呂律と頭が回らない大将 1-2 修正2021/09/03
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アリー「あ!ボス!お疲れ様です!みんな待ってますよ!」
大将「んー。お疲れさん。さて、行くか」
ここは、演説会場。といっても外に作った簡単なものだ。簡単な壇上に大きなスピーカーがあるだけである。不定期に入隊してくる隊員たちに、定期的に司令官である大将自ら演説をするものである。
「おー・・・ボスだ。」
「あれが俺たちの司令官か・・・案外小さいな・・・。それに・・・若いぞ。」
「噂とはずいぶん違うようだな・・・。」
「偽者じゃないよな・・・。」
「俺・・・会った事があるが、あんな感じだな。頭に防具つけてたから顔はわからないけど・・・。」
「おいおい・・・本当かよ・・・。見た目がな・・・なんか変な格好してるし・・・。」
「鉢巻に・・・マントっぽい大きなコートに・・・軍服っぽいの着てるな。」
「なんかイメージと違うな・・・やはり情報は曖昧だったな。さて、どこまで本当なのか・・・。」
がやがや・・・がやがや・・・
大将「・・・随分な言われようだな。まあ、無理もない。」スッ
眼鏡を取って仕舞う。
アリー「まあそうですね。最初だけですよ。自分だって、最初あなたが司令官って知ったときはバカにされてるのか思いましたからね。まあ今は思っていませんが。」
大将「あの時は大変だったな。懐かしい。さて、今日は何人だ?」
アリー「今日は124人です。」
大将「そうか・・・。1週間ごとにやってるのにこんだけ多いのか・・・。まあいい。俺の夢は、多い方がいい。」
アリー「では、頑張って。」
スタスタ・・・。コッコッコッ・・・。壇上へのぼる。
大将 スッ ポンポン。キー!
大将「よし、マイク入ってるな。やあ諸君、は、初めましてでも、そ、そうでないも・・・も、者も、どうも。はぁ・・・。すぅ(深呼吸)・・・俺のスピーチは長いし、呂律は回らないし、滑舌も悪いからよく聞き取れんかもしれん。まあそんな大した話じゃあないから、楽にしてくれ。」
「なんだ・・・上手く喋れないじゃないか。」
「ガッカリだ・・・。」
「ああ。」
「あんな若造が司令官?ふざけてる。」
ざわざわ・・・。がやがや・・・。
大将「ふっ、まあそうなるよな。そりゃそうだ。ちんちくりんで上手く喋れない司令官なんてどこにいる。しかも若い。俺は若いからな。最初はみんなそんな反応するさ。だが、俺の事はいい。諸君らも薄々気づいてると思うが、この組織は何も俺だけの力だけで成り立ってる訳じゃない。それぞれがしっかり仕事して成り立ってる。噂は嘘だ。諸君らが思ってるほど俺はすごいやつじゃない。俺は形だけの司令官だ。周りにやれと言われたからやってるだけだ。執務だって少ししかしてねえし、不真面目だ。そんな俺だが、なぜか部下たちがついてきてくれる、不思議なもんだ。なぜだろうなぁ、ただ俺はやりたいことをやってるだけなのにな。
さて、本題といこう。ここは別に夢の詰まった場所じゃねえし、凄い事をしてるなんて思ってもねえ。夢はお前たちが自分で持つものだ。俺たちは与えねえ。ここはなぁ、正義も大儀もねえ。ここにる人間ってのは、底の底まで落ちたやつだ。ここは一番深い底だ。ここより下はねえ。だから上をみて這い上がっていくだけだ。変わりたいと思う奴の背中を押すだけだ。世界の端っこの忘れられた大地で、忘れられた人間たちが集まるとこだ。記憶からじゃねえ。例えば、難民や軍人がいる事は知ってても、実際詳しくは知らない、大多数の奴はな。そして俺たち一度犯罪者になった者たちに、もう未来はねえ。そりゃそうだ、テロリストだもんな。一度道を外した人間にはもうチャンスは与えられん。そして、難民のような立場が弱い連中も未来は薄い。しかもここにいる難民ってのは、逃げたくても逃げ切れなかった運の悪い連中だ。そうした様々な世界より忘れられた連中が集まる。だから誰もが来ていいような場所じゃない。弱者は弱者、罪人は罪人、一生だ。気に入らねえ!」
ビクッ・・・!
突然の大声にビックリする新入りたち。




