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散歩道

作者: お箸

私の趣味の話をしよう。


私の趣味は散歩である。暖かな日溜まりの中、あてどもなく歩きまわるのは、こたつでするうたた寝と同じくらい心地よい。


とくに朝早い時間にする散歩は、私がすむ町のいままで知らなかった一面が見ることができ、とても新鮮である。まだ日の昇りきらない薄暗い空。ひんやりとした空気に眠気を飛ばされ、身を潜めていた冒険心が顔を出す。普段通らない細道にはいってみたり、公園の滑り台に登って日が昇るのを見つめてみたり。三十分の冒険が終わり、見知った道まで帰って来る。漂ってくる味噌汁のかおりに、さみしいような懐かしいような不思議な気持ちになるが、早起きのご近所さんに会釈を返されると、独り暮らしで凍てついていた胸の真ん中がほっこりとするのだ。


だがやはり、一番はお昼の後である。腹を満たして少しばかり重くなった身体をゆっくりと動かす。お気に入りは近くの山だ。山と云っても小一時間で回れる丘のようなものである。わりかしなだらかな山道を、ふりそそぐ光のつぶに眠気を誘われながら歩く。木々にとまった鳥や虫の鳴き声はこころを休める子守り歌だ。たまに小動物の姿に足を止め、ぼんやりと観察する。こうして緑の中にいると、しみじみと感傷に浸ることができるのである。


明日はどこを歩こう。



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