六十六・五話 幻想と幽玄の庭
はい、実は重大なミスをやらかしました。
本当なら前話の冒頭に組み込みたかった部分が、丸々コピーし忘れるという大失態。テヘペロ☆
なので、つなぎ回です……
深い、深い、眠りの中。青年は何かと向かい合っていた。
感覚としては、川に落ちた時に似ている。相手が大きすぎて上手く認識できないが、巨大なモヤのかかったナニカに、無理矢理身体と意識を繋ぎとめられていた。
(君は誰? いや……何……?)
曖昧な世界の中でソレに問いかけるが、返事はない。少なくても悪意がないのがわかっているので、彼は取り乱すことはなかった。やがてモヤは遠ざかり、意識が浮いていくのがわかる。自分はきっと、もうすぐ眼を覚ますのだろう。
現実の身体と感覚が同期していく。今いるこの場所からすべてが遠ざかっていく。
どこで、誰が、何をしたのか? 何一つとして判らぬまま、青年は忘却の目覚めへと浮上した。
***
そして、早朝――冥界には一組の男女が見つめ合っていた。
水色を基調と着物の、桜色の髪を揺らめかせる少女と、濃い青の作務衣の青年。
咲き誇る桜と、漂う幽霊で、それはそれは幽玄な世界の中で、穏やかな空気の中に二人はいた。あとは口説き文句と共に抱き合えば、綺麗な告白シーンの出来上がりだっただろう。
だが、その場に居合わせた幽霊は後に語っている。
二人は全く、恋愛感情など持っていなかったことを。
あれは――嵐の前の静けさだったのだと――
わざわざ追加したシーンです。ということは……