーが凄い。単に体を動かすエネルギーじゃねえ、未来を動かすエネルギーだ。ぜってー普通の生活はしねえ。何かするはずだ。良い事も悪い事もな。」


「すげー数だな…」

「国の人口くらいいるじゃねえか…」


大将「俺らはその場所を、機会を提供する。クソみてえな現実を打開する力を与える。俺らは世界を変えろと言われた。まずは国を変えろと言われたが、面倒だからテキトーにやってここに来た。世界は、のうのうと暮らしてる世界の愚民どもは目をそらしてるか、無知だ。明日を生きる為に今日をせわしく生きている。そんでもってギャーギャー騒ぐ。自分を棚にあげ、他人の批判しかしねえ。メディアは捏造と誇張を繰り返して、面白おかしく報道してやがる。真実ではなく、やつらが流してんのは醜態と誤解だ。俺みてぇな馬鹿なやつはすぐ流されちまうから困る。」


「そんなことが…」

「あいつでもそんな事があったんだ…」


大将「世界をぜってー変えてやる。後ろ盾だって十分ある。強大な後ろ盾だ。国連は腐ってやがる。難民などの立場が弱い連中を支援する国連の機関はいいさ。そうじゃねえ。もっと根幹の部分。そして一番てっぺんの所だ。そこが大国に忖度をする。おかげで会議は進まねえ。俗に言う、会議はおどる、されど進まず、だ。冷戦は終わった、しかし新しい冷戦が始まった。今も東西に世界は分かれてる。俺らはそれを終わらす。いや、恐らくまた新しい東西冷戦を作っちまうかもしれない。でもいいさ、今の世界のルールやら風潮がうぜえんだ。くそったれだ。頭にくる。だから変えようと頑張る。勿論、正義を語る気はねえ。大儀もねえ。ただ、俺たちは変えたいからここにいる。話し合いじゃぜってー変えられん。」


身振り手振りで感情を表現する


大将「だから暴力に訴える。世間は駄目と言うだろう。死ねと言うだろう。じゃあどうすりゃいい?このよく分かんねえ世界はどうやって変える?昔からそうだ。互いを理解するのに必要なのは拳だ!殴り合いだ!お互い拳を交える事が、一番互いを理解する手段だ!だからハッキリ言おう。俺たちは悪だ。悪者だ。だからテロ組織と名乗る。だがまあ俺としちゃあ、むかつく正義も悪もぶっ飛ばす、無ってのが目標だがな。無ってのはな、正義も悪も取り込む、または消しちゃうやつさ。意味わかんねえよな?俺もだ。だからもう今んとこは俺たちを悪って認識でいいぜ。無ってのはそのうち分かってくるさ。後は・・・まあなんだ、裏切るなよ?裏切られても俺たち処刑とかしねえからさ。何か迷いがあんならいつでも相談してくれ。それから死ぬな。死なれると俺たちが悲しくなるからな。こんだけ人数がいるから1人くらい、なんて思うかもしれねえがそれはバカな考えだ。とにかく生きろ。そうすりゃなんか良いことあるさ。だから人生を諦めんな、いいな?

ここは、自由に何でもかんでもやってみる場所だ。だから自由な軍隊、フリーダムフォース(自由軍)だ。頼りねえ司令官だが、よろしくな!(´▽`)、以上だ。」


「あれが・・・司令官」

「どうする・・・?信用出来そうか・・・?」

「どうだろうなぁ・・・俺は頭わりぃから難しい話はよく分からん。だが、なにか感じる。希望のような・・・。」

「俺もそうだ。もしかしたら捕まって良かったのかもしれないな。」

「まだ半信半疑だが、もうここまで来たならしょうがねえ。それに、もう外の世界には戻れんさ。」

「夢のある事を言って騙す。そんなこたぁ前の組織でもあった。だから脱走する者も多かったんだ。まあ…殺されたがな、そんな奴は。ここは…どうだろうな、少し様子でも見るか。」

「結局やることは前いたところと変わらんな。でも、あの人の・・・この組織のためなら働ける気がする。」


演説後


アリー「今日は内容を変えましたね。やる気はなくなってるように見えましたが・・・。」


大将「そりゃもう疲れたよ。演説多いからね最近。内容は・・・んー・・・。なんでだろうな・・・。今の現実を知ってほしくてな。みんなちゃんとした生活ができれば、紛争なんて起こらねえんだ。オメーだって、この紛争が終われば国を支えるんだ。分かってるな?」


アリー「えぇ・・・。そうですね・・・。自分も、まさか他の生き方があるなんて思っていませんでしたから、昔は。必ず終わらせましょう、この戦いを。」


大将「あぁ・・・。」

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