#4 笹垣 ちかげの人間観②
【何この子。ちょっと高飛車で苦手かも…。
ま、頭いいみたいだし、宿題移させてもらえるから仲良くしとこっかな?
あたしが李利と初めてあった時一番初めの思考回路である。】
中学生になって初めてのクラス。
李利とあたしは同じクラスだったけど小学校が違ったから別に絡むつもりもなかった。けどまぁクラスメートだし、名前を覚えるためにも自己紹介は真面目に聞くタイプなんだよね、あたし。
『棗 李利です。赤山小学校出身、部活は文芸部に入部するつもりです。皆さんとこちらから関わる気は無いので用のある方は話しかけてくれれば対応します。逆にどうでもいいことで話しかけてこないで。』
え、何この子。普通初対面の人たちにこんなことよく言うよねって感じで友達の朱莉にアイコンタクトをとる。
無論、すべて伝わるわけではないけれどある程度理解したふうに頷いて[それな]と読唇で伝えてきた。
朱莉はすごく嫌いそうだったけど、あたしは嫌い好きよりも不思議な李利という存在に惹かれ始めてたんだ。よく考えればこの時から。
『あの〜、棗李利ちゃん、だよね?』
笑顔で話しかける。
『そうですけど、何か御用ですか?それとも私の自己紹介聞いてませんでした?』
ひゃ、こわ。でもまぁここで食い下がるほどあたしの根性もやわじゃない。
『え、聞いてたよ笑。重要な要件、あるんだ』
『何ですか?初対面の人に重要な要件とか、嫌な予感しかしない…』
『あ、あのね?友達になってほしいの!』
『はぁ、誰と?』
『李利ちゃんだよ!あ、李利ちゃん呼びまずかった?』
『私とですか?呼び方はお好きにして下さったらいいですけれど…またなんでわたしと友達に』
『じゃあ李利ちゃんって呼ぶね!えっとね、李利ちゃん自己紹介の時、すごく変わったこと言ってたから興味湧いちゃって』
『人と違ったらダメなの?』
う、失言してしまった。
『いや、そんなことない!むしろそれじゃなかったら李利ちゃんに話してないかも!』
『ふうん、じゃ、よろしく』
李利は右手を差し出してきた。握手とかあんまり最近しないなぁ。
その瞬間なんだか教室の空気の流れが変わった気がした。
男子の声がした。
「なぁなぁ、棗ってあんなふうに友達出来たことあったっけ?」
「いや、無かったと思う」
「友達になろうとしたやつ全員泣かされてたよな笑笑」
「あのー、なんてやつ、笹本?」
「笹垣な」
「あ、そう笹垣、すげーな。よく棗に認めてもらえたな笑笑」
あ、そういうことだったんだ。
これはちょっと自分の身の周り固めとかなきゃやばいかもだな、と思った。
今までいつも一緒に登下校をしていた朱莉が次の日から来なくなった。朱莉は自分から離れていったあたしのことにはもう興味がなくなったみたい。まぁ朱莉も有希っていう友達出来たらしいし気にしなくていいか。
【この時の自分をあたしは恨んでる。あの時、もっと早くに朱莉の変化に気がついていれば―】
閲覧ありがとうございます。
朱莉は笹垣ちかげの小学校からの友達でしたが…。
不穏な空気が漂いますが次は李利sideで見てみたいと思います。
小説の書き方、いまいちまだわからないです笑
おかしい所があればコメントください!