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私の爆弾  作者: 如方りり
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6)経尿道的尿管砕石術?

 初めての入院を体験した年の秋、腎臓に眠る爆弾(結石)処理のため破砕手術のできる病院を訪れた。今度は、前回の大学病院とは別の少し遠くの総合病院。


 まずレントゲンで石の所在を確認すると、確かに両方の腎臓に複数あることがわかった。

「ちょっと厄介な位置なので、四~五日入院して内視鏡を使った全身麻酔の手術にしましょう」と先生。

なんと…!!

 今回は、経尿道的尿管砕石術という、尿道から内視鏡を入れてレーザーで結石を破砕する作戦でいくらしい。予想外の展開にうろたえる私。内診の際、無駄に下着まで全部めくり上げて「胸は出さなくていいです」と言われる始末。大ごとになってきたぞ。


 手術の前日に不安を抱えながら人生二度目の入院。

 全身麻酔の為、入院した日の昼食後から翌日の夜までは何も食べてはいけない。下剤を飲まされ、翌朝は浣腸までされるという。


 明日の手術に備えてもう一度レントゲンで石の位置を確認すると、何故だかアイツは移動していた。

「手術の方法を変えましょう。これなら衝撃波で破砕できます」

 まさかの変更に、喜ぶべきなのかどうかもわからない。でも、衝撃波は一度体験しているし、全身麻酔なら眠っている間に終わるよね。

 自分に言い聞かせながらもメンタルの弱い私は緊張して眠れず、安定剤を処方してもらった。


 翌朝、浣腸の時間にやってきた看護師さんは男性だった。

 え!?この人に浣腸してもらうのですか?よりによって同じ年代の異性に…。

 まず「点滴しますね」と言われ、チクリと刺す看護師さんの顔を直視できない。

「手術の方法変わって良かったですね。全身麻酔じゃなくなったし」

そう言いながら、彼はにこやかに点滴をセットした。

「え、浣腸しないんですか?」

「しませんよ(笑)」

 浣腸して欲しかったみたいな言い方になってしまったが、ひとまず助かった。

でも。全身麻酔をしないという事は、意識のある中でまたあの拷問を受けるのか…。


 車椅子で破砕室まで行き、心電図をつけて台に横たわる。覚悟はしていたが、やっぱり激痛。ただ今回は途中で二回ほど痛み止めの薬を追加してもらえたので、もう少し我慢せねばという気持ちになり心の中に夜叉は生まれなかった。


 約一時間の拷問から解放されると、自分の足では立てないくらい千鳥足だった。薬を追加したからなのか…。車椅子で病室に戻った後はベッド上安静。そういえば昨日、手術の変更が決まる前に飲んだ下剤が一向に効いてこないな、と思いながら眠りについた。


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