呂律と頭が回らない大将 3-7
これはpixivにも投稿しています
アリー「フリーダムフォースもできたばっかで、持ってきた装備はレベル3技術の戦艦1隻と個人用装備一式。それからレベル1技術の個人用装備一式に弾薬、予備部品、小型車両16両に重装甲バイク18両、多用途ヘリ4機、戦闘ヘリ6機、攻撃機4機、多用途戦闘機6機、戦車6両、歩兵戦闘車4両、自走砲4両だったらしい。」
女性隊員2「いや~さすがだね…」
女性隊員3「うん…」
「まあこの組織も上官たちのポケットマネーで運営してるしな。」
「でもやっぱスケールすげー…」
アリー「しかも、これらの兵器はすべて大将たちの自費で揃えたってな。もっとも、戦艦造った時点で資金がかなり減り、今紹介したものしか積めなかった。戦艦に関しては基本戦闘禁止で、戦闘支援や装備の整備、治療くらいなら出来たらしい。まあとにかく直接戦闘でなければオーケーだ。個人それぞれの装備は充実していたが、レベル3のものは知っての通りよほどの事がない限り使えない。レベル1のものを使っていたから、もちろん無敵ではない。しかもそのときは敵や難民を回収する暇も輸送トラックもなかったから、当然敵と戦ったら残るのは敵の死体だけ。移動は4人乗りの小型車両か、重装甲バイク。多目的ヘリもたまにしか使わなかったらしい。まあ貴重だからな。さて、本題に入ろう。まずはシリア、ここでは色んな勢力がいたから、依頼はすぐ入ってきたらしい。それで出撃の時、特に異常はなかったらしい。普通に戦って敵に血を流させて、成功して帰還。報酬を受け取った。アフガンとかの時と同じ感じだ。ここまでは普通と思うだろう。まあ待て、お前らは少年兵がいるのを知ってるな?」
「ええ・・・拉致されて無理矢理訓練された子供たちですよね・・・俺たちが・・・。」
「ああ・・・あいつらか・・・ここにもずいぶんいるよな・・・。」
男性隊員1「あの時は一人でも戦力が欲しかったからな…かといって許されることではないが・・・。」
アリー「ああ、その可哀想な連中だ。これからする話は、当時の戦闘の映像を見た俺の記憶と、大将たちの話から作ったもんだ。」
アリー「ある日、町に陣取るテロ組織を潰してくれとの依頼があってな。そこへ向かった大将たちなんだが・・・なんと少年兵がいてな。最初はみんな困ったらしい。いくら敵とはいえ、子供を手にかけるのはマズイって思ったらしい。当初は子供を避けて大人を攻撃してたんだが・・・。敵はそれに味をしめたのか、少年兵をさらに前進させてきた。元テロ組織のやつなら分かるだろう?子供は洗脳しやすいし、恐怖を持たない上に最前線で戦う、まさに完璧に近い兵士。彼らは複雑な思考がまだ出来ないから、操りやすい。俺も少年兵を教育したことがあるよ。彼らは純粋で従順だ。染めるのは非常に簡単だった。テロ組織から解放されてもなお、彼らの心はテロリストだ。これは10年以上前から問題になってたな。」
「「「・・・。」」」
誰もが黙った。いや、誰も口を開けられなかった。口は溶接されたの如くしっかりしまり、呼吸も鼻でしかできなかった。
アリー「さて、そん時どうしたと思う?戦況は膠着状態。このままじゃ埒があかない。さあどうしたと思う?」
「撤退したとか・・・?」
「いや、非殺傷武器で無力化したとか・・・?」
「あーなるほど。じゃあそれで。」
「私も~」
「んじゃあ俺も」
アリー「正解は、殺したよ。」
「「「え・・・?」」」
誰もが驚いた、あまりの以外な答えに。
「え・・・ど、どうして・・・?」
「そ、そうですよ!」
アリー「・・・まあ当然の反応だろうな。確かに非殺傷武器があれば殺すことは無かった。…が、当時は無かったんだ。戦闘は多いし、装備は少ない。無力化しても回収は出来なかったし、それに何より、あの時は非殺傷火器の弾薬よりも殺傷火器の弾薬を多く必要とした。当時は人数も少なく資金もそんなに無かったからな。証拠映像も必要だったし、手っ取り早く資金が必要だった。証拠も今や前みたいな姑息な事をやって偽装する余力も無かった。アフガンの時と同じよう、自分達の価値を証明する、偽善に生きない事を証明する必要があった。俺も映像で見て驚いたんだが、これを実行したのは誰だと思う?大将だった…。」
