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ジーンと小さな生き物 前編

スーッと涼しい朝がやってきた時間、ジーンは自転車を走らせセイントパークにやって来た。彼は公園の入り口に自転車を停めカゴからペットである金色色のうさぎを抱えてすぐさま駆け足で公園内にある大きな木の根元に来ると、うさぎをその場に置いて持ってきていたスコップをリュックから取り出し、ザクザクと土を掘り起こした。


「はぁはぁ・・・良かった見つからなかった」


ジーンは虹色の丸い破片を手に持つとマジマジと見た。


「これ絶対地球外の物質だよな。ジプシー?」ジーンは無我夢中でそこら辺の土を掘っているうさぎに聞く。


「マジヤベーよ。これ。なんか虹色に光ってるし」


そう言ってジーンは破片の裏返すと


【全く記録がない日11月06日】と書かれていた文字を発見した。


「なんだこりゃ?」


彼は土で汚れた所を手で払う


【僕には自分が何者か記録がないけど、何故だかお腹が空いてどうしようもないから、食べれるかわからないけど、ここら辺の葉っぱ食べてみた。美味しかった】


何をするの考える日 11月7日

【葉っぱは美味しいけど今度は口が渇いたから葉っぱに付着されている雨とやらを舐めてみた。んー・・・美味しかった】


コロコロした日 11月8日

【葉っぱ以外の食べ物を食べてみたいと思ったから葉っぱを食べてみた。やっぱり葉っぱだったけど美味しかった】


ママとの思い出に浸る日 11月9日

【ちょっと葉っぱだけだとやっぱり葉っぱしか楽しめないからお店に行って食べに行く。

お金と言うものがないからお店の人に怒られて食べれなかった。

葉っぱを食べた。美味しかった】




彼は「スゲー。日記だ!宇宙人の日記だ!奇跡の大発見だー!やっぱり俺が思った通りだった!」と叫ぶと思い出したように

腕時計を見た。


「やべ!学校遅刻になる!」ジーンは急いで破片をバックにしまい込んで土を掘り起こして、うさぎを抱えまっすぐ来た道を戻って行った。


ジーンが公園の入り口に戻ると小さな子ザルのような生き物がジーンのサドルに登ろうと必死になっているのを発見し、ジーンは「うぉっ!」と小声をあげ、恐る恐る周りを見てから落ちていた小枝を武器にして小さな生き物に話し掛ける。


「お、お前!お、俺のサドルに何してんだ!」


すると小さな生き物は驚きながら振り向く。


「えっ?あっ、こ、こんにちは」


「おっ?お・おお・・・こんにちは」

ジーンは怯みながらも小さな生き物の目をジッと見ながら小枝を地面にバンと叩いて軽く威嚇した。その音にうさぎはビックリしてジーンの脇の下に顔を埋めた。


「お、お前な、何者だ?俺、俺のサドルで何し、しようとしてんだ?」


「え?あっ、ごめんなさい!ついつい乗りたくなってしまって!悪気があったわけではないんです」小さな生き物はそう言うとお腹にしまってある拳銃をチラッとジーンに見せた。


「おっ!おい!お前!そ、それなんだ?こ、

光線銃じゃないだろうな!」


「いや、違いますよ!でももしかしたらあなたが言う公園銃かも知れませんね」


「公園?光線銃だろ!」


「ああ!光線銃ですね」小さな生き物はまたチラッと拳銃を彼に見せつける。


「お、お前俺にそれを見せて、お、脅すつもりか?そんな事したって、お、俺だってカバンに爆弾しこんで、あ、あんだぞ!」


ジーンは怯えているうさぎを地面に置いてガサゴソとリュックから先程の破片をチラッと見せ、爆弾と偽りつつ啖呵を切った。


しかし小さな生き物はまだ小学生みたいな子供が爆弾なんて持っているわけがないとタカを括りながら更に話を盛り上げる。


「そうなんですね!じゃあ光線銃であなたを撃ってもし爆弾が起動したらここら辺一帯焼け野原になってしまいますね!?」


「お、おう!そうだ!お前まで木っ端微塵だぞ!いいのか?!」


小さな生き物は爆弾では無い事は十分承知の上で「でも大丈夫です。安心して下さい。この光線銃は人にしか効かない特殊な銃なので焼け野原なんかになりませんし、僕の腕は宇宙一最強なんです」


