六十一話 見知らぬ森の廃屋
遅れてすいません! しかも繋ぎ回orz
うっそうと生い茂る木々の間を、参真は駆けていた。
地底から出るまでは良かったものの、そこから先の地理には無知だった彼は、あろうことか妖精に道を尋ねてしまった。
攻撃されないと思っていたのだが、しかし普段と違い、軽い弾幕ごっこへと突入。一応勝てたものの、騒ぎが騒ぎを呼び寄せ、参真は今、妖精の大群に追われていた。
「あ! いたーっ!!」
しかも厄介なことに、妖精の一部は能力持ちで、音や姿を消したり、気配が消えたりと大変やりづらい。
「ええい! みんな落ちろ!! 拘束『グラビティハンド』!」
「「「「「「「「「「ひゃあああああああああ!?」」」」」」」」」」
いちいち相手にしているのが面倒になり、飛び回る妖精たちを全員たたき落とす。
盛大な悲鳴を上げ、地面に転げまわる妖精の群れを無視し、全力で大地を蹴った。
「はぁ……はぁ……ここまでくれば……」
膝に手をつき、その場で呼吸を整える。つけられている様子もないし、一安心だ。
しかも都合のいいことに、目の前にはやや古くなってはいたが、住居がポツンと一つある。
(……不自然に見えるけど……大丈夫だよね? ちょっと休ませてもらおうかな……)
ここで誰かに会えれば、森から抜け出す方法を教えてもらえるかもしれない。体も疲れていた彼は、正面口までやってきた。インターホンを探そうとして――そんなものはないことに気がつき、迷惑にならない程度のに戸を叩く。
「すいませーん。どなたかいませんかー?」
……返事がない。中で人が動く気配もない。もう一度同じことをしてみるも、誰も何も答えなかった。
「すいませー……空いてるよ……」
試しに戸を引いてみると、すんなりと開いてしまった。さすがにこれは、幻想郷でも非常識だとは思うのだが……あるいは、廃屋なのかもしれない。
(入っていいのかなぁ……? もし持ち主に見つかったら、謝ればいっか。変なことする気はないんだし)
あくまで青年の目的は休むだけである。特に部屋を散らかしたりしなければ、そこまで文句は言われないだろうと考え、お邪魔することにした。
入って早々――ぽっかりと床から地面が覗いていた。廃屋なのか、所どころに穴があり、暮らすには不便な状態だ。お年寄りが住んでいたら、腰を痛めるのに一週間かからないのではないだろうか?
(僕の小屋も……こんな感じだったっけ……)
すでに燃えてなくなってしまった彼の小屋だが、初めはいくつか壊れていた箇所があり、偶然見つけた地下室の木材と、道具で直したのだ。放置された空気といい、この家はなんとなく、自分の暮らしていた小屋に似ている。
(これ直したいなぁ……ってあれ?)
穴を見つめながら、ぼんやりとそんなことを考えていると、何故かその時に使った道具が出てきているではないか。
(……本当になんでもありだね、幻想郷は)
相変わらずの出鱈目ぶりに、青年は苦笑し――そして、喜々として、その道具たちを手に取った。
***
「んにゃ~ うるさいぃ~」
マヨヒガの縁側で、日を浴びながら眠っていた彼女は、奇妙な物音で目が覚めた。木をドンドン、と、派手に叩く音がするのである。
「だれか迷い込んだの~?」
ここマヨヒガは、名の通り道に迷った人が、稀に来ることがあり、そして、その人間を食事等をだして、もてなすのである。
少々困った家ではあるが、それでお金がかかる訳でもないし、妖怪である彼女にも、たまーに出してくれるから、特に文句はない。
しかし、迷い込んだその人間に、午後のお昼寝タイムを邪魔されて、穏やかでいれるはずもなく……二股の尻尾をくねらせて、忍び足で音源へと向かう。が、
「ふにゃー!?」
唐突に足元が崩れ、派手に尻もちをつく。ぼろぼろになった床が、抜けてしまったらしい。
「痛いよう……藍しゃまぁ……」
半ベソをかき、その場でうずくまる彼女に――
「大丈夫? 怪我はない?」
青年は優しく、その手を差し伸べていた。
この妖怪は誰かは……まぁ、分かりますよね~
それと、またテストあるんで、更新遅くなるかもです。でもアテに(ry