七十六話 門前に集う人々
セリフ回しこんなんでいいんでしょうか?
少しだけ時間を巻き戻し、場面は邪仙と魔法使いが、言葉をぶつけ合っていた所まで遡る。
やっとの思いで洞窟の奥地に参真たちが辿りつくと、そこには巨大な門と、睨みあう二人の女性がいた。うち一人は想像がつく……小傘に光線を放った人物はきっと、この二人のどちらかだ。それを小傘に聞こうとしたところで――
「うおー! せーがー!」
青年にかまわず死体が叫び、思わず顔をしかめることになった。悪気はないのだろうが、ちょっとは遠慮してほしいものである。
だが、大声で呼んだおかげで、すぐさま女性の片方がこちらに寄ってきた。注意が外れたもう一人の女性を、参真は見張ることにする。
「芳香ぁ……こんなにボロボロになっても来るなんて……いいこ、いいこ♪」
彼女はまるで天女のような笑みを浮かべて、従者との再会を喜んだ。
そうして撫でていくと、みるみるうちに折れ曲がっていた手足が再生していく。まるで手品だが、方法は参真たちには想像もつかない。
と、一瞬視線が死体とその従者に移っている間に、放置されたいかにも「魔女」の格好をした少女が、扉を開けて先に進もうとしている。慌てて参真は「グラビティハンド」を発動させて、魔女の逃亡を封じた。
すると、力を使った所を見て、その羽衣を纏った女性が囁いた。
「あら、同朋の方でしたか……あの子に何か用事でも?」
「ええまぁ……ちょっと危ない目に遭わされたのでね」
「奇遇ですわ。私も同じ用件なのよ――共同戦線ということでよろしくて?」
願ってもない申し出に、参真は二つ返事で答え、そして四人で取り囲み(と言っても参真は空を飛ぶのを封じていただけだが)今に至る。
「ぐ、ぐえぇ……もうかんべんしてくれ……」
結果、見事に魔法使いを懲らしめることに成功した。彼女は満身創痍で床に突っ伏し、ボロボロになった身体と衣服を小さく震わせている。
「もう魔理沙! 今度からはちゃんと話を聞いてよ!? 私はご主人さまと会いたかっただけなのに……ひどいよぅ」
「そ、それはマジで悪かったんだぜ……」
「それ『は』?」
ドスの効いた邪仙の声が、刃物のように空洞に響く。失言に気がついた魔理沙は、大急ぎで取り繕った。
「い、いや、今回のことは、全面的に私が悪かった! だから許してくれ!!」
「……まぁいいでしょう。芳香も満足したみたいだし」
「うおー! すっきりしたぞー!!」
元気いっぱいに叫ぶキョンシーは、弾幕の盾にされていたのだが、傷一つない状態に戻っていた。主である天女が、一瞬で怪我などを治してしまうのである。
(この人、異変の関係者……かな)
門の先に集まる神霊と、それを守ろうとした彼女の行動から、確信を持って参真は訊ねた。
「あの……この先には何が? 神霊を集めているようですが……?」
「いいえ、集めているんじゃなくて、勝手に集まってきているだけよ。霊廟の奥地で復活する、あの方にあやがろうとね……」
「この異変は、意図的に起こしたものではないと?」
「そうね、副作用みたいなものかしら。あなた同朋でしょう? せっかくだし、あなたもお祝いに行ってきなさいな」
と、満面の笑みで天女は答えてくれた。何を勘違いされたのかは不明なものの、仲間だと思ってくれているらしい。奥に入るのを勧められ、彼はぺこりと一つおじぎして、小傘を連れて、扉の先へと進んでいった。
という訳で、魔理沙はここで脱落。
参真君たちは原作五面まで進むことが出来ました。伏線生かせるといいなぁ……