と小さな生き物はまるで俳優の気分になると自分に酔いしれた。


「う、で、でも俺、俺に少しでも近づいてみ、みやがれ!この爆弾でお前ごと爆発さ、させて、やるからな!」

ジーンは更に破片をチラッと見せる。


「そうですか。ではちょっと私の本気でも・・・あっ!その破片は!?」小さな生き物は急に叫ぶと勢いよくジーンのリュックに掴みかかり破片を奪い取った。


「ひぃー!!!!」ジーンは叫ぶと頭を抱えて怯え、うさぎは心配そうにジーンを見ている。


「ああ!良かった!やっとこれ見つかった!やったー!」小さな生き物は破片を上に持ち上げて喜んだ。


「おっ!おい!一体お前何者なんだよ!てかなんなんだよ!」ジーンは小さな生き物から大きく離れると叫んだ。


小さな生き物は破片をお腹のポケットの中に押し込んで一呼吸置くと「僕はみんなが言うロドリゲスではなく、フォルテフェリーチェという名前なんです。フォルテ・フェリーチェです」とはっきりとフォルテフェリーチェを強調するように言った。


「なっ!えっ?ロドリゲス?なんなんだ!人間の名前なんて言いやがってお、お前宇宙人だろ!」とジーンは小さな生き物に指を指した。


「え?いや、だからフォルテ・フェリーチェ・・・」


「いやいやロドリゲス!お前は宇宙人だ!人間の皮を被った宇宙人だチクショー!」


「えっ?いやだからフォルテ・・・」


「よ、よーし。わかった!てめー!ロドリゲス一歩でも、一歩でも近づいてみろ、こ、ここらへんに転がってる石を秒単位で連続で投げてお、お前の、あれでこうやってぶっ倒してやるぞ!いいな!来るなよ!来るなよ!」


「ちょっと!さっきから何回言えば、僕の名前はフォルテ・フェリーチェ」


「うっせー!くんな!くんなよ!こっちくんなよ!」


「ちょっと!小学生!さっきから一体君は何なの!?」


すると騒ぎを駆けつけてきたのか、たまたま通りすがったのかジョギングをしていた男が騒いでいるジーン達に声をかけてきた。


「おーい。君たちどうしたの?なんか凄い声をあげてるのが聞こえたんだが・・・えっ?ちょっ、なんだ!?この生物は」ジョギングをしていた男は小さな子ザルのような生き物が喋っている事に驚いてジーンの顔を見た。


「お、ジョギングのおじさん!こ、こいつ、なんか銃を持ってて俺をこ、殺そうと!」


ジーンはジョギングをしていた男の後ろに回ると覗き込むように小さな生き物に指を指す。すぐさまうさぎもジーンの背後に回った。


「なに?大丈夫か?坊や!任せなさい。私はこう見えてもボクサーやっていてね。ケンカには少し自信はあるんだ。」


男はそう言うとこぶしをポキポキと鳴らしながら小さな生き物をジッとみた。

小さな生き物は(ヤバイ筋肉馬鹿だ!こいつは筋肉馬鹿だから本気でヤバイ!)と部が悪いと思うと頭を切り替え


「えっ?ちょッ待って下さい!こんな小さな身体で銃なんか扱えると思いますか?平和主義者なんです。僕は!」と怯えたふりをして男に言った。


「死ぬ前に1つ冥土の土産で言ってやろう。俺の名前はロッキーだ。ロッキー・チェン。覚えたか?宇宙人」


男はそう言うとジーンの肩をポンと軽く叩き逃げなさいと言った。


ジーンは頷くと「ありがとうございます!」と一言ロッキーに言うとすぐさまうさぎを抱え自転車にまたがり走り去った。


ロッキーは小さな生き物に「さぁ。やろうか・・・化け物め!」と言ってファイテングポーズを構える。


「ちょ、ちょっと待って下さい!僕は全然戦うつもりは毛頭もないし!一体なんなんですか!?僕が何かしましたか?」


小さな生き物は怯える。


「お前は今少年を怯えさせていた。理由はそれだけで充分だろう。化け物め!」


ロッキーはジリジリとにじり寄って行く。


「ちょっと待って!ちょっと待ってって!いいですか?僕は今公園銃持ってるんですよ!わかりますか?公園銃!それ以上近寄ると公園銃であなたを撃ちますよ!」


小さな生き物はそう言うとポケットから銃を取り出して構えた。


「ほう。銃で私を脅すつもりか!悪辣非道な化け物め!」


「そうですよ!良いですか!無駄な抵抗は辞めた方がいいですよ!あなたを一瞬で焼け野原にする事だって出来るんです」


小さな生き物は(マジか!マジでこいつは僕をやるつもりだ!)と思い必死に戦いにならないように威嚇する。


「それはどうだろうな?私はボクサーだ。貴様が引き金を引く前に一瞬で間合いを詰めて

殴り殺す事だって可能なんだぞ?いいか?一瞬だ。私の鋼鉄の拳で一瞬なんだ。理解が出来るならその銃を下ろして抵抗をしない方がいいぞ」


ロッキーはそう言った瞬間すぐさま小さな生き物に間合いを詰め銃を取り上げようとした。ロッキーの素早い動きに小さな生き物は「ひっ!」と驚いて引き金を引くのと同時にパンッ!と言う重い音が鳴り響いた。


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