「「「えええええ!!!???」」」
「な、なんで!?」
「嘘だろ?大将が!?嘘だぁ!」
「信じられん・・・あんだけ命を大事にって言ってる大将が・・・。」
アリー「・・・そうだ。そのシーンの中でもみんな驚いてた。大将だけが、黙々と殺したんだ、全員な。なんでかと聞いたよ、その場にいたものは。俺も映像を見ながら、なんで!?って叫んだよ。そしたら大将はなんて言ったと思う?子供だろうが関係ねえ。相手は一端の兵士だ。一瞬ためらったが、奴らも立派なテロリストだ。それに・・・子供は単純だから、一度洗脳という名のプログラム変更されると、後で再変更を行うのが難しい。そういう面では大人より厄介だ、ってね。」
「・・・。」
「確かに・・・あいつらは純粋だ。そのおかげで、今も改心というか、再教育が難しい・・・なんて事だ・・・。」
「なんもいえねえ・・・。俺には大将を非難する事が出来ねえ・・・。」
アリー「途中で大将が映像止めてな。言ったんだ。俺は誰よりも命を軽く扱うかもしれん。理想に生きる気は無い。現実もしっかり見る。命は軽くも扱うし、大事にも扱う。両極端なんだな・・・。でも、軽くといってもテキトーには奪わねえ。しっかり殺すって認識をして殺す。相手が大人だろうが子供だろうが、小動物だろうが植物だろうが関係ねえ。目の前にあるのは、ただ一つの命だ。この世は弱肉強食だ。でも、俺らは奪った命の分もしっかり生きる。そんで今ある野望を果たす。勿論、奪っていい命なんてねえ。だが、命を奪わねえとほとんどの生物は生きる事が出来ん。明日を生きる為に目の前の命を奪う。だから、自分が毎日何かしらの命を奪って生きてるって考えろ。まあいつも考えなくてもいいさ。無意識でも、ふと思い出してくれたらいいさ、ってね。もう何も言えなくなったよ。」
「・・・確かに、毎日命を頂いてるな。何気なく食べてるご飯にも…命があったんだな、そういえば・・・」
「だから頂きますって言うのか・・・」
「そうか・・・命を頂きます、か・・・今更意味を思い出したよ・・・」
アリー「まあこのくらいだな。初期のフリーダムフォースはとにかく色んな仕事をしたらしい。暗殺任務に武装組織の殲滅。少年兵を殺したのだって1回だけじゃねえ、何度もだ。だから何度も依頼が来たんだ。子供も殺せる武装組織。自分たちで手を汚すこともない、非道なのは殺した連中。クライアントからすれば、これほど扱いやすい依頼先は無かっただろうな。俺も大将たちに会う前は、とにかく怖かったよ・・・。子供も容赦なく殺すやべー連中だって、生き延びた仲間が言ってたな・・・。」
「確かに・・・ヤバかったな。無敵で仲間も次々とやられて・・・遭遇しねえのをいっつも祈ってたな・・・」
「ああ・・・なぜかテロ組織だけやけに攻撃してて、こっちにもいつ来るかビクビクしてたな・・・」
アリー「あ、そういや、ここでは戦闘であえて敵を逃がすのに、アフガンではなんで逃がさなかったか教えとこう。」
「あ、そういえば・・・」
「でもあの時はあまり有名じゃなかったし・・・それに非殺傷武器もなかったから・・・」
アリー「いや、あの時でも知名度はあったぞ。なんか変なやつがシリアで大暴れしてるって。遠方に依頼するくらいだから、それなりに有名だったと思うぞ」
「あ、そうなんですか・・・すみません・・・」
「それでも気になるな・・・」
アリー「まあ気にすんな、そんで答えだが・・・別にこのシリアでは知名度とか広まっても良いんだ。他の勢力をけん制するためにもな。ただ、アフガンとかの遠いところは困るんだ。俺たちはそこを拠点にしてるわけじゃねえ。変な連中がいるっていって、また余計な争いが起きると困るからな。大将たちみたいなバケモンがいたら、今後外国勢力がどんどん介入する恐れがある。例のアフガニスタン紛争もそうだ。アメリカのCIAが支援してたからな。今後そうなってしまったら困るんだよ。ただでさえ荒れてる土地がさらに荒れてしまう。まあそういう理由もあって、アフガンでの敵には容赦なかったのさ。シリアでの情報戦は今までの通り効果あったな。まあちょっと変な噂もあるんだが・・・。」
「そういう事か・・・。確かに情報に散々踊らされたな・・・。」
「ああ・・・色んな意味でな・・・